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12年7月4日号・社会新報(12年7月4日号)

民自公3党の結託で衆院通過に怒り
増税法案成立阻止へ全力

服部良一議員消費増税先行、社会保障後回し 消費増税を柱とする税・社会保障一体改革関連法案が6月26日、与党の民主、野党の自民、公明の3党による修正の上、衆院社会保障・税一体改革特別委員会で賛成多数で可決され、同日の本会議を可決、通過した。民自公と国民新、たちあがれ日本の各党が賛成。社民、共産、きづな、みんな、大地・真民主の各党が反対した。消費増税法案の採決では民主党から57人が造反、16人が棄権・欠席した(賛否は363対96)。民自公法案の通過を受けて社民党の重野安正幹事長は談話を発表し、「今後舞台が移る参議院において、わずかな審議で可決された修正法案の問題点を浮き彫りにし、一体改革のまやかしを追及していく」と決意を述べた。

 本会議反対討論で服部良一議員は、民自公3党合意によって「改革はわい小化され、単なる増税の口実となった」と強調。「社会保障改革の全体像も、所得税・資産課税・法人税の不公平を是正する税制抜本改革もないままに、庶民と中小零細企業に負担を押しつける消費増税を先行させることは断じて許されない」「年金制度・医療制度も先が見えない、消費税もどこまで上がるか分からないという中で、どうやって安心して仕事をし、生活をしろというのか」と述べ、政府と民自公を厳しく指弾した。

 その上で、服部議員は「消費増税のみならず、原発再稼働、TPP(環太平洋経済連携協定)、沖縄・辺野古新基地建設、オスプレイ配備など、対米追随の国民生活破壊にひた走る野田内閣は即刻退陣すべき」と鮮明に主張した。

野田政権包囲する「国民大連合」を
法案採決受け福島党首が提唱

 消費増税法案などの衆院通過について、社民党の福島みずほ党首は6月26日、「民自公3党の密室談合で、国民が選んでいない、国民が頼んでいない、国民が支持していない消費税増税(法案)を可決したことは日本憲政史上の汚点」と強く批判した。

 また民主党議員の大量造反について、衆院任期4年間は消費税率引き上げは行なわないとした09年の社民・民主・国民新3党連立合意に基づいて新政権がつくられたことに触れ、「消費税増税に反対するのは当然。むしろ賛成するのがおかしい」と評価。「社民党は消費税増税反対、TPP反対、脱原発なので、そういう政策を持っている人たちや国民の皆さんと大きく連携して『国民大連合』のような形で大きく運動をつくっていきたい」と述べ、徹底審議と反対運動強化による成立阻止への決意を示した。

新自由主義への対抗軸を掲げる

社民党と新社会党が選挙協力協定
写真|(左から)社民党の又市副党首・選対委員長、福島党首、新社会党の松枝佳宏委員長、長南博邦書記長(6月28日)。

社民党と新社会党が選挙協力協定 社民党の福島みずほ党首と新社会党の松枝佳宏委員長は6月28日、参院議員会館で会談した。両者は社民、新社両党が選挙協力を行なうことで合意し、協定書に調印して取り交わした。

 両党の選挙協力協定はまず、民主党政権が政権交代のときに掲げた「国民生活が第一」の政策を後退させ、新自由主義政治へと回帰する一方で、政治不信の高まりを背景に既成政党・既成制度を総否定する大衆迎合的で強権的な「大阪維新の会」などが支持を広げているとの情勢認識を提示。その上で、両党は「こうした政治状況に危機感を持ち、今こそ新自由主義に明確な対抗軸を掲げ、これに賛同するさまざまな諸勢力の結集と共闘で、当面する衆議院選挙、来夏の参議院選挙で前進を図ることが必要不可欠であるとの認識で一致した」とし、以下の8項目の政策実現を目指すとするもの。

  1. 消費税増税に反対し、富裕層や大企業への優遇税制の廃止など、不公平税制を是正する。
  2. 原発の再稼働に反対し、脱原発・自然エネルギーへの転換を推進する。
  3. 市場万能主義のTPP(環太平洋経済連携協定)参加に反対する。
  4. 在日米軍の再編強化に反対し、普天間基地の撤去を求める。
  5. 憲法第25条を満たす社会保障制度の国民的合意・確立を目指す。
  6. 雇用創出、非正規労働の正規化・派遣労働の原則禁止、時給1000円以上の最低賃金の実現を図る。
  7. 教育破壊と政治介入を許さず、子どもが主役の教育を再生する。
  8. 憲法三原則を遵守(じゅんしゅ)し、憲法の保障する国民の諸権利の実現を図る。

「一体改革」の名に値しない

中島隆利中島隆利衆院議員が3党合意を追及 社民党の中島隆利衆院議員は6月22日の社会保障・税一体改革特別委員会で、消費増税を先行させ社会保障改革を先送りする民主・自民・公明3党合意に基づく消費増税関連法案修正案について「一体改革になっていない」と批判し、3党の修正案提出者を追及した。3党側ははぐらかし答弁などで、それぞれに都合よく解釈することによる食い違いは露呈しないように努めつつ、合意の線で将来の税と社会保障のあり方に枠をはめようという姿勢をにじませた。質疑・答弁要旨は以下の通り(1面参照)。

【3党協議と社会保障制度改革国民会議】
6月15日の合意では、今後の年金、高齢者医療に関しては「あらかじめその内容等について3党間で合意に向けて協議する」とある。3党と国民会議とどちらの結論が優先されるのか↓多分同時進行していく。多分3党協議がやや先行し国民会議で詳細な制度設計が行なわれる(自民・鴨下一郎議員)。

【税制法案の修正】
課税所得5000万円超の所得税率引き上げは来年度税制改正に先送り。政府原案、少し厳しい公明案、あるいはその間をとって最高税率を引き上げるのか↓
税率の刻み方、控除のあり方について細目を詰める(自民・野田毅議員)。

【年金法案の修正】
家族全員が住民税非課税でないと支給対象にならないのはなぜか。支給対象者数、うち基準額の月5000円受給者数、所要財源の見込みは↓
福祉的措置なので家族内である程度扶養していただける場合は対象にしなくてよい。対象500万人、5000円受給者は把握していない。財源は5600億円と想定(自民・加藤勝信議員)。

 パート労働者への厚生年金・社会保険適用拡大が政府案からさらに後退(45万人が25万人に)↓
月収基準を政府原案から引き上げないと事業主負担を含めた全体の保険料負担が国民年金を下回り、給付は上回るという逆転が起きるという論点があった(民主・長妻昭議員)。

【子育て関連法の修正】
保育所からの移行を義務付けた「総合こども園」を撤回、保育所にも幼稚園にも移行を義務付けない現行の認定こども園を拡充することに。どの程度が移行し、待機児童が解消すると見込むか↓
どれだけ移行するかは現時点で把握できていない。保育所からの移行を義務付けなくても保育所数は一緒という意味で、待機児童解消には余り関係ない(自民・田村憲久議員)。

3党合意が将来練るのおかしい

阿部知子衆院議員■阿部知子衆院議員 社民党の阿部知子衆院議員(党政審会長)は6月25日の一体改革特別委員会で、民自公3党合意について「有効期限はいつまでか」とズバリ質問。「解散の時期がいつかは別としてその合意に基づいて対応するのが基本」との野田佳彦首相の答弁に阿部議員は納得せず、「解散があったら終わるのか」、「解散があったら消えるのでなく、政党間の信頼関係がある限りその合意に基づいて議論し合意形成するのが筋」、「それでは民意を汲(く)んでいない。有効期限、賞味期限は解散までが主権在民」  と、息詰まる応酬が続いた。

 また阿部議員は、子ども・子育て支援に増税による増収分の7000億円を充てるとしていることについて、その財源手当ては「消費税が(14年4月に)8%になったときか、(15年10月に)10%になったときか」と質問。小宮山洋子厚生労働相が「今すでに量の拡大などはやってきている」「全体としてその(配分)割合が(量)4対(質)3になるような形でやっていく」とあやふやな答弁を返すと、阿部議員は明言を迫り、小宮山厚労相は「質に関するものの方がフルバージョンでできるのが10%のとき」と認めた。阿部議員は「先に量だけ拡大して質が後からついてくることはない」とバッサリ。

不公平是正なしになぜ増税

■服部良一衆院議員 社民党の服部良一衆院議員は6月26日の一体改革特別委員会の締めくくり質疑で「社会保障の全体像が見えない中で、どうして消費税増税だけを決めるのか」「安易に消費税増税に頼る前に不公平税制是正が先ではないのか」と強く迫った。

 また服部議員は、3党合意とそれに基づく消費増税法案に関し@(公明党などが1年間の国民会議での検討で結論を得られなければ増税できないので「増税先行ではない」としていることを念頭に)公的年金と高齢者医療の制度改革が実現しなければ増税できないのかA増税法案20、21条で所得税率の累進性強化、格差固定化防止などの観点からの資産課税見直しについて検討を加え、12年度中に必要な法制上の措置を講ずるとされているが、これらができなければ増税は凍結するのか――とただした。

 年金・高齢者医療について長妻昭議員(民主)は「議論しなければ現行制度が微修正で定着しかねない」と言い訳しつつ、質問には直接答えず。所得・資産課税見直しについて古本伸一郎議員(同)は「きちんとやっていくことを確認したということであって(税率引き上げの)条件化して確認したということではない」と認めた。服部議員は「話がつかなかったから結果的に消費税を上げるということにならないか」とアリバイ的条文の狙いを突いた。

日本のどこにも入れるな

山内徳信

■オスプレイ反対院内集会で山内徳信参院議員 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備問題で「オスプレイ配備を許さない!普天間基地を即時閉鎖しろ!6・27院内集会」が6月27日、参院議員会館で開かれ約80人が参加した。主催は首都圏39団体でつくる「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」。社民党の山内徳信参院議員は、沖縄のみならず少なくとも全国6ルートでオスプレイの低空飛行訓練が計画されていることについて「誇らしげに東京上空まで来るかもしれない。日本のどこにも入れてはいけない」と強調した。

オスプレイ配備反対で党に要請

那覇市の翁長雄志市長と超党派の市議団

■那覇市長ら オスプレイの普天間配備計画について、那覇市の翁長雄志市長と超党派の市議団は6月22日、国会内で社民党の福島みずほ党首、照屋寛徳国対委員長と会い、配備計画の撤回と那覇港湾施設一時使用の検討中止を求める要請を行なった。

 翁長市長は、オスプレイの一時配備先として取り沙汰されている那覇軍港について「飛行場機能も何もなく東京23区並みの人口密度。隣には那覇空港がある」と安全性への懸念を示した上で、「(日米両政府が言う)『基地負担の軽減』も口だけで思いがない。配備そのものも反対だが、その在り方も今日まで以上に高圧的で厳しい内容になっている」と指摘。市議会で党と共同会派を組む平良識子市議(沖縄社会大衆党副書記長)も「那覇市だけでなく沖縄の全ての人間が、私たちの命はどう扱われているんだと憤りと苦しい思いでいる。何とか止めてほしい」と訴えた。

(社会新報7月4日号より)

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