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神野直彦・日本の社会民主主義の未来

No.3 -トリクルダウン効果は成り立たない

【講演内容骨子】 (文責:社民党広報委員会事務局)

■東京の“一人勝ち”と東京内の格差

90s〜グローバリゼーションの進展
;東京における生活保護率の上昇

全国と東京都の生活保護被保護実人員の推移
(出典)「福祉行政業務報告」(厚生労働省)、「国勢調査報告」「推計人口」(総務省)による。
(PDFファイルが別ウィンドウで開きます)

【以前の日本企業=生活機能を持っていた】
ホームレスの6割が、それまでは企業の労働住宅(独身寮・住込み・飯場)に住んでいた

企業に生活機能がなくなったため、ホームレスの増加。

■トリクルダウン効果は成り立たない

日本は格差を強める政策を進めてきた。

理論的背景:【トリクルダウン効果】
=豊かな人がより豊かになれば、その「おこぼれ」により貧しい人の生活も豊かになる。

(byアダム・スミス、リカード;竹中平蔵大臣も唱える)


この理論の前提:《人間の欲望(ウォンツ)には限界がある》
=欲望を満たすために(衣食住などに)富が使用されるから限界があるはずである。

↓しかし、

グローバリゼーション
=規制緩和と民営化により国民国家を超えて動き回るマネー
=マネーが富を求めて動き回る

トリクルダウンしない
=貧しい人が「おこぼれ」をもらうことはない
=豊かな人が、ひたすらより豊かになっていくのみ。
=格差拡大

■郵政民営化とトリクルダウンしない富

郵便貯金の成立

19C 大英帝国 自由党グラッドストーン (後の労働党)

戦争の資金調達のために国債を発行
→シティ(ロンドンの金融界)が国債を引き受け
 cf 大英帝国の累積債務残高が、日本より少なかったことは一度もない。


しかしその結果、債務(借金)を金融界(シティ)に握られてしまう。

借金返済のため、人々のニーズ(基本的必要;人間が生存するために必要なもの)を満たすための財政政策が行えない。

そこで、財政政策を行うために、 【郵便貯金】を設置。
その貯金は国債・地方債で運用
=金融界ではなく、すべての国民・労働者に国債を持たせることにした。
⇒金融界・マーケットが口を出させなくなった。

不況になると安全だからと郵便貯金に預貯金が流れたため、郵便貯金の金利を下げるよう金融界が要求していたが、労働党政権は労働者のために拒否。

・日本で郵政が民営化されたことは、まさに民主主義の危機である。

富を持つ人間が権力を握る

富を持つ人間が権力を握る
人を支配するための富  ex Tシャツしか着ないホリエモン

富はトリクルダウンしない。

過剰な豊かさが生じる

  • [→ No4.「イースタリンの逆説」、そして誰も幸福にならない] 近日公開
【おススメ!神野直彦先生の著書】
財政のしくみがわかる本・岩波ジュニア新書人間回復の経済学・岩波新書地域再生の経済学―豊かさを問い直す・中公新書
『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書)
『人間回復の経済学』(岩波新書)
『地域再生の経済学―豊かさを問い直す・中公新書』(岩波新書)

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