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集団的自衛権行使容認や
「村山談話」の見直しに意欲、
オスプレイ「安全」強弁

所信表明演説への代表質問に対する答弁で
衣の下にヨロイの安倍首相

福島党首社民党の福島みずほ党首は1日の参院本会議で、安倍晋三首相の所信表明演説に対する代表質問に立ち、「安倍内閣の進める、国民の苦しみを顧みない、将来に禍根を残す政治のあり方や憲法改悪に厳しく対決し、憲法の示す価値こそを実現する」と、社民党の決意を内外に明らかにした。

 安倍政権がもくろむ集団的自衛権行使の容認について福島党首は「平和国家としてのあり方を根本から転換することであり、憲法解釈で変更してはならない」と強調。併せて、「国防軍」の設立などを盛り込むとともに、「公益及び公の秩序を害することを目的とした」集会・結社、言論・出版などの活動は「認められない」として表現の自由制限を明記した自民党の新たな「憲法改正草案」を批判した。

 答弁で安倍首相は、集団的自衛権問題について「新たな安全保障環境にふさわしい対応をあらためて検討していく」と答え、第1次安倍政権時に例示された集団的自衛権行使を容認する「4類型」をさらに広げていく方向性を示唆した。

 福島党首はまた、安倍政権の歴史認識について、(侵略と植民地支配への反省とおわびを表明した)95年(戦後50年)「村山談話」や、(「慰安婦」問題の強制性と旧日本軍の関与を認めた)93年「河野談話」を見直す動きは「アメリカを含めた諸外国からも憂慮されている」と指摘し、首相の見解をただした。

 これに対し首相は「しかるべき時期に21世紀にふさわしい未来志向の談話を発表したいと考えており、そのタイミングと中身については今後十分に考えていきたい」と答弁し、村山談話に替わる新談話発表の意向を表明。歴史問題では従来、戦争責任・戦後補償の棚上げを意味してきた「未来志向」の言葉を持ち出し、「安全運転」の衣の下に「歴史修正主義」のよろいをのぞかせた。

 さらに福島党首は、沖縄の米軍基地へのオスプレイ配備問題で1月28日に「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会」などの上京団が政府に提出した「建白書」が「多数に上る死者を出している危険なオスプレイを配備することは沖縄県民に対する『差別』以外何ものでもない」と指摘したことに言及し、「この指摘に明確に答えよ」と迫った。

 首相は「オスプレイ配備はわが国の安全保障にとって大変有意義」と開き直り、沖縄差別の意図を否定。その上で「オスプレイに関する分析評価書(米軍による環境レビュー)、日米合同委員会合意等により、その安全性は十分に確認している」と述べ、沖縄の県議会と全市町村の行政・議会が名を連ねた建白書が(住宅密集地上空の垂直離着陸モード飛行など)日米合意違反について「300件超を目視」と明言していることを見事に黙殺した。

弱者にしわ寄せ予算に反対

吉田ただとも■「日曜討論」で吉田忠智政審会長 社民党の吉田忠智政審会長は3日、NHK番組「日曜討論」に出演し、安倍政権の経済対策などについて議論。デフレ克服には賃上げが必要だと強調した。

 吉田政審会長は、賃金がこの15年間にわたり(給与総額で)15%弱低下している事実を指摘し、生活実態を見ない財界の「デフレだから実質賃金は上昇した」論をけん制。その上で、内需の6割を占める個人消費を喚起するために「安倍総理も日銀ばかりに圧力をかけるのでなく、経済界の首脳に会い、家計を温める賃金引き上げに向けてどういうことができるか、率直に話し、(賃上げを)要請すべきだ」と主張した。

 政府が1月29日に閣議決定した13年度予算案について吉田政審会長は、生活保護(生活扶助費)や年金支給額の引き下げ、予算編成の前提となっている消費税率の14年からの引き上げに触れ「低所得者、弱者に痛みを押しつける内容になっている」と批判。(基礎年金の国庫負担分を含めれば)当初税収見積額を上回る国債発行を行なう一方、12年度補正予算案と合わせると公共事業予算が10兆円に膨らんでいることにも疑問を呈し、「従来の大型公共事業重視、バラマキではなく公共事業の中身そのものの見直しを」と指摘した。

【社会新報】 今週の主張

2013春闘 「賃金復元」は未来を見据えた要求 13年春闘が本格的にスタートした。連合は格差是正を視野に入れた「賃金の復元・底上げ」を掲げ、1%を目安とした賃上げや「誰もが時給1000円」などを要求している。これに対し経団連は、非正規労働者を含まないデータを用いて賃金は低下していない、と「反論」している。これは、日本経済の抱える問題を象徴する事態だと言える。[→2013春闘 「賃金復元」は未来を見据えた要求]

(社会新報2013年2月13日号より)

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