2019年 参議院選挙
選挙公約詳細

労働

人間らしい働き方の実現

働くことによる社会参加を推進し、人々の暮らしの安定、地域の活性化を図ります。働くこととは単に雇用労働だけを意味するのではなく、農林水産業、商店等の自営業、NPO・協同組合・社会的企業などの協働労働、さらには、地域の問題解決や生活環境の改善などに自発的に取り組むことも含まれます。公正な労働条件のもと多様な働き方を通じて社会参加できる社会を目指します。だれもが排除されず、いきいきと働き、豊かな関係をつくっていくことで、格差や貧困をなくしていきます。

アベ式「働き方改革」を中止します

  • 安倍政権が推進する「世界で一番企業が活躍しやすい国」づくりのための「働き方改革」ではなく、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)とワークライフバランスの実現、雇用のセーフティネットの強化に取り組みます。
  • 「残業代ゼロ制度」である高度プロフェッショナル制度は、定額働かせ放題で過労死を促進する危険があるため廃止します。裁量労働制の適用拡大は断固反対し、現行の裁量労働制の要件の厳格化に取り組みます。
  • 生活のために必要な時間を確保することは根本的な権利です。長時間労働を是正し、生活時間を取り戻すため、職場環境の改善や法整備に取り組みます。過労死ラインまで長時間労働を可能にする労働基準法の改悪を中止させ、不十分な残業時間の上限規制を認めません。
  • 「24時間につき、最低でも連続した11時間の休息時間」を確保する勤務間インターバル(連続休息時間)規制を義務化し、過労死を根絶します。長時間労働を規制することで、雇用を創出し、非正規雇用から正規雇用への転換を促進します。
  • 過労死ゼロの実現に向け、実効ある長時間労働是正策とともに、労働者が安心して働けるよう、総合的な過労死等防止対策を講じます。ブラック企業への規制を強化します。
  • セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど働く場におけるハラスメントを法律で禁止します。被害者を迅速に救済する独立した救済機関の設置を検討します。
  • 職場のハラスメントを防止するために法整備を行います。企業にパワーハラスメント防止の取り組みを義務付け、就業規則等で対応方針を明記します。男女雇用機会均等法を改正し、セクシャルハラスメント対策を強化します。
  • 不当な解雇を拡大しかねない解雇の金銭解決制度の導入は認めません。解雇規制の緩和など、労働者保護ルールの改悪を阻止します。
  • 国家戦略特区による雇用・労働分野の規制緩和は認めません。
  • 労働基準監督官の増員、監督強化に向けた規定の整備、国や自治体の労働行政を充実、強化します。
  • 重要な政策決定の場に労働者代表を参画させます。雇用、労働政策に関する立案、決定に、公労使3者の構成である労働政策審議会での議論を尊重します。

雇用を守る

  • 「賃上げ目標」を設定し、月例賃金アップに政策を総動員します。最低賃金について、「大都市一極集中」や「大都市と地方の格差拡大」を是正するため、地域別から全国一律に改め、時給1,000円に引き上げ、さらに、生活できる賃金を確保するために時給1,500円をめざします。あわせて中小、小規模企業への支援を一体的に行います。
  • 現在の最低賃金は、全国平均874円(18年度)。最低額が鹿児島県の761円と最高額の東京都985円の間に大きな開きがあります。地域別最賃を全国一律に転換し、地域間の格差を是正し地域社会の雇用を活性化させます。
  • 特定の産業または職業について設定される特定最低賃金制度は継続し、賃金の公平性が同等の資格や職種間で確保できるような仕組みに改変していきます。
  • 低入札価格競争によって、業務委託で働く労働者の賃金・労働条件が大きくしわ寄せを受けています。安定した雇用を守り、増やすため、ILO94号条約(公契約における労働条項)を批准するとともに、公契約における公正取引の確保と公正労働基準の法的確立をはかるため、公契約条例を制定し、入札に賃金等の条件を加味し、低賃金労働者の犠牲の上に自治体の事業が発注されることのないようにします。委託事業者の選定は、価格のみの競争入札とせず、社会的価値(公正労働、環境、福祉、男女共同参画など)を含む総合評価によって行います。
  • イギリスのTUPE(事業譲渡と雇用保護規則)やEUの企業譲渡指令にならった雇用対策を強化します。日本版TUPE法を制定し、事業譲渡や経営形態の変更、委託化、民営化による事業移転変更の際に、同じ雇用条件で継続して雇用されるように求めていきます。
  • 雇用、賃金、労働条件など様々な場面で格差を強いられている臨時・非常勤等職員の処遇改善、雇用安定に向けたさらなる法改正を求め、「官製ワーキングプア」をなくします。具体的には、手当が各自治体の判断で支給できるよう、地方自治法の改正を求めるとともに、パート労働法の趣旨・内容を地方公務員へ適用することで、民間と同様に均等・均衡待遇のための積極的是正措置を促します。
  • 2020年度から始まる会計年度任用職員の処遇改善のための財源確保を図ります。教職員の長時間労働を是正し、本来的な仕事の質を高めて教育の質的向上を図ります。
  • 公務公共サービスに関わる公務員が公務上被災した場合、その雇用(任用)の違いにより、公務災害、労働災害、条例公務災害に分かれるなど、適用関係も分かりにくく、制度設計も不合理で、結果として公務災害隠しや申請の自粛につながっています。公務災害補償に関する差別的取り扱いを許さず、非正規公務員の公務災害補償制度の抜本的な改正に取り組みます。
  • 行政サービスにおける派遣労働者の導入に関しては、その当否について労使協議を前提とし、安易な派遣の拡大や法令違反を排除します。
  • 公務員の労働基本権を回復し、キャリア制度の廃止を含めた国民本位の民主的で透明な公務員制度を実現します。事前規制の復活や早期退職の実態の是正など実効性ある天下り規制の実現を求めていきます。
  • 自治体の労働行政を強化します。労働相談の常設や、労働者権利のガイドブック発行など充実し、ブラックな労働条件や労働環境の権利破壊の実態を把握した場合、労働基準監督署に伝達するシステムを構築します。また、同一労働・同一賃金や安定雇用を自治体から始めます。
  • 同一価値労働・同一賃金の原則を徹底します。ILOが示す同一価値労働・同一賃金原則(ILO第100号条約/日本は1967年に批准)に沿った職務評価(知識・技能、責任、負担度、労働環境)手法の研究・開発を行ない、均等待遇の確立、法制化に積極的に取り組みます。
  • 有期契約、パートタイム、派遣労働者、請負など雇用の形態による差別をなくし、正規・非正規間、男女間の賃金差別を是正し、非正規社員に均等待遇を徹底します。
  • 雇用の原則は、期間の定めのない直接雇用であることを基本にし、非正規労働の拡大に歯止めをかけ、正規労働への雇用の転換を進めます。
  • 2018年10月以降順次到来する派遣労働者の受け入れ期間制限の影響をしっかり検証し、派遣労働者の雇用の安定に向けた対応を万全にします。直接雇用が労働法制の原則であるという原点に立ちます。労働者派遣法を抜本改正し、派遣労働は一時的・臨時的な業務に厳しく制限します。
  • 労働契約法第18条の無期転換ルールの運用状況をしっかりと検証を行なうとともに、無期転換直前での雇止めは許しません。
  • 自営型テレワーカーなど雇用労働に近い働き方をしているにも関わらず労働法の保護を受けることができない方について、契約ルールや最低報酬、安全衛生などの法的保護を求めます。
  • 副業や兼業などの保護に向け、雇用保険や社会保険の適用や健康管理、労働安全衛生の確保などに向けた検討を早急に始めます。

働くことによる社会参加

  • 高校生や若者を対象に学校や社会教育を通して、働く人を守るための労働基準法など、労働関係制度の出前講座を開きます。
  • ニーズに即した訓練コースの整備や訓練機関の質の向上、就職支援の一体的な実施など、実効性ある求職支援制度を構築します。
  • すべての若者への良質な雇用・就労機会の実現に向けて、労働条件の的確な表示の徹底、若者雇用促進法を踏まえた職場情報の提供、正社員転換の促進、地域若者サポートステーションの機能強化などを行ないます。若者が働き続けられる職場環境の整備、学校教育などにおける労働教育のカリキュラム化などを推進します。
  • 女性活躍推進法に基づく事業主行動計画の積極的な策定や、計画に基づく実効性のある取り組みをすべての企業・団体に促します。公務分野も含め求職者が各事業所の実態を把握・比較できるようデータベースを整備します。
  • 高年齢者雇用安定法に定める雇用確保措置を確実に実施し、希望する者全員が65歳まで働き続けられるよう、行政による運用状況の把握と指導を徹底します。有期労働契約を反復している労働者についても安定雇用を整備していきます。
  • 雇用分野における障がい者の差別禁止と合理的配慮の提供義務の実効性を確保し、実雇用率の向上に向けた就労支援策を強化します。
  • 中央省庁や自治体で発覚した障がい者雇用の水増し問題は決して許されません。全容解明と再発防止に向け取り組みます。また、障がい者の職場定着を図るため、ジョブコーチ(職場適用援助者)の人員確保と支援事業を拡充します。
  • 全国都道府県の正職員採用試験の障害者枠について、障害者雇用促進法では精神(発達障害を含む)・知的障害者の雇用も義務づけられているにもかかわらず、35道府県が身体障害者に限定していたことが明らかになりました。公平採用の観点から広く門戸を開くべきであり、合理的配慮を提供し、障がい者が働ける環境を整えていきます。
  • 働く者や市民が共同出資し民主的に経営に参加するワーカーズコープなどを応援します。働くことによる社会参加、新しい市民事業の展開、地域づくりや社会連帯をめざす「労働者協同組合法」を早期に制定し、生活と地域の必要に応える仕事を創出します。

年金

年金額の目減りを止める

  • 安倍政権は実質的な年金水準の目減りを繰り返しています。2019年度はマクロ経済スライドが発動され年金額は0.1%増に抑制されました(2018年の物価変動率は1.0%、賃金変動率は0.6%でしたが賃金変動率が優先され、さらに2019年度のマクロ経済スライドによる調整率が▲0.2%、2018年度のマクロ経済スライド未調整分が▲0.3%あり、その分が抑制され0.1%の引き上げとなった)。これでは物価上昇や賃金の上昇に年金額が追いつかず老後の暮らしは苦しくなるばかりです。早急に年金額の目減りを止めます。
  • 2016年に強行可決した「年金カット法」を中止させます。同法で「マクロ経済スライド」の強化(未調整分を持ち越して実施できるキャリーオーバー制度)や、賃金指標がマイナスになった場合に強引に年金額を下げる「賃金マイナススライド」などが導入され、年金額の期限のない抑制が続くことになりました。低年金者ほど影響が大きく見直しが必要です。
  • 基礎年金の生活保障機能を確保するために、マクロ経済スライド調整の対象から基礎年金を外します。
  • 消費税の増税と切り離して、年金生活者支援給付金法(対象者は低年金者障害者等約970万人、年6万円を基準とする福祉的給付)の実施を求めます。

年金支給開始年齢の引き上げに反対

  • 現在の年金支給開始年齢は65歳で、受給開始可能な年齢は60歳~70歳で選択することができます。「人生100年時代」、「高齢者の雇用」を強調する安倍政権は年金支給開始年齢を68歳ないし70歳に引き上げることを目論んでいます。受給できるはずの年金が受給できず収入が途絶えることは、高齢者の生活に大打撃を与えます。高齢者の就職状況は非常に厳しく、また健康状態は非常に個人差があります。年金給付の大幅な抑制・削減を主眼とする年金支給年齢の引き上げに反対します。

非正規労働者の厚生年金適用を拡大します

  • パート、派遣、契約社員など非正規雇用で働く人たちが社会保険(厚生年金・健康保険)に加入できるよう社会保険の適用拡大をすすめます。あわせて、非正規雇用者の社会保険加入を行った中小企業に対してインセンティブ(減税、補助金など)を検討します。
  • 年金機能強化法により短時間労働者(対象:正社員501人以上の企業に勤務、週20時間以上勤務、報酬月額88000円以上)が厚生年金の適用になりました。同法を徹底し、企業の社会保険料逃れを防ぎます。

消えた年金問題、年金支給漏れの解決

  • 消えた年金問題(2007年に5000万件超の未統合の年金記録が発覚)は引き続いています。2000万件弱の記録がまだ解明できていません。国が責任をもって最後の一人まで速やかに解決することを求めます。
  • 公的年金の個人データを委託業者が入力ミスをしていた問題で、10万4000人分の年金支給漏れが発覚しました(2018年)。不祥事を繰り返さないよう真相究明、点検、再発防止の徹底を国に求めます。

最低保障年金制度の創設に取り組みます

  • 日本政府は国連社会権規約委員会から最低年金を公的年金制度に導入するよう勧告を受けています。低年金、無年金問題を解消するために、最低保障年金制度の創設を検討します。国民的議論を行い、老後生活の基礎部分を保障する制度をめざします。
  • 高齢者が生活できる年金額が手元に残るように、医療・介護などの自己負担の総額に所得に応じた上限を設定する総合合算制度の導入に取り組みます。

財政検証のあり方を検討します

  • 家族・ライフスタイルの多様化、女性の就労率の増加、就労環境の変化など時代は大きく変化しています。政府のモデル世帯((平均的な男子賃金で40年間厚生年金加入の夫と40年間専業主婦の夫婦)は現実と乖離しています。モデル世帯の見直しを行います。
  • 所得代替率は、分母が現役世代の手取り収入額(税・社会保険料引いた可処分所得)、分子がモデル世帯の年金額(税や社会保険料を引いていない)で計算されるため率が高く出ます。OECDや諸外国は分母、分子を「税・社会保険料を引く前の額面」か、「税・社会保険料を引いた後の手取り収入」で揃えています。日本の計算式もこれにならい、より正確な所得代替率に見直します。

年金積立金をリスクにさらさない

  • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、厚生年金・国民年金の年金積み立て金を運用する基本ポートフォリオ(資産構成割合)を変更し、安全資産とされる国内債券の比率を60%から35%に引き下げ、国内外の株式の比率を24%から50%に引き上げ、リスクの高い資産の割合を大幅に拡大しました。株価下落で積立金に多額の損失が発生かねません。国民の年金積立金をリスクに晒す株式運用比率の拡大を止めさせ、長期的な観点から安全かつ確実な運用を行います。
  • GPIFの運営について、被保険者の医師意思が反映できるよう民主的な統制の仕組みを求めます。

介護

高齢者の在宅生活を支えます

  • 要支援者向けの在宅サービスは、ヘルパー派遣の回数制限や一回あたりの介護時間野短縮など給付抑制が繰り返されています。2014年の法改定では、「要支援1・2」の認定者の訪問介護(ホームヘルプサービス)、通所介護(デイサービス)が介護保険の給付から外され、自治体のサービスが提供されるようになりました。そのサービスを担う介護予防・日常生活支援総合事業は予算の上限があるため各自治体は大幅な給付費の抑制をせざるを得ません。要支援者を切り捨てる方向を止めさせ、必要な在宅サービスを確保します。
  • 「地域包括ケアシステム強化法」により、各自治体の「自立支援」「給付効果率化」の達成度を国が採点・評価し、成果に応じて交付金を出す仕組みが2018年度から導入されました。要支援者や軽度者(要介護1・2)の認定者に対して自治体が実施してきたモデル事業から厚労省が模範例として示したのは、介護サービスを申請する人を基本チェックリストで「自立(サービスの必要なし)」と門前払いしたり、自治体が設置する地域ケア会議がサービス縮小の方向でケアプランの見直しを迫ったり、「卒業」とサービスを打ち切るなど強引な〝介護切り〟です。自治体に介護の切り捨てを競わせるような仕組みを止めさせます。高齢者の在宅生活を支えるサービスを確保し利用者の重度化を防ぐ制度に見直します。
  • 使い勝手が良く、独居や老老世帯、家族の生活も支える訪問介護(ホームヘルプサービス)の質と量を確保します。必要な訪問介護の利用は、同居家族の有無にかかわらず提供します。サービス提供に市町村格差が生じないよう制度の見直しを行います。
  • 介護と医療との連携を強化します。在宅医療を担う診療所や訪問看護に対する報酬を改善し在宅生活を支えます。

グループホームなどの増設

  • 小規模多機能型施設、グループホーム、宅老所など多様な施設について基盤整備を進めます。質の向上をすすめ、食費や部屋代への公的補助などにより低所得者も利用できるよう改善をすすめます。
  • 高齢者が地域で住み続けることができるよう公的賃貸住宅の整備、家賃補助の提供、介護保険による生活支援の制度化などに取り組みます。
  • 日中に介護保険の通所介護(デイサービス)を高齢者が利用し、夜間そのままそこに泊まる「お泊りデイサービス」の劣悪な環境が問題となっています。「お泊りデイ」は介護保険外のサービスであるため、行政の目が行き届かず、安全面や人権保護などの面で非常に問題があります。実態調査を行い、必要な是正・改善、規制強化を行います。

特別養護老人ホームを増設します

  • 特別養護老人ホームの待機者は2014年時点で52万人、入所が「要介護3以上」に限定された2016年時点でも39万人を超えています。特養ホーム待機者が増える背景には高齢世帯の貧困化があります。低年金の人が要介護状態になったとき、最期まで入居できる施設は特養ホームです。国は給付費抑制のために特養ホームの増設を抑え、中・高所得者向けの有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの整備を支援していますが政策の見直しが必要です。介護難民を解消するために、特養ホームの抜本的な増設に取り組みます。

保険料負担の軽減

  • 公費負担割合の引き上げ、各都道府県に設けられた「財政安定化基金」の活用で保険料の引き上げを緩和します。
  • 介護保険料の段階区分をより細かく設定し、低所得の高齢者の保険料負担を軽減します。

利用料2割・3割負担の見直し

  • これまで介護保険の利用料は一律1割でしたが、2015年8月から、「年金収入等280万円以上(単身)」の人の利用料が2割に引き上げられました。さらに2018年8月から「年金収入等340万円以上(単身)」の人の利用料は3割に引き上げられました。国は「所得に応じた負担」と言いますが、2割負担の対象には高所得とは言えない人も含まれています。利用者の生活への影響を調査し制度を見直すとともに、対象者が拡大しないよう法律で歯止めをかけます。

「補足給付」の厳格化を見直します

  • 低所得者等に対して、施設サービス・短期入所サービスの食費・居住費の一定の額を介護報酬で補足する「補足給付」の利用が厳格化されました。当面、預貯金等の確認は自己申告制ですが、マイナンバーの本格的な稼働により、金融機関への照会や不正受給者に対するペナルティが本格化することが予想されます。現場に混乱を招き、利用者・家族のプライバシーを侵害するやり方を見直します。

介護従事者の賃金を引き上げます

  • 介護従事者の賃金の引き上げなど処遇改善に取り組みます。介護報酬の引き上げと国庫負担割合をセットで行い、利用料や保険料のアップにつながらずに賃金引き上げができるよう対策を進めます。
  • 議員立法案「介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案」の制定に取り組みます。同法案は、介護・障害福祉従事者のみを対象に平均1人当たり月額1万円(全従業者を対象とする場合は平均1人当たり月額6千円)賃金をアップさせる内容です。
  • 介護人材の育成、介護従事者の離職防止や復職支援を充実し、介護従事者の確保に取り組みます。
  • 介護従事者の研修体制を改善します。公費負担で研修や教育が受けられるように、時間の確保や費用を負担する仕組みをつくります。

認知症への取り組み

  • 2025年には65歳以上の5人に1人が認知症と推計されています。認知症の人に関わる交通事故、行方不明、虐待、詐欺等の事件事故は後を絶ちません。若年性認知症への対策も必要です。認知症の人が地域社会で一緒にいきていくための「認知症基本法」の制定に取り組みます。認知症の人や家族の視点に立った内容を盛り込みます。
  • 認知症はだれもがなり得る脳の病気です。正しい知識と理解、家族や地域の見守りや声かけが必要です。認知症を正しく理解するための啓発活動や認知症サポート養成講座を行います。あわせて、認知症疾患医療センターなどの専門的な研究機関と連携し、認知症を予防するための教室やプログラムを充実します。
  • 地域包括支援センター、介護サービス事業者、認知症サポーターなど、地域において認知症の人への支援を行う関係者が、情報交換や支援事例の検討などを行う連絡会議の設置を推進します。認知症の人と家族を支援する体制を強化します。

家庭介護者への支援

  • 家族を介護するために離職する介護離職ゼロをめざします。育児・介護休業法に定める「介護休暇」「介護休業」制度の周知を一層進め、取得しやすい職場環境を整えます。介護休暇制度について「時間単位」での取得を可能とするようにします。介護休業の通算期間を延長します。
  • 家庭で介護を行っている人(ケアラー)が休息をとれるよう、要介護者の家族を一時的に施設や病院に預かってもらう「レスパイト(休息)ケア事業」(家族介護者の休養支援、要介護者の一時預かり等)を拡充します。
  • 子育てと同時に親の介護もする「ダブルケア」問題に取り組みます。保育所や介護施設の優先入所、短時間勤務等を取得しやすくする制度など、ダブルケアと仕事の両立支援策を充実します。
  • 介護を理由に勉学・進学・就職を断念する若者や子ども(ヤングケアラー)が増えています。実態を調査し、要介護者を抱える若い世代が希望をあきらめずに自分自身の生活を築いていけるよう対策に取り組みます。
  • 家庭で介護を行っている人(ケアラー)が孤立化し不安や悩みを抱え込まないよう、介護保険制度や福祉制度などの情報提供、介護者交流会、電話相談などの支援を行います。

高齢者の社会参加と生きがいづくり

  • 高齢者の社会活動を応援し、高齢者の生きがいのみならず、閉じこもり防止、身体機能の向上、地域貢献につなげます。
  • 生涯学習やボランティア支援、就労支援、活動場所の確保などを通じて、高齢者の社会参加の機会を充実します。
  • 介護・子育て支援や地域振興のボランティアなどに参加した高齢者について介護保険料の軽減や介護保険利用の際に使うことができる特典などを検討します。

医療

地域の医療を守ります

  • 「医療費適正化計画」「地域医療構想」の影響で、病床の削減、入院の短縮化による病院追い出し、病院のたらい回しなど「患者難民」が増えています。地域のニーズをしっかり把握し、必要な病床を確保するために制度を見直します。
  • 政府は、「地域包括ケアシステム」の構築を掲げ、介護・医療・福祉などの制度改変を行っています。「身近な地域で、住まいを基本に、医療や介護、生活支援サービス、介護予防が切れ目なく提供される体制めざす」という趣旨は非常に大切であり追求されるべきです。しかしその背景には社会保障費の削減があり、サービスの抑制、提供するサービスを安上がりなものに置き換えるなど、国民の望みとは大きく異なります。国民の視点から介護・医療・福祉の拡充と連携をさぐり、くらしを支える健康なまちづくりとして「地域包括ケアシステム」に取り組みます。
  • 地域における医療施設の機能分化を明確にし、院内・病院間・地域の医療の連携を強化して、情報の共有を行うシステムをつくります。各都道府県が、救急搬送システム、受け入れ医療機関の確保に責任を持てるよう国の援助を強化ます。
  • 公立病院の会計制度が公営企業会計制度に変わり赤字経営が演出され、統廃合や民営化に拍車をかけています。国公立病院、公的病院(日赤病院・社会保険病院・厚生年金病院・労災病院など)の乱暴な統廃合、民営化や売却をやめさせ、地域の病院を守ります。
  • 診療報酬の削減を止めさせ、増額によって地域医療の立て直しを行います。
  • 消費税増税が医療機関の経営を非常に厳しくしています。医療機関は、医薬品や診療材料、医療機器などの購入時に消費税を払いますが、保険診療の場合、非課税であるため、最終消費者である患者から消費税を受け取ることができません。消費税は実質的に医療機関の負担となり、病院の経営は著しく困難になります。医療崩壊を食い止めるために消費税増税をストップします。医療分野にかかる消費税率ゼロに取り組みます。

医師や看護師など医療従事者の数を増やします

  • 厚労省は今年3月に勤務医に適用する残業時間の上限規制の枠組み(2024年度から適用)をまとめました。一般医師の上限は一般労働者と同じ基準(休日労働を含め月100時間、年960時間)をめざすとしたものの、地域医療の維持に不可欠などの理由により「年1,860時間」とする特例を設けています。そもそも「月100時間、年960時間」は過労死ラインであり、さらに過労死ラインの2倍の特例を設けることは問題です。医師の健康の確保、医療の安全性の確保の観点から見直しを求めます。
  • 病院で働く医師の4割が過労死ラインとされる月80時間以上の残業をしているといわれます。勤務医の労働条件の改善は急務です。国が計画的に医師を養成し、OECD加盟国平均レベルに医師数を増やします。(日本の人口千人当たりの医師は2.2人、OECD平均の3.2人)
  • 看護師やコメディカルスタッフ(薬剤師・歯科衛生士・理学療法士・作業療法士など)の増員と労働条件の改善を行います。また、再就職支援、短時間正規雇用の導入、院内保育所など職場環境を整備し、女性医師や医療従事者の仕事と家庭の両立支援を行います。
  • 不足している小児科・産婦人科・麻酔科の医師を増やすために、医師研修制度のあり方、地域の採用枠と診療科の採用枠の設定、診療報酬などについて改善を行います。
  • へき地勤務医師の「プール制」、公募で医師を確保する「ドクターバンク」、代替要員の臨時派遣、へき地医療奨学金の創設など、医師不足地域に医師を確保する取り組みを推進します。
  • 国公立大医学部入試の「地域枠」を活用するとともに、地域研修の充実で、地域医療に取り組む医師の養成に取り組みます。医師研修制度を見直し、地方勤務の義務づけを検討します。
  • 地域には、患者の病歴、生活環境を含めてトータルに診ることができる専門医としての総合医や家庭医が必要です。医学部教育のなかに専門研修制度を充実し、総合医や家庭医の育成を推進します。

国民皆保険を堅持、混合診療に反対

  • すべての国民が各公的医療保険に加入し、いつでも、どこでも、だれでも安心して医療を受けられる国民皆保険制度を堅持します。同制度の崩壊につながりかねないTPP(環太平洋パートナーシップ協定)に反対します。
  • 安全性、有効性、普遍性が確認され、国民にとって必要な医療は速やかに保険適用をはかります。混合診療に大きく踏み出す「患者申出療養」には反対です。混合診療は、お金の有無によって国民の健康や生命に格差や不平等を生みます。健康保険の適用範囲が狭められ、自己負担も増えかねません。また、自由診療部分は患者に消費税を転嫁することができるため混合診療が加速します。医療の市場化に反対します。

国民健康保険を立て直します

  • 国民健康保険は2018年4月から市町村の共同の保険者として都道府県が財政上の責任を負うことになりました。国の指導で都道府県が煽られ、市町村間の競争が強いられようとしています。財政削減のための競争をやめさせ、皆保険制度を支える中心的な役割を果たしている国民健康保険の立て直しを行います。
  • 保険料は現在の激変緩和措置の終了後、大幅な引き上げが見込まれます。保険料引き上げ計画や、保険者間の収納率アップや医療費支出カットの競争を止めさせます。国庫負担の引き上げで保険料の引き下げを求めます。
  • 国民健康保険の構造的な課題は、本来の農業者・自営業者が加入する保険から無職者や非正規労働者などが加入する制度に変容したことです。また、国保加入者の平均所得は、被用者保険に比べて低い水準であるにもかかわらず、被用者保険の保険料率に比べて、国保の保険料は非常に高い保険料額となっています。国の国保支援を強化し保険料の高騰を抑えるとともに、非正規労働者が勤務先の被用者保険に加入できるよう社会保険の適用を拡大します。
  • 保険料滞納者に対する制裁措置として行われている、短期被保険者証の発行、資格証明書の発行を見直し、公費を投入して無保険者の発生を防止します。保険料を払えない国保加入世帯の生活、労働実態の把握、健康状態の把握を行い、その改善を図ります。

後期高齢者医療制度を抜本に見直します

  • 後期高齢者医療制度は、国民を年齢で区切り、高齢者を別枠の医療保険に囲い込んで、負担増と医療の内容を区別する問題の多い制度です。また、老人保健制度では保険料滞納者への制裁や差し押さえなどできませんでした。頻繁な保険料の値上げにより高齢者の生活を圧迫しています。保険料の際限のない値上げや別枠の診療報酬による医療をやめさせ、同制度の廃止を含めた抜本的な見直しを行います。
  • 後期高齢者医療費の自己負担を現行の1割から2割に引き上げる議論が、経済財政諮問会議や財政制度審議会で進められています。高齢者の家計に打撃をあたえ、受診抑制を引き起こす自己負担の引き上げに反対します。

患者の権利を確立します

  • がんの予防と早期発見の推進、がん検診の質の向上、がん医療の均てん化の促進に取り組みます。専門的な知識や技能を有する医師等の育成、医療機関の整備を推進します。
  • 「がん対策基本法」の改正で、企業にがん患者の雇用継続への配慮に努めることや、国や地方公共団体にがん教育を推進することが求められました。同法の実効性を高めるとともに、「がん対策推進基本計画」を着実に実行します。
  • 難病の調査研究費を増やし、特定疾患の対象を拡大します。難病患者の治療の確保、負担軽減、療養環境の向上の観点から「難病対策基本法」をつくります。
  • 「C型肝炎救済特別措置法」「B型肝炎救済特別措置法」「肝炎対策基本法」の実効性を高めます。全国的な肝炎治療体制の整備、医療支援、治療中の生活支援を拡充します。血液製剤によって肝炎ウィルスに感染した血友病患者についても賠償と同様の支援策を早急に構じます。

歯科医療の充実

  • 歯科治療は保険適用となる治療の範囲が限られているために、所得の低い世帯ほど、歯科の受診を手控えるケースが増えています。健康格差を是正する観点から、品質や安全性が確認され、定着している治療技術や材料について保険適用の拡大を求めていきます。

安心して妊娠、出産、育児を

  • 産科・小児科・救急医療などを確保し、地域で安心して、妊娠、出産、育児ができるよう公的支援を抜本的に強化します。産科医、小児科医、救命医の増員に取り組みます。自治体、病院、診療所、大学などが連携し、地域医療が確保できるよう国の支援を強めます。
  • 周産期医療体制、小児救急体制を整備します。新生児特定集中治療室(NICU)を計画的に増やします。
  • 母児に密着したケアが行える助産師の専門性と特性を活かし、助産院を身近な地域に増やします。助産院を地域の周産期医療ネットワークに位置付け、助産師と産科医師との連携を推進します。「院内助産院」の設置をすすめます。
  • 妊婦健診や分娩、基本的な不妊治療を健康保険の適用にして、医療やケアの内容、料金の透明性を高めます。
  • 出産にかかる費用は年々増加しています。それに見合うよう出産一時金を引き上げます。基本的な妊婦健診と出産の無料化をすすめます。
  • 不妊治療について経済的負担の軽減など公的支援を拡充します。
  • 国の制度として18歳までの子どもの医療費無料化をめざします。自治体の子どもの医療費助成に関する国民健康保険の減額調整措置(ペナルティ)は未就学児まで減額対象外となりました。さらに就学以降の子ども、ひとり親、重度心身障がい児へのペナルティも廃止します。

感染症対策の強化

  • 世界的な規模で拡大するエボラ出血熱、MERS、ジカ熱などの感染症を予防するため、水際検疫体制の強化、ワクチンや治療法の研究開発、専門医療機関と保健所の連携体制の強化、一般医療機関への情報提供、国民への知識普及などをすすめます。
  • HIV、梅毒、クラミジアなど性感染症の予防・治療対策を推進します。教育と保健の連携による性にかかわる正しい知識の普及、HIV・エイズの予防法の周知、無料・匿名で検査や相談が受けられる体制の強化など、HIV・エイズ対策をすすめます。

予防接種に関するモニタリング体制の拡充

  • 予防接種の副反応についてモニタリング体制を抜本的に拡充し、迅速な被害救済をすすめます。
  • 子宮頸がんの予防をうたうHPVワクチン接種で、重篤な副反応が多発しています。被害者の治療・救済をすすめます。同ワクチンの定期接種を中止し、婦人科検診の充実で子宮頸がんを予防します。

生活保護

生活保護基準の引き下げを止めます

  • 生活保護制度は国民の生存権(憲法25条)を保障する制度です。ところが、社会保障費用の抑制や改憲の動きと連動して、自己責任・自助努力、家族の扶養義務などが強調され、安倍内閣となってから相次いで生活保護基準が引き下げられています。2013年8月から総額890億円を引き下げ、その後も期末一時扶助、住宅扶助、冬季加算を毎年のように引き下げてきました。ひとり親世帯の母子加算も削減しています。さらに3か年計画として2018年10月から総額210億円の引き下げを始めています。これは生活保護受給者だけの問題にとどまらず、最低賃金や住民税の非課税、就学援助や保育料、介護保険料など他の制度にも連動しています。生存権保障の観点から生活保護費の引き下げを止めさせます。母子加算などを元に戻します。
  • 生活保護基準以下の生活を余儀なくされている低所得者層の収入や支出を根拠に生活保護基準を引き下げることは水準を際限なく引き下げていくことになります。生活扶助基準の検証方法を見直し引き下げを止めさせます。生活保護基準の決定を厚生労働大臣の告示のみで一方的に決定できる仕組みを見直します。
  • 日本の生活保護捕捉率は諸外国に比べて非常に低く、必要な世帯が制度を受けていない可能性があります。国に捕捉率などの貧困調査を行うよう求めます。捕捉率などを基礎データとして生活保護制度の改善を行います。
  • 生活保護費の不正・不適正受給をなくすことは当然です。問題は生活保護が必要な世帯が多数存在するにも関わらず受給できていないことです。自治体窓口における申請の制限、プライバシーの侵害、扶養義務者に対する扶養の強制などについて点検し止めさせます。生存権保障の観点から行政の対応を改善します。生活保護や生活困窮者に対する差別的なバッシングを許しません。
  • 生活保護世帯の子どもが大学等へ進学する際の妨げとなっている世帯分離の取り扱いを見直します。進学率を引き上げることで、貧困の連鎖を解消し教育の機会均等を確保します。
  • 生活困窮者自立支援法により、すぐに就労することが困難な生活困窮者に「中間的就労」を促す「就労訓練事業」が導入されました。この制度が保護申請のさまたげとなったり、保護の打ち切りにつながらないよう点検を強化します。
  • 生活保護受給者をアパート等に集住させ、多額の費用を徴収する「貧困ビジネス」が全国で横行しています。生活保護者を食いものにする悪質業者・団体の規制に取り組みます。行政が住む場所を保障する体制をつくります。
  • 福祉分野の予算・人員の削減が行われるなか、福祉事務所のケースワーカーの負担が増しています。国の財政を確保し、ケースワーカーの待遇を改善するとともに、育成、増員、専門性を高めます。

子ども・子育て

保育所・学童保育の増設と質の向上

  • 政府の幼稚園・保育所教育の無償化は高所得者に恩恵が多く低所得者に恩恵が少ない不公平な制度です。さらに、経過措置として質の確保がなされていない認可外保育所、ベビーシッターも無償化の対象となるため子どもの安全が守られない等、問題が山積しています。政府に再考を求めます。まず、認可保育所などの増設と保育所の質の向上を車の両輪で強力に推進します。「待機児童ゼロ」を実現したのちに幼保教育の無償化をめざします。
  • 保育を必要とするすべての子どもが入所できるよう認可保育所、認定子ども園などを軸に大幅な保育施設の増設に取り組みます。障がい児保育、病児保育、一時保育などの体制整備に取り組みます。
  • 政府の待機児童解消対策は規制緩和による詰め込み保育です。人員配置や面積基準が国の最低基準より高い自治体に対し、国基準に下げて受け入れ数を増やすことを求めていますが、そもそも日本の最低基準は諸外国に比べ非常に低く安全面で問題があります。政府の詰め込み保育を止めさせるとともに、国の最低基準を計画的に向上させます。やむを得ず自治体が実施する場合でも、地域と期間を厳格に限定し、認可保育所などの増設とセットで行い、そのための支援を国に求めます。
  • 保育士の労働条件の改善なくして待機児童対策は進みません。保育士等の給与を当面月5万円引き上げる議員立法の「保育士等処遇改善法案」を実現します。
  • 子ども・子育て支援に必要な安定した財源の確保、公有地等の提供、保育の質を確保するための指導監督基準の強化など、国が責任を果たすよう強く求めます。
  • 学童保育(放課後児童クラブ)の指導員の配置や資格の基準を事実上撤廃する法改悪が地方分権を隠れ蓑に強行され、2020年度から全国一律の運営基準がなくなります。子どもの安全を確保するために改悪を中止させます。学童保育の増設と質の向上を車の両輪ですすめます。
  • 学童保育の指導員の多くは非正規雇用で低賃金です。早急に待遇改善に取り組みます。
  • 働く親に代わって子どもの生活の場を保障する学童保育とすべての子どもを対象に教育を主眼とする放課後子ども教室とでは役割が異なります。一体化するのではなく、それぞれの役割を充実させ、子どもたちが生き生きと過ごせる場を増やします。

育児の孤立化をなくす

  • 妊娠・出産・子育ての切れ目のない相談拠点の整備、産前産後のサポート事業、子育てひろば事業などを拡充し、育児の孤立化を防ぎます。
  • 議員立法の「産後ケアセンター設置法案」を実現します。「産後ケアセンター」は育児不安の大きい産後4カ月までの母子を対象に、母子のケア・支援を提供する短期入所型施設です。核家族化がすすむなか実家にかわる役割を担います。
  • 経済的、社会的な困難や予期せぬ妊娠に悩む親が相談できる体制を整備します。児童相談、児童福祉施設、小児病院、保健所、子育て支援センターなどが連携し親への支援を強めます。育児が困難なケースの受け入れ施設の拡充をすすめます。里親制度を改善します。

子育て家庭への経済的支援を拡充します

  • 子育て家庭への経済的支援である児童手当の拡充をめざします。
  • 現在、子どもの医療費助成は全市区町村で行われていますが、自治体によって年齢、所得制限など助成の内容が異なり地域間の格差があります。小学校就学前のすべての子どもの医療費を国庫負担とし無償化します。
  • 小・中学の学校給食の完全実施に取り組みます。学校給食の無償化をめざします。

児童虐待をゼロへ

  • 児童虐待の防止に尽力します。改正児童虐待防止法を徹底し、児童相談所、自治体、保育所・学校、病院、配偶者相談支援センターなど関係機関の相互の連携協力を強化します。「子育て世代包括支援センター」をすべての市町村に設置し、母子保健から児童福祉への切れ目のない連携の仕組みをつくり子どもの安全を確保します。
  • 中核市、特別区が児童相談所を設置できるよう国の支援を強化します。児童相談所の弁護士、医師の配置を早急に実現します。児童相談所職員の抜本的な増員、専門性の向上、処遇改善を図ります。
  • 児童虐待は繰り返されるうちにエスカレートします。深刻な事態を回避するために保護者への再発プログラムの策定、実施を推進します。
  • 子どものSOSを大人が受け止め虐待を防ぐために子どもの意見表明権を保障する「アドボケイト(代弁者)制度」を構築します。
  • 親や児童福祉施設の施設長らが「しつけ」として体罰を行うことの禁止を徹底し、「体罰は虐待であり認められない」というメッセージを社会へ強く発信します。
  • 民法の懲戒権は封建的な親の支配権であり廃止します。学校における児童生徒への懲戒・体罰についても廃止を検討します。

子どもの貧困問題の解消

  • 日本の子どもの7人に1人、ひとり親家庭の子どもの2人に1人が貧困な暮らをしています。先進国のなかで最悪の状況です。保健・医療、福祉、保育、教育、労働、住宅など、総合的な施策で子どもの貧困問題の解消に取り組みます。
  • 「子どもの貧困対策法」が改正され、これまで都道府県に努力義務として課していた子どもの貧困対策に関する計画策定を市区町村にも広げることになりました。家庭により身近な市区町村に対象を拡大することで子どもへの支援を強化します。政府がまとめる「子どもの貧困対策大綱」に子どもや保護者の意見を反映します。ひとり親世帯の貧困率と生活保護世帯の子どもの大学進学率を改善指標として明記します。
  • 議員立法案「子どもの生活底上げ法案」を実現します。児童扶養手当の母子加算の減額中止・支給対象の拡大・支払い回数の改善、大学等の進学の妨げとなる世帯分離の運用改善などで、貧困世帯の子どもの生活の安定を図ります。貧困の連鎖を断ち切ります。
  • 離婚した父親の8割は子どもの養育費を払っていません。養育費や面会交流の取り決めなど、子どもが離婚した父や母から適切な養育を受ける権利を保障する公的な制度を整えます。
  • 日本の制度には、賃金から税・社会保険料などを払うと、各種の手当を受けても、貧困状態が改善されないという構造的な欠陥があります。税制・社会保障制度を抜本的に見直します。非婚のひとり親に対する寡婦控除の適用拡大に取り組みます。
  • 生活保護世帯などの学習支援(無料塾)や、無料か低額で利用できる子ども食堂がひろがっています。NPOやボランティアが活動を担い子どもの居場所づくりとしても大切な役割を担っています。公的な支援を強化し活動を促進します。

子ども省をつくる

  • 国連子どもの権利条約を日本が批准して25年。「子どもの最善の利益」に則って、子ども・子育てに関する政策立案を一元的に推進する「子ども省」を検討します。
  • 子どもの相談・救済機関となるチャイルドラインの拡大、子どもオンブズパーソン(子どもの権利や利益を擁護し、また行政を監視して改善を図る第三者機関)の実現に取り組みます。

障がい者施策

共に生きる社会へ

  • 障がい者権利条約の理念を社会の隅々に徹底します。差別をなくし、だれもが安心できるインクルーシブ(排除をしない)な社会をめざします。
  • 人間の価値を生産性で計る優生思想を許しません。旧優生保護法に基づく強制不妊手術は基本的人権を侵害する最も深刻な障がい者差別です。成立した一時金支給法を被害者への謝罪、補償の第一歩としさらに改正していきます。同じ過ちを繰り返さないよう国の調査を徹底します。
  • 障害者差別解消法の課題として残っている差別の定義化を行います。同法は障がい者への不当な差別的取り扱いを禁止し、合理的配慮の提供を国・自治体に義務付け、民間事業者にも努力義務を求めています。市民への啓発普及を強めるとともに国、地方自治体に相談の窓口を設けます。あわせて紛争解決機関を設置します。
  • 障害者虐待防止法を改正し、通報義務の対象に、病院、学校、保育所、国と自治体の諸機関を追加します。通報者に不利益取り扱いがなされないよう法的な保護を行います。

生活保障に取り組みます

  • 障がい者の生活基盤を保障するために障害者総合支援法の抜本改正に取り組みます。応益負担を応能負担にもどします。収入認定は世帯収入ではなく本人所得のみに変更します。ホームヘルプサービスや移動支援の拡充など、在宅支援を保障します。低所得者について自立支援医療を無償化します。
  • 障害者総合支援法により介護保険優先原則が強制されることは問題です。障害福祉サービスを受けていた障がい者が65歳を境に介護保険へ移行され、無料だった利用料が1割負担となりサービスの内容も縮小されるなどの問題がおきています。障がい者の生活水準が引き下げらることがないよう、どちらの制度も選択できるようにします。
  • バリヤフリー対応の公営住宅を増設します。入所施設やグループホームなど住まいの場を公的な責任で計画的に増やします。

障がい者の働く場を拡大します

  • 公的機関での雇用率水増し問題は障がい者排除そのものです。再発防止を徹底し、国、自治体、民間企業における障がい者雇用率の速やかな達成を促進します。
  • 障害者雇用促進法を徹底し障がい者の一般就労を増やします。事業者の意識改善を図るとともに国や自治体による企業への補助金を増額します。職場におけるジョブコーチなどの支援や通勤支援を強化します。
  • 障がい者の福祉的就労の場となる共同作業所(小規模作業所)を地域に増やします。作業所の運営や雇用の安定を図るために日額払いから月額包括払いに見直し、助成金を拡大します。働き場にかかる利用者負担をなくします。労働法の適用を検討します。

所得保障に取り組みます

  • 障がい者の所得保障を充実させるために、障害基礎年金の増額、無年金障害者の解消に取り組みます。働くことによる所得とあわせて地域生活に必要な所得保障制度を検討します。
  • 国は精神・知的障がいに関する障害基礎年金の認定の地域格差をなくすとして、精神・知的障がい者が申請をしても障害基礎年金の新規支給や更新が行われないケースが頻発しています。至急、実態を調査し、障がい者の生活を保障するために必要な是正を行います。

インクルーシブ教育を広げます

  • 障害者権利条約に基づくインクルーシブ教育システム(包容する教育制度)の理念を尊重し、障がいのある子とない子が共に学ぶ仕組みを整備します。同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、最も的確に応える多様で柔軟な仕組みを整備していきます。

コミュニケーション、バリヤフリー、交通の保障

  • 手話はろう者にとって、聞こえる人たちの音声言語と同様に、大切な情報獲得とコミュニケーションの手段です。「手話言語法案」の成立に取り組みます。あわせて、「視聴覚障害者等の意思疎通等のための手段の確保等の促進に関する法律案」の成立に取り組みます。
  • 交通や建物などのバリヤフリー化をすすめます。駅のホームドアなどの普及、ノンステップバスの普及をすすめます。
  • 身体・知的障がい者と同等に精神障がい者についても、JRなどの公共交通機関の運賃割引制度の適用対象にします。

男女平等

男女平等社会の基盤づくり

  • 民法を改正し、夫婦別姓が選択できる制度を実現します。女性のみの再婚禁止期間を廃止します。戸籍法を改正し、婚外子に対する差別的規定をなくします。
  • 個人の尊厳、婚姻の自由や両性の本質的平等を改変する自民党改憲草案に反対し、憲法を護ります。家庭への国家介入につながる「家庭教育支援法案」や「親子断絶防止法案」に反対します。
  • 「政治分野における男女共同参画推進法」は、国政、地方議会の選挙において男女候補者の数ができる限り均等となることをめざしています。同法をテコに女性議員比率を向上させます。
  • クオータ(割り当て)制度の導入などアファーマティブ・アクション(積極的な差別是正措置)を推進し、あらゆる意思決定の場における女性の参画を実現します。
  • 日本政府が国連女性差別撤廃条約の「選択議定書」を批准するよう強くはたらきかけます。「選択議定書」の批准によって、同条約で保障されている権利が侵害されたとき、個人が直接、女性差別撤廃委員会に通報し救済を申し立てることなどができるようになります。国際的な水準で国内の女性差別をなくしていくために必要です。

均等待遇を実現します

  • 日本の男女の賃金格差は大きく、男性正社員の賃金を100とすると、女性正社員は73.3です。また、女性の非正規雇用労働者の割合は56.1%で上昇しています(2018年)。日本政府も批准しているILO条約「同一価値労働同一報酬」(100号)にもとづいて、同一価値労働には同一賃金、比例価値労働には比例賃金を支払い、男女間、正規・非正規間の賃金差別を是正します。
  • 男女雇用機会均等法が施行されてから30年余が経ちます。しかし企業のコース別雇用管理などにより、男女間の賃金、昇進昇格などの格差が解消されないことは大きな問題です。均等法を改正し、差別の対象事項に「賃金」を入れます。間接差別(一見中立的基準であっても結果として一方の性に不利益を生じさせる取扱)禁止規定を追加し、均等法の実効性を高めます。
  • 労働基準法、パートタイム労働法、労働者派遣法に同一価値同一賃金の原則と均等待遇の原則を明記します。有期雇用やパートなどの非正規雇用について、正規雇用との時間比例で賃金を保障し、賞与、有給休暇、福利厚生などの格差を是正します。非正規労働者を優先的に雇い入れることを推進し、正規雇用への転換を図ります。
  • 現在の雇用環境・均等部(室)の態勢では差別の是正に限界があります。迅速な対応ができ、差別の是正に権限をもつ、政府から独立した救済機関の設置を検討します。
  • 男女労働者がともに仕事と家族的責任を両立できる人間らしい働き方を目指します。均等法の目的・理念に「仕事と生活の調和」を明記します。長時間過密労働の規制に取り組み、時間外や休日労働分等は新規雇用へ振り向けます。
  • 女性が働きながら安心して妊娠・出産する権利を保障します。妊娠・出産における不利益の禁止、母性保護制度の利用促進、マタニティハラスメントの防止に取り組みます。
  • 育児休業にパパ・クオータ(父親に育児休業取得を割り当てる)制度を導入します。
  • 職場のセクシャルハラスメント、マタニティハラスメント、パワーハラスメントは労働者を心身ともに追い詰める深刻な暴力です。事業主に義務付けられたハラスメント防止措置義務を徹底するとともに、さらにハラスメントを明確に禁止する規定をつくります。行政の指導、支援を強化します。被害者の救済と保護に取り組みます。

性に中立な税制・社会保障制度に取り組みます

  • ライフスタイルの多様化にあわせて、世帯単位を個人単位に転換し、性に中立な税制、社会保障制度の改革に取り組みます。
  • 男性稼ぎ主(専業主婦)世帯を優遇する税制や社会保障制度が、女性の働き方や生き方を狭めています。とくに、世帯の所得税を減らすことができる配偶者控除(妻の給与年収103万円以下)・特別配偶者控除や、妻が夫の扶養となり厚生年金や健康保険料を払う必要がない制度(同130万円以下)が、妻の就労を制限し女性全体の低賃金構造を助長しています。足かせをはずし女性の労働権を確立することこそ、本人の収入や将来受け取る年金額を上げ、経済の活性化、社会保障制度の安定化につながります。家計がマイナスにならないよう基礎控除の引き上げとセットで配偶者控除等の見直しに取り組みます。
  • 高齢低所得者の多くは女性です。女性は男性よりも生涯所得が少なく年金にそれが反映されます。資産も少なく、また男性より長生きであるため貧困化は深刻です。最低保障年金の創設に取り組み、低年金、無年金問題を解決していきます。

女性に対する暴力の根絶に取り組みます

  • 性暴力をなくす包括的な取り組みを定めた「性暴力禁止法」の制定をめざします。加害者の厳罰化や被害者支援の強化を促します。先行して議員立法の「性暴力被害者支援法案」を早急に制定させます。性暴力被害者への相談や支援を医療機関をベースに24時間体制で行うワンストップセンターが求められています。各都道府県に1か所以上の設置を促進します。
  • 性暴力の恐怖によって被害者は心身が麻痺し抵抗できない状態に追い込まれます。また、加害者との権力関係により逃げられないケースは多く、特に子どもに対する近親姦の場合、子どもは被害の認識すらもてないことが少なくありません。刑法強制性交等罪などの「暴行・脅迫」「抗拒不能(抵抗困難な状態)」要件を撤廃し、同意のない性交は犯罪とする「不同意性交罪」を新設します。
  • DV(配偶者等からの暴力)被害者の救済と保護、自立支援策の充実、暴力防止のための施策を強化します。DV防止法を改正して保護命令期間を延長します。
  • 被害者女性の支援に取り組んでいる民間救援団体の相談事業やシェルターについて委託費、運営費への財政的支援を強化します。
  • ストーカ規制法を強化し、被害者が相談できる窓口や対応の充実、関係機関の連携強化などを行います。「JKビジネス」「アダルトビデオ(AV)出演強要」など若い女性に対する性的搾取を行っている商業活動の禁止を求めていきます。実態を把握し、相談、啓発、取り締まりを強化します。
  • 女性への人権擁護の理念が欠落し、買う側の男性が罰せられない売春防止法を抜本的に改正します。女性の尊厳回復や自立支援の視点を明記した「女性自立支援法案(仮称)」に転換し、時代に則した女性保護事業が行えるようにします。
  • 在日米軍基地があるゆえに繰り返される性暴力事件を許しません。米軍基地の撤去に向け全力を挙げます。
  • 旧日本軍「慰安婦」問題について、政府が「性奴隷制」の加害事実を認め、被害者への謝罪と賠償の責任を果たすよう強く求めていきます。

リプロダクティブヘルス/ライツの確立

  • リプロダクティブヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)は1994年国際人口開発会議(カイロ)、1995年国連女性会議(北京)で国際的に承認されました。「安全で満足できる性生活」「安全な出産」「子どもを産むかどうか、産むとすればいつ、何人産むかを決定する自由」「生殖・性に関する適切な情報とサービスを得られる権利」などを指します。リプロダクティブヘルス/ライツを保障するための法整備をすすめます。女性の健康と性に関する包括的な法律を検討するとともに、刑法堕胎罪、母体保護法について見直しを行います。
  • 公教育で年齢にふさわしい性教育を男女ともに行い、科学的な正しい性知識、自分と相手を大切にする姿勢を学習できるようにします。
  • 安倍政権が「国民希望出生率1.8」を打ち出してから、出産数増や出産年齢の引き下げを推奨する公人の差別発言や行政の冊子の出版が相次いでいます。若い女性の生き方に圧力をかけかねない動きを止めさせます。

教育

教育の「市場化」を転換

安倍政権の進める教育の市場化や、国家による教育への介入を許さず、一人ひとりの学びと育ちを大切にします。
雇用が劣化し格差が拡がるなかで、子どもの貧困の問題が顕在化しています。本人の責任ではない生まれ育った環境によって、人生のスタート以前の段階から不利な条件を押し付けられ、学習や医療、就職の機会など当たり前の権利を奪われることがあってはなりません。世代を超えて格差を再生産し固定化することにつながる教育の場の格差に反対し、全ての子どもたちに公平な学習の機会を保障することが絶対に必要です。
「一人ひとりは違い、かけがえのない存在として平等である」―これが憲法・教育基本法・子どもの権利条約等を貫く「子どもの最善の利益」の考え方です。社民党は、国民的な協働作業を通して知恵を集め、この理念を教育の現場に根づかせ具現化していくための取り組みを進めます。

ともに学び、ともに生きる、ゆとりある学校

  • 教育の場を通じた格差の再生産・固定化を許さず、すべての子どもたちに公平な学習の機会を保障するため、教職員定数の改善や少人数学級の実現、国庫負担2分の1への復元、教育の無償化など教育の抜本的な改善と是正をすすめます。
  • 学習指導要領は大綱的基準(基本的に教えなければならない最低限の内容)ととらえ、自治体・学校・保護者・地域住民などの創意工夫で運営できる学校をめざします。
  • 国旗・国歌の取り扱い方は個人の思想・信条にかかわる問題であり、教育現場で教職員や子どもたちに強制することは許しません。社会の授業を通じて政府の方針を覚え込ませたり、小学校の道徳の授業などで過剰に愛国心をあおったりすることは認めません。
  • 学級生徒数は20人を目標に、30人以下学級の早期完全達成をめざします。教職員定数の計画的な改善をはかり、自治体による独自の加配も追求します。
  • 事務職員、養護教諭、栄養教職員、学校司書、部活動指導員、スクールカウンセラー、特別支援教育支援員などの配置を拡充します。
  • いじめを許さず、共に学び共に生きるゆとりある学校を実現します。いじめ問題の解決に向けて、養護教諭やカウンセラー、スクールソーシャルワーカーをすべての学校に常勤配置します。
  • 勝利至上主義の「ブラック部活」が深刻化しています。「生徒ファースト」で部活のあり方を見直します。
  • 教材費・図書費等の増額をめざします。また、デジタル機器の使用による健康面への不安や教育的効果への疑問や懸念なども踏まえつつ、さまざまな場面での活用が期待できるパソコン整備やネットワークなどICT環境の充実をはかります。また、自治体独自の子どものための学校教育基準・ガイドラインを求めます。
  • 学校は、子どもたちが一日の大半を過ごす大切な教育の場であり、国や自治体は、均しく子どもたちが集中して学習し、また安全・快適に学校生活をおくることのできる環境の整備を行う責務を有しています。子どもたちの教育環境を改善するため、学校施設への空調設備設置に係る補助事業の予算を早急に確保し、増額など抜本拡充を行います。学校施設の老朽化・耐震化に必要な予算を確保し、学校施設の耐震補強とアスベスト対策を早期に進めます。
  • 学校施設や保育所等におけるブロック塀等の詳細な調査及び改修・補強や撤去等の安全対策に係る費用を補助する制度を早急に創設するよう求めていきます。学校施設だけでなく、学校周辺に存在する倒壊等の恐れがある危険なブロック塀等についても、確実な専門知識を有する建築士などにより早急に実態を調査します。
  • 児童生徒や園児らが本来安全であるべき通学路で事件や事故に巻き込まれことなく、安全に通学、通園や散歩などができるよう、地域住民や関係機関などと緊密に連携協力しながら安全点検や対策を実施し、通学路の安全確保のための法制化を進めます。
  • 「教育施策の成果と課題の検証」という目的を逸脱し、競争と学校の序列化を助長させている「全国学力・学習状況調査」のあり方を見直し、廃止または数年に一度の抽出調査とします。
  • 教員の負担を増すだけの免許更新制は廃止し、教職員の養成、採用、研修等の改革を総合的に進めることで、教職員の適格性、専門性、信頼性を確保します。
  • 教員に労働基準法37条を適用することで長時間労働を是正し、教員の本来的な仕事の質を高め、教育の質的向上を図ります。残業代や休日手当を払わず月額4%の調整給を支給する給特法(公立学校教育職員給与特別措置法)の廃止を目指します。
  • インクルーシブ(包括的な)教育をすすめ、障がいを持つ子どもと持たない子どもがともに地域の学校で学び育つ総合教育・総合保育を推進します。
  • 義務教育における完全給食の実施を目指すとともに、学校給食の無償化を推進します。公立小中学校の給食を独自に無償化している自治体は、2017年度で全国の市区町村の約4%にとどまります。無償化を全国の自治体に広げる取り組みを強化するとともに、国の積極的な支援を実現します。さらに、全国の小中学生の保護者が負担している給食費の年間総額約4400億円を公的負担とし、所得制限をせずに完全無償化を目指します。また、このために地元農業と連携し地場産の米や野菜、果物などを食材として活用をすすめます。
  • 学校教職員の労働環境や労働条件を改善するため、政府は変形労働や外部人材の活用、委託化、情報機械化をすすめようとしていますが、本末転倒です。自己都合退職やメンタルヘルス不全の増加を止めるための対応を万全にし、教職員定数の改善と、正規雇用の拡充を求めます。

教育予算GDP(国内総生産)5%水準の実現

  • OECD加盟34ヵ国中で最下位の教育予算(2018年対GDP比2.9%)、世界標準といえるGDP5%水準(同年OECD平均4.2%)に引き上げるために教育予算の拡充をはかります。
  • 教育に地域格差をもたらさないよう義務教育費国庫負担制度を堅持し、2006年に3分の1に引き下げられた国庫の負担率を2分の1に引き上げます。
  • 貧困の連鎖を断ち切り、家庭の経済格差が教育機会の格差を生まないよう、就学前教育から高等教育まで、すべての教育にかかる費用の無償化を行ないます。
  • 後期中等教育(高校まで)はすでに義務教育に近い実態となっており、私立高校も含め直ちに学費負担ゼロを目指します。当面は、普遍的な高校授業料無償化・就学支援金制度を復活させ、外国人学校等にも差別なく適用します。
  • 自治体による授業料減免補助事業を拡大することで、都道府県ごとの実質的な保護者負担の格差を縮小させます。就学援助の対象を高校生までに広げます。
  • 進学先の大学の教員配置や理事の構成に条件を設け、大学の自治や教育の自由を侵害する政府の「高等教育無償化」のあり方を見直します。
  • 高等教育(大学、短期大学、大学院等)の学費は、将来的に無償化をめざし、段階的に引き下げます。無償化に向けた漸進的な努力を定めている国際人権規約(社会権13条)の実現に向けて、高等教育への公財政支出を増やし大学の学費を引き下げます。
  • 教育の機会均等を保障するため奨学金・育英制度を充実させます。返還義務のない給付型奨学金の対象・水準を拡大し、貸与奨学金は無利子を原則として返済滞納時の滞納金も悪質な場合を除いて課さないことにします。返還中の方の負担軽減・免除策を導入します。
  • 子どもの貧困、児童虐待を防ぐために教育現場における福祉の視点を強化します。子どもの立場に立って支援を行うスクールソーシャルワーカーの配置をすすめます。
  • 国立大学・高専運営交付金、私学助成費の減額方針を転換します。経営費補助について計画的な増額をはかり、競合的資金の割合を抑えます。公私間の格差を縮小するために私学への助成を拡充します。
  • 科学研究費助成事業(科研費)を充実・強化します。企業等からの研究収益に頼らずにすむ必要最低限の研究資金を保障します。国公立大学における軍事転用可能な研究は認めません。
  • 高等教育の質を維持するため、国立大学法人等における教育系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院を維持し、さらに充実を図ります。
  • 大学や研究機関における大規模な雇止めは許されません。研究支援を行なう有期雇用事務職員、研究室秘書、研究補佐員の雇用の安定をはかります。

地域社会の教育力・文化力の強化

  • 学齢期に修学することができなかった中高年齢者、中国帰国者、外国籍住民などの人々について、普通教育を受ける権利を実質的に保障するため、公立中学校夜間学級(夜間中学)の設置、受け入れ対象の拡大、自主夜間中学への援助を進めます。
  • 定時制高校や通信制高校は、従来からの勤労青年のための教育機関としての役割だけでなく、多様な学びのニーズへの受け皿としての役割を増しています。安易な統廃合や再編成等を行わず、就学機会の保障につとめます。フリースクール等への援助を拡充します。
  • 児童生徒の減少にともなう小中学校の統廃合を財政上の理由のみですすめるのではなく、子どもの立場を第一に、学習環境、通学距離、学校規模などを総合的に考慮して、保護者や地域住民の合意を得ながらすすめることとします。総務省が自治体に求めた公共施設等総合管理計画は、学校などを縮減の対象としており反対です。
  • 教科書採択に当たっては、教員の意向が反映されるための条件整備をはかり、保護者や住民の参加を進めます。教科書検定制度の廃止を検討します。
  • ILO(国際労働機関)140号条約を批准し、職業上必要な技能の修得、地域社会活動への参加等を目的とする長期の有給教育休暇制度を創設します。
  • 自然と環境について親も子も学ぶための体験の機会を制度化し、農漁村と都市の子どもが交流するプログラムの推進をはかります。
  • ワークルールや労働安全衛生など、働くことに関する知識を深め活用できるように労働教育のカリキュラム化を推進します。
  • 首長の恣意的な判断から教育委員会の独立性を高め、教育の中立性・継続性・安定性を確保するため、教育の民主化を進めます。
  • 少年法の適用年齢引き下げに反対し、少年犯罪については少年の特質を踏まえた教育・福祉的な対応を強めます。
  • 視覚障がい者や低視力の高齢者等に読書や情報入手の権利を保障するため、読書バリアフリー法を制定します。図書館等の公共施設を拠点に、読み書きを支援(代読・代筆)する公的サービスを広げます。機器による音声読み上げが可能なマルチメディアDAISY形式の書籍の普及を進めます。
  • 先進諸国の中でも低い文化予算を増額し、市民の文化活動への取り組みを応援し、舞台芸術、映画、音楽などへの助成を改善・充実させます。
  • 劣悪な状態の芸術・文化活動従事者、アニメなどの「コンテンツ」制作関係者等の労働条件の改善を進めます。

人権・共生

人権を守り抜く

  • 一人ひとりの違いを認め合うことが多様な生き方を選択し、あらゆる活動に参画し、責任を分かち合うことができる社会の実現につながります。個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障がいの有無等にかかわらず、多様性を認め合い、人権を尊重する、自分らしく暮らせる社会を築くことを目指します。
  • 「部落差別の解消の推進に関する法律」(2016年12月施行)に基づき、部落差別解消のための教育や啓発、人権侵害を受けた際の相談体制の強化、相談事業の相談員のスキルアップと増員、隣保館事業などの充実、実態調査の実施など実効性ある施策の充実をはかり、そのための財源を確保します。
  • 「人権教育・啓発推進法」の所管を内閣府に移し、政府全体として取り組む体制を整備するなど同和教育、啓発活動を強化し、地域・自治体においても推進します。
  • 政府から独立した実効性のある人権救済機関を設ける「人権侵害救済法」を制定します。

あらゆるハラスメント、性暴力を許さない

  • セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント、ジェンダー・ハラスメントや「SOGIハラ(性的指向・性自認に対するハラスメント)」など、あらゆるハラスメントに対して禁止規定や国・自治体・事業者が講じるべき措置などを定めた法整備を推進し、全てのハラスメント一掃へ取り組みを強化します。ILO(国際労働機関)が職場での暴力やハラスメントを全面禁止する条約を採択したことを受け、条約が対象とする求職者や実習生、休憩中や通勤時間も含めて職場からハラスメント行為を一掃する法整備を進め、一刻も早い条約批准を目指します。
  • 性暴力の恐怖によって被害者は心身が麻痺し抵抗や逃避ができない状態に追い込まれます。刑法の強制性交等罪などの「暴力・脅迫」「抗拒不能(抵抗困難な状態)」要件を撤廃し、同意のない性交は犯罪とする「不同意性交罪」を新設します。あらゆる性暴力を禁止し、被害者の人権とケアを保証する「性暴力禁止法」の制定に取り組みます。先行して「性暴力被害者支援法」を早急に制定します。
  • 性的搾取・虐待から子どもを守る取り組みを強化し、子ども買春の根絶を目指します。児童ポルノの定義を限定・明確化した上で、根絶へ積極的な防止対策を講じます。

誰もが輝く共生社会へ

  • 2018年に改正された相続に関する民法の規定が事実婚や同性パートナーを対象外としている点を早急に再改正するとともに、同性婚を実現するため婚姻平等の法整備を進めるなど、事実婚、同性婚、LGBTs(性的マイノリティ)など多様な性の在り方を尊重する社会制度づくりを推進します。
  • LGBTsは「子どもをつくらず生産性がない」などの差別的な言動を断じて許さず、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなどの性的マイノリティへの偏見解消に取り組みます。職業選択・雇用や公営住宅・高齢者施設への入所など、性的指向や性自認を理由としたあらゆる形の差別的取り扱いを禁じる「LGBTs差別禁止法」を制定します。教育現場での啓発や当事者へのサポートを進め、性的指向や性自認を理由としたいじめについて実態を調査し対策を講じます。性別にかかわらず多様な形態の家族に対して民法上の権利を保障する、フランスのPACS(連帯市民協約)にならった新制度の創設を目指すとともに、同性婚についても実現を目指します。
  • 成立した「アイヌ支援法」の実効性を高め、多様な文化と先住権を尊重する多民族共生の社会を実現するための取り組みを進めます。
  • 川崎市外国人市民代表者会議のように、外国籍市民との共生をめざす施策や審議機関の設置を推進します。地方公務員採用の「国籍条項」を撤廃し、外国人地方参政権を実現します。外国人学校への支援を強化します。
  • 全ての外国人労働者の労働条件、就業・居住環境の改善に取り組みます。事実上、低賃金労働者の確保策となっている「外国人技能実習制度」を抜本的に見直し、実習生の人権尊重を最優先に違法な低賃金や未払い、労使協定を超える違法残業や長時間労働など劣悪な雇用環境を許さず、真に技能・知識を学び習得できる国際貢献の制度に改めます。新たな外国人在留資格についても家族の帯同を認めないなど非人道的な仕組みに強く反対し、彼らの人権を十分に尊重して労働条件はもちろん生活支援や文化の共生まできめ細かく環境を整備し、外国人労働者を地域社会を構成する一員として正面から迎え入れる制度とします。
  • 人道的見地から難民及び難民申請者への医療・公的扶助・在留資格付与・就労許可等の支援措置を講じます。申請・認定・自立のプロセスが円滑に進むようにします。難民条約が遵守されるよう政府を監視します。
  • 差別や敵意を煽る「ヘイトスピーチ」について、その定義を限定・明確化した上で根絶へ向けて「人種差別禁止法」制定など法整備を進めます。一方でヘイトスピーチ対策を口実に一般的なデモや市民活動が規制対象とならないよう監視を強化し、憲法で保障された表現の自由、集会・結社の自由をしっかりと守ります。

知る権利を守る

国民監視と全面対決

  • 「共謀罪」創設規定を含む「改正組織犯罪処罰法」は憲法の理念や現行刑法の基本原則に反し、合意という「心の中」を処罰し、思想の抑圧、人権侵害や市民監視の強化、運動への萎縮効果をもたらしかねない危険性を有する「現代版の治安維持法」であり、直ちに廃止します。国民の「知る権利」や報道・取材の自由を侵害し憲法の基本理念に反する「特定秘密保護法」や、通信の秘密という重大な人権を侵害し警察によって恣意的に運用される可能性が高い「通信傍受法(盗聴法)」も即時廃止するなど、安倍政権による情報統制・国民監視と厳しく対決します。通信傍受の対象事件拡大や司法取引制度の撤廃を求めます。
  • テロ行為への直接利益提供者にとどまらず処罰対象者の範囲や対象行為を際限なく拡大する「改正カンパ禁止法(公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金提供等の処罰に関する法)」の廃止を求めます。
  • 住民基本台帳ネットワークシステムの凍結・廃止を念頭に、システムの監視と問題点の追及に取り組みます。
  • 多額のシステム維持管理費、情報漏えいやシステムトラブルの多発など問題があるだけでなく、家族構成や住所、所得や年金給付額、病歴などあらゆる個人情報を国家が管理し、監視社会に道を開く「マイナンバー(共通番号)制度」の利活用拡大に反対するとともに、廃止を強力に求めます。
  • 個人情報の利活用にあたっては、市民が個人情報をコントロールする権利や「忘れられる権利」を規定した欧州のGDPR(一般データ保護規則)に準じた規制強化を求めます。

開かれた司法へ

  • 裁判員制度や法曹養成制度を司法制度改革の趣旨に沿って見直し、開かれた「市民の司法」を実現します。司法修習生への給費制復活を受けて、給付額増と6年間の無給制期間の修習生への救済策を求めます。
  • 参考人も含む取り調べの全過程可視化と、検察側が有する全証拠の開示を義務化します。事後的な検証を可能とするため、捜査時の試料等の保管を義務づけます。誤判原因を調査するための機関の創設を検討します。警察・検察の任意捜査拡大に歯止めをかけ、特にプライバシーに関わる捜査については、対象犯罪や取得機関の絞り込み、対象者への告知など、より厳格な基準に基づく裁判所の令状取得を義務づけます。
  • いわゆる「代用監獄」の廃止など、被疑者・受刑者の人権確立に取り組みます。国際潮流を踏まえ死刑廃止を含めた刑罰制度の見直しを行います。「死刑廃止条約」の批准を急ぐとともに、「拷問禁止条約」が遵守されるよう政府を監視します。行刑施設を出所した者の再犯を防ぎ、社会への定着を促進するため更生保護のための施設や制度を強化します。
  • 少年犯罪については少年の特質を踏まえた教育・福祉的な対応を強めます。罪を犯した少年の立ち直りに大きな影響を与える「少年法」の適用年齢引き下げに強く反対します。
  • 犯罪被害者の救済制度を充実・強化します。警察による相談機能の強化をはかります。

農林水産・みどり・環境

農林水産業の再生

「安倍新自由主義農政」を許さない

  • 米国以外のTPP参加11か国による「TPP11」協定や日欧EPAからの脱退を求めていくとともに、米国の復帰による12か国のTPP復活やTPP以上の市場開放を迫られかねない日米2国間の新たな貿易協定を阻止します。それぞれの協定が国と各都道府県に及ぼす詳細で根拠ある影響試算を早急に示すよう要求し、生産農家への十分な対策や生産基盤の強化策を迅速・柔軟に行うよう求めます。日米間や既に発効済みの協定も含め、これまでの貿易交渉に関する全ての情報公開を強く要求します。
  • 大規模農家優遇に偏重した「農業改革」、漁業権や国有林伐採を民間開放する「漁業・林業改革」など、第一次産業を単に金儲けの手段としか見ない安倍政権の「成長戦略」は大部分の農林水産業を切り捨てるものです。こうした新自由主義的な「改革」路線と全面的に対決し、農林水産業の再生と農山漁村の発展に全力を挙げます。国連「家族農業の10年」に呼応し、小規模・家族農業を支援し発展に力を尽くします。中山間地域や条件不利地の切り捨てにつながる遊休農地への課税強化に反対し、企業の農地所有解禁を許さず規制を強化します。
  • 2019年に新設された「収入保険」制度は過去5年間の平均収入が基準で生産費を賄えるか否かが考慮されていない上、過去の収入が下がれば補てん額も減り農業経営のセーフティーネットにはなり得ません。農業者戸別所得補償制度を復活させ、法制化と畜産・酪農や果樹・野菜などへの対象拡充を進め、規模の大小を問わず農業経営をしっかりと支えます。
  • 農協改革について厳しく監視し、協同組合の精神に立った地域インフラとしての総合農協を守り「全農」の株式会社化や准組合員の利用制限、JA信用事業の代理店化を許さず組合員の意思に基づく自主的・自発的な改革を支援します。
  • 安倍政権の国家戦略特区の農業特区に指定された兵庫県養父市や新潟市では、農地法の特例を利用した民間業者の参入促進や農業委員会の持つ農地売買の許可権限の自治体への移譲などが施行されていますが、こうした動きは企業による実質的な農地取得や歯止めなき農業参入に道を開きかねず、地域の農業者の所得向上や農業活性化につながる保証もありません。社民党は地域の意向を無視した急進的かつ新自由主義的な規制緩和に反対するとともに、こうした動きが全国に波及しないよう監視を強めます。

コメの需給安定

戸別所得補償で食料自給率50%以上

  • 2018年産のコメから直接支払い交付金が廃止され国が生産調整から事実上手を引くことで、主食用米の過剰生産や米価下落を招くのではないかと生産者、消費者の間に大きな不安が広がっています。社民党は過剰米の主食用市場からの隔離政策や、政府備蓄米の貧困国援助や飼料用・加工用・燃料用への積極活用を進めるなど、生産数量目標設定廃止後も政府の責任において再生産可能な米価を保証し、稲作農業経営を下支えする十分な予算措置と所得向上対策を講じるよう強く求めます。コメの直接支払い交付金や米価変動補填交付金の廃止を撤回し、戸別所得補償制度を復活・拡充して規模の大小を問わず稲作農家経営をしっかりと支えます。また環境支払いの強化、飼料用米への主食用米に準じた所得補償などの支援強化や水田放牧による耕畜連携の推進など水田の多面的利用を進め、農業者が作付けを自主的に選択できる仕組みを保証し、意欲や自発性を引き出して早期に「食料自給率50%以上」の目標を実現します。強制的な生産調整(減反)は廃止し、生産数量目標は適地適作や地域の営農体系を尊重し、生産者の理解と自発性に基づき自給率目標にかなうものとします。
  • 生産調整を行わず水田をフル活用する「田んぼの底力(そこぢから)を活かす農業改革法」を制定します。米粉用米や飼料用米を生産する農業者に主食用米に準じた所得を直接補償し、国内産の飼料用米を購入する畜産農家には配合飼料並みに購入費を補助することなどで当面、輸入飼料の2割を国内産の飼料米・稲に、輸入小麦の3割を米粉に切り替えることを目指すものです。
  • 消費面からは学校給食を週4回以上は米飯とし、それ以外も国内米粉のパン・めん使用を目標とするなど、需要を拡大しコメを中心とした日本型食生活を普及します。また地産地消率を高めるためにも給食に地元食材を恒常的に使うよう制度を整備します。
  • 政府備蓄米の不正転売や事故隠蔽問題が二度と起こらないよう保管状況や帳簿の確認を徹底するなど、管理・監督体制を強化します。

種子法の復活へ全力

  • コメや麦、大豆など主要農産物について優良な種子の生産・普及を各都道府県に義務づけた「主要農産物種子法」の廃止による、遺伝子組み換え(GM)品種の流入や海外の種苗大手による種の支配、種子の価格つり上げは断じて認められません。国会に野党で共同提出している「種子法復活法案」の一刻も早い成立に全力を挙げます。種子の安定供給に向け都道府県・農業団体・生産者の役割を明示し種子の生産計画策定と十分な予算措置、原種・原原種の備蓄体制などを明記した「主要農産物種子条例」の制定を各県で推進します。
  • 農家が購入した種苗から栽培して得た種や苗を次期作に使う「自家増殖」について国が検討する原則禁止方針を許さず、これまでの原則容認方針を堅持します。違法な種苗販売や日本の優良品種の海外流出には種苗法に基づき厳しく対処する一方、収穫物の一部を自分の経営の範囲内で次の栽培で活用する農業者の権利を守ります。

農山漁村を守る

再生可能エネルギーと6次産業化で地域に活力

  • 原油・燃料高騰に当たっては、国の責任で燃料代の直接補てん、休業補償、燃料高騰緊急対策基金の改善などを行い農林水産業者・農山漁村を守ります。
  • 農林水産業では重油の利用量が多く、多額の燃料費が経営を圧迫しています。地球温暖化防止の観点からも化石燃料の利用を減らし、農山漁村が大きな潜在力・供給力を有する太陽光・風力・小水力・バイオマス・地熱等の再生可能エネルギー資源の有効活用を進めます。その際、土地賃借料の高騰を防ぐとともに、無計画に発電施設設置が進められ農山漁村が持つ食料供給・国土保全機能が損なわれないよう、農林地等の適切な利用調整をはかります。自治体やNPO等とも連携し、農山漁村地域で再生可能エネルギー導入推進をコーディネートする人材の育成に努めます。
  • 加工や流通を含む農林水産業の6次産業化を進め、農業と地域商店街との連携を強めて農と食を核にした町づくりを進めます。また資源の循環、再生可能エネルギー産業の創出などで低炭素社会構築をリードする地域として農山漁村の付加価値を高め、新たな雇用を創出し地域を活性化します。「株式会社農林漁業成長産業化支援機構」は、生産現場の意向を十分反映し出資企業の主導とならないよう監督を強化します。

担い手の育成・確保

安心して農業できる環境づくり

  • 地域の担い手確保へ、最も重要なのは生産者が中長期の展望を持ち、特に若い世代が安心して農業に取り組むことのできる環境整備です。就農、営農への支援策拡充など、第一次産業の将来を担う若者への手厚い支援を実施し、青年農業者人口の増加に取り組みます。新規就農者に対する支援金削減を許さず、青年農業者の就農・営農への支援策拡大など第一次産業を担う若者を手厚くサポートします。「青年就農給付金制度」は環境保全型農業を基本とし、農業大学校等の研修施設を充実させます。青年農業者への長期無利子資金を拡充します。
  • 意欲ある多様な農業経営者を育成・確保し、農業スタッフ育成制度をつくります。新規就農者への農地の優先賃貸使用を進め、雇用就農者の所得や設備、労働環境を改善します。
  • 担い手不足に悩む農業と、雇用先を求める障がい者、引きこもりやニート、生活困窮者の連携を進める農福連携を推進し、多様性に富んだ地域コミュニティを生み出し、日本の食、経済、暮らしを元気にしていきます。障がい者が農園で畑仕事に従事したり、農産物の加工・販売をしたりする農業分野での就労を支援します。高齢農業者の経験や知識、技術を活かし、生きがいを持って農業に関する活動を継続できる環境づくりを推進します。

農地を守り抜く

  • 優良農地は国の「食料・農業・農村基本計画」の目標値を上回る470万㌶を確保するとともに、耕作放棄地や遊休農地の再生・保全・活用を進めます。市民農園を広く展開します。
  • 一般株式会社による農地取得や長期貸借は厳しく制限します。農用地の転用規制を強化し、優良農地の転用・改廃は原則禁止とします。底地をコンクリート張りした農業用ハウスを農地とみなす新農地法について、農外利用の拡大や周辺の営農環境への悪影響が広がらないよう地域の農業委員会とも連携して監視を強化します。都市計画法を見直して農地周辺の乱開発を規制し農地基盤整備を継続します。
  • 「農地中間管理機構(農地集積バンク)」は2014年からの5年間の新規集積面積が政府目標の12%にとどまり、行き詰まりは明らかです。企業中心の農地集積にならないよう地域で監視を強化するとともに、完全公募制の見直しなど小規模農家・条件不利地域の保護や地域農業を維持する視点から廃止も含め抜本改革します。

都市農業の振興

  • 農業産出額と耕地面積の3割を占める都市農業の保全・振興を強め、新鮮・安全な農産物の提供、災害防止、市民の農業体験の場、みどりや景観の形成、生物多様性保全、温暖化防止などの機能を向上させます。新法「都市農地貸借円滑化法」や「改正生産緑地法」を活用して生産緑地の有効活用を進め、低迷している三大都市圏以外での指定加速や、指定に必要な面積要件を引き下げる条例制定を各自治体で推進します。相続税や宅地並み課税などに伴う税負担を軽減し、多くの生産緑地が税制優遇の期限を迎える2022年以降も優遇措置を継続・拡充するよう国に求めます。野菜や果樹、工芸作物など地域性ゆたかな農産物の振興と消費拡大をはかるとともに、共済の充実、価格や収入変動などに対する経営安定対策を強化します。
  • 直売所の拡大や地域商店街の再生、地域や消費者が生産者を支えるCSA(地域支援型農業)の推進などをはかり、自給的基盤を強めます。農産物の残留農薬検査など、直売所の安全衛生調査を定期的に実施します。
  • 果樹・野菜、茶など工芸作物、甘味資源作物の経営安定・所得対策を強化します。

畜産・酪農

手厚い振興策で生産基盤強化

  • 畜産・酪農に大打撃が必至の日豪EPAやTPP11、日欧EPAの枠組みからの脱退や抜本的な合意見直しを強く求めるとともに、日米2国間交渉を含め今後の貿易交渉で安易な妥協を行わないよう厳しく監視します。各協定が畜産・酪農に及ぼす影響について国全体と各地域ごとに詳細かつ根拠ある試算を示すよう政府に要求し、生産農家への十分な対策や生産基盤の強化策を迅速・柔軟に行うよう求めます。
  • 直接所得補償制度の導入、「肉用牛肥育経営安定特別対策事業(新マルキン)」「養豚経営安定対策事業(豚マルキン)」の補てん割合の10割への引き上げ、「肉用子牛生産者補給金」の保証基準単価引き上げや乳雄の初生牛(ヌレ子)の最低保証基準価格の設定など、経営規模の大小を問わず持続的に営農できるよう畜産・酪農振興対策を強化します。高騰する配合飼料価格安定対策については飼料購入費の補助拡大、「配合飼料価格安定制度」の弾力運用や財源確保などに取り組むとともに、激変緩和策にとどまらず高値固定時の補てんや将来の負担となる借入金の返済財源の国庫負担化など、価格安定対策の抜本的な改善を行います。
  • 2017年の法改悪で実質廃止された「指定生乳生産者団体」制度を、全国の生乳需給全体を調整して買い叩きを防ぐ従来の共同販売組織に戻すよう強く求めます。高齢化や労働力不足が進み、20年前に比べ6割が廃業に追い込まれるなど酪農経営が厳しさを増している現状を踏まえ産地向上対策、飼養牛の更新対策、新技術・設備・機械の導入対策、技術改善対策、経営資源の継承と後継者育成対策、空き牛舎活用対策、減免や無利子などの金融対策、環境対策など、あらゆる対策により生産基盤を確保し特に家族酪農の底上げに注力します。酪農振興につながる畑地での酪農飼料基盤拡大推進対策、水田での自給粗飼料増産対策を強化します。
  • 鳥インフルエンザや口蹄疫、豚コレラ、アフリカ豚コレラの監視・早期通報・診断・防疫体制の拡充と迅速化、検疫官の増員など国外からの水際対策の強化、被害農家への補償拡充、自治体の負担軽減策、国と自治体の役割と責任の明確化、大規模・密集化した飼育方法のあり方の見直し、東アジアでの研究体制確立など、抜本的な対策強化に万全を期します。
  • PED(豚流行性下痢)やキウイフルーツかいよう病など、新たな伝染病の流行に対し全国調査と研究体制の確立、早期防除策の徹底、発生農家への十分な経営支援策を早急に制度化します。

森林・林業の活性化

  • 「森林・林業再生プラン」を着実に実行するとともに、同プランを推進するためにも地域を支援する体制を明確化します。関連予算を安定的に確保し、林業事業体・技術者・労働者の確保、間伐や路網整備など森林整備の推進、森林病虫害対策、地域材・国産材の需要拡大と安定供給体制を確立し木材自給率を向上させます。
  • 地域振興、山村振興をはかるため、国の発注する事業の入札制度について流域や都道府県を単位として地域の事業体が優先的・安定的に事業を受注できる方式に改めるとともに、地域の資源を活用し、林業をはじめとした産業の振興による事業と地域雇用の創出、山村への定住に向けた方策を推進します。林業に最低制限価格制度を導入し、行き過ぎた価格競争を抑制します。切り捨て間伐も直接支払いの対象とし、間伐を加速化します。
  • 地域林業を指導する「フォレスター」「森林施業プランナー」「地域林政アドバイザー」や林業担当の市町村職員、現場技能者の育成をはかるなど、森林・林業人材育成対策に係る事業を拡大します。2019年4月に始まった「新たな森林管理システム(森林バンク)」について、森林整備の主体となる市町村が過剰負担とならず適切・円滑な運営態勢が整うよう、国が責任を持って十分な財政措置や林務の専門職員の育成・確保を図る仕組みを確立するとともに、国の職員による技術的支援や林地台帳の整備、森林所有者の確定・境界の明確化など市町村の態勢強化に向けた施策を拡充します。
  • 温室効果ガスの削減目標達成のための森林吸収源対策を着実に実施します。国が2024年度から導入予定の「森林環境税」については人材育成も含め使途を明確にし、「新たな森林管理システム」の充実へ向けた十分な活用と、既存の林業施策の拡充に資するよう求めます。地域の同意を得ない林道開発など、環境破壊につながる使途は認めません。37府県など各地の自治体で既に導入済みの森林整備が目的の税制と役割分担を明確化して二重・三重課税を防ぎ、納税者の過重な負担にならないようにします。
  • 戦後造林した人工林が本格的な利用期を迎えており、森林資源の循環利用確立へ主伐後の確実な再造林を国の施策として位置付けるよう求め、支援策や予算確保を進めます。苗木の安定供給態勢の確立や鳥獣害対策を推進します。
  • 山村振興策を強化します。山村振興法を活かして地域の森林資源を十分活用した林業・木材関連産業の再生や木質バイオマス利活用を進めるとともに、森林や水田など多様な地域資源を活用した農林複合の推進、上流域と下流域の連携を強めます。集落支援員を自治体に配置し、中山間地域や第一次産業の振興をはかります。
  • 条件不利地域等の森林については、水源林造成事業等の公的森林整備を進めるとともに、国・自治体による林地取得を行います。水源林造成事業の安定実施に必要な森林整備センターの人員や組織拡充を図ります。
  • 全国の森林情報の把握およびデータベース化など情報整備を進めます。
  • 国産材・地域材を活用した公共施設・木造住宅の建設・リフォームを推進します。2020年東京オリンピック・パラリンピック関連施設への地域材の利用を促進します。
  • 木質バイオマスの集積基地(中間土場)の建設、輸送など市場整備を支援します。
  • 野生鳥獣害対策は、駆除や防止柵設置などハード面にたよるだけでなく、野生生物の多様性を守るための森林整備、エサを残さない取り組み、耕作放棄地の活用、科学的知見に基づいた被害防止策、個体群や頭数の管理と適切な狩猟、鳥獣保護員の増員・人材育成など自治体での鳥獣行政強化、狩猟者の育成・確保などを総合的に進めます。

国有林の安易な民間開放に反対

  • 国有林事業については一般会計への移行を受けて、民有林との連携強化、災害対策、山村活性化、雇用創出、森林整備などを進め、地域貢献と公益的機能を一層発揮する体制を確立します。生態系保全機能の維持増進、国民参加の森づくりなどを進めます。国有林野事業の安易な民間開放に反対し、改悪された「国有林野経営管理法」が歯止めなき国有林伐採につながらないよう厳しく監視するとともに再造林(植え直し)の義務化を求めます。事業に携わる職員の労働基本権回復や労働条件の改善・向上を急ぎます。

水産業支援

持続可能な水産業の確立へ

  • 水産物の安定供給維持と漁業者の所得向上へ「資源管理・漁業経営安定対策制度」を着実に推進し、漁業者むけの無担保・無保証人型の融資の推進、利子助成等を実施します。漁業用燃油価格や養殖用配合飼料価格が高騰した時に補填金を公布する「漁業経営セーフティーネット構築事業予算」を増額するとともに、2014年度まで行われた「漁業用燃油緊急特別対策」を今後も状況を見極め柔軟かつタイムリーに実施します。漁業の担い手確保・育成支援事業を拡充します。
  • 中央卸売市場開設への民間企業参入を解禁する「認定制」移行に反対し、公設に限り認める「認可制」に戻すよう強く求めます。自治体が市場運営から撤退しないよう、また利益優先の企業が安易に参入しないよう厳しく監視します。出荷物を卸売業者が必ず引き受ける「受託拒否の禁止」や取引量の多少で仲卸業者への対応に差を付けることを禁じた「差別的取り扱いの禁止」の原則が今後も遵守されるよう求めるとともに、卸売業者の販売先を仲卸業者に限定する「第三者販売の禁止」や商品の現物を必ず市場内に持ち込む「商物一致」など各市場の選択制となる事柄についても、これまでの原則を守るよう求めます。
  • 水産政策は持続可能な漁業への道筋をしっかりとつけ、規模の大小を問わず地域の漁業者と漁村を守る視点を最優先します。安倍政権が2018年に制定を強行した「改正漁業法」で導入しようとしている「沿岸水域の漁業権の民間開放」「海区漁業調整委員会の公選制廃止」に反対し、地域の漁業協同組合が漁業権を優先的に持つ仕組みや調整委の公選制を守るよう求めていきます。
  • 真珠養殖の規制緩和をめぐる国家戦略特区ワーキンググループの疑惑を徹底的に解明し、その内容を盛り込んだ「改正漁業法」の見直しを強く求めます。
  • 藻場や干潟の復元など浅海の生態系を守り、沿岸漁場やゆたかな里海を再生します。食用魚介類の自給率を向上させるとともに、漁業の6次産業化(加工・流通、観光、民泊、漁業体験など)の推進、産地ブランドの確立、産直や直売を進めます。
  • 水産資源管理は非常に重要ですが、規制の理不尽な押しつけや資金力のある漁業者ばかりが有利になる不公平なものであってはなりません。安定生産の維持へ漁期や漁法について、漁協など地域の漁業者との対話と合意づくりの上で決定し、沿岸漁業や小規模な家族漁業をしっかりと守ります。2018年7月に実施された日本沿岸のクロマグロ漁のTAC(漁獲可能量)制度について、不当に低く設定された沿岸漁業枠を拡大し休漁補償も含めて小規模漁業者を守るとともに、漁業資源保護へ大中型巻き網漁船に的確な規制を講じるよう漁獲量の配分を改めます。他の魚種についても、実効性のある漁業資源保護と小規模漁業者支援のバランスを取った漁獲枠とします。

プラごみから海を守る

  • 海洋汚染への影響が危ぐされる微細なマイクロプラスチック対策として、日本政府の「使い捨てプラスチックごみ排出量の2030年までの25%削減」目標は極めて消極的です。加盟国にレジ袋の8割削減目標を求めているEUを参考に意欲的な使用・排出削減の年次目標を早急に定め不必要な使い捨てプラスチック製品の製造・販売・流通を厳しく規制するとともに、リサイクルに取り組み企業や再利用に優れた素材開発に資金援助するなど、総合的で実効性のある対策を定めます。政府が署名を拒否した「海洋プラスチック憲章」への即時署名を求めます。
  • 気候変動や災害などによる水産資源の被害に対し、政府の財政援助を拡充します。漁業者の労働環境を改善し、暮らしや人権を守ります。沈没事故による人命の救出体制を確立します。漁船員の福利厚生、特に社会保障制度の充実をはかります。

諫早干拓の開門調査実現を

  • 国営諫早湾干拓事業については、塩害対策や代替農業用水の確保、堤防の補強工事など必要な防災・営農対策を早急に講じた上で、環境破壊の原因解明と水産資源の回復に向けて開門調査を実施します。

食の安全・安心

食品安全基準の後退許さない

  • 食品添加物や残留農薬基準、遺伝子組み換え食品表示など、日本が独自に積み重ねてきた食の安全基準・規制が、TPPをはじめ新たな貿易枠組みへの参加で緩和・変更されることは断じて認めません。
  • 米国が日本のTPP交渉参加条件とした米国産牛肉の輸入条件緩和を元に戻すとともに、全頭検査・トレーサビリティの徹底・全ての特定危険部位の除去・飼料規制などBSE(牛海綿状脳症)対策を再開・強化します。米国産牛を原料とするゼラチンやコラーゲンの輸入を認めず、既に解禁したものも含め全面輸入禁止とするよう求めます。
  • すべての飲食料品に流通経路を明確にする「トレーサビリティ制度」を導入。外食・中食産業などでの原料原産地の表示を義務化し、加工食品の原料原産地表示を大幅に拡大します。
  • 農薬や食品添加物を削減、有機農業を推進して有機農産物を拡大します。ネオニコチノイド系農薬の規制強化を進めます。安全性審査の義務化・厳格化など遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品への規制を強化し、受精卵クローン牛の表示を義務化します。生産者や消費者の立場に立った米穀検査・表示制度をつくります。「食品への放射線照射」は認めません。
  • 輸入農畜産物・食品への監視・規制を強化します。食品衛生監視員を増員します。
  • 事業者に適正な食品情報を開示させ、消費者の安全と商品選択権の確保・向上を図るため、加工食品の原料・原産地表示拡大や食品添加物一括表示の見直し、遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品の表示の義務化・厳格化、外食・中食でのアレルギー表示などを盛り込み、消費者の権利を明記した真に実効性のある新「食品表示法」を早急に制定します。
  • 食品安全委員会は、消費者代表の参加を促進、リスク管理機関からの独立性を高め、評価や勧告機能の強化、消費者の意見反映、予防原則にたった情報提供を進めるようにさせます。
  • 食品ロス削減推進法の制定を受けて、実効性ある削減の取り組みを進めます。食品事業者や農家、JAにも協力を求め、未利用食品や規格外野菜、余剰生産物などをフードバンク活動団体や子ども食堂などで有効活用できる仕組みづくりを推進します。

生物多様性の保全

循環型社会の実現へ全力

  • いのちの源泉である「水」の民営化に地域・自治体で反対の取り組みを強めます。水循環基本法の理念に基づき公共財である水を守り、安全な水行政を推進します。
  • 開発抑制や里山・里海の保全、外来種やゲノム編集、遺伝子組み換え食品・作物の規制強化など、生物多様性の維持・回復に全力をあげます。「種の保存法」の規制対象範囲を大幅拡大し希少種を指定する科学委員会を新設するなど、生物多様性に係る法制度を見直します。生物遺伝資源の利用から生じた利益還元ルールを定めた「名古屋議定書」の批准を受けて、2020年までの生態系保全目標「愛知ターゲット」や30年までの国連「SDGs(持続可能な開発目標)」とともに周知・普及に努め、その実現を目指します。
  • 地球温暖化防止や生物多様性保全の営農活動を支援する「環境保全型農業直接支払交付金」制度を拡充するとともに、18年度から交付要件の対象外となった低農薬等に取り組む「エコファーマー」への支給を再開するよう求めます。
  • 循環型社会の形成へ、廃棄物対策を進めます。民間まかせの産業廃棄物行政から自治体の関与を強めた廃棄物対策を進めるため、排出事業者の処理責任・費用負担の強化、産廃の排出先は公共的施設に限定する、産廃市場は公共が管理することなどを追求します。不法投棄の管理を徹底します。
  • 環境保全の低コスト化、負担の公平、環境負荷抑制の観点から「デポジット制度」(製品に預託金を上乗せして販売し、消費後の返却時に預託金を返却することで製品や容器回収を推進する制度)を普及させます。
  • 戦略的環境アセスメント(SEA)を早期に本格導入し、対象を政策・立案・構想などの上位計画段階にも広げ「ゼロオプション(中止)」という代替案も義務づけ、手続き面で透明性や市民参加・情報公開を徹底するなど、環境アセスメントを拡充します。生物多様性保全の観点も組み入れ、基地建設も含めて全てを対象とすることを明確化します。
  • 犬猫の殺処分ゼロを目指し、国の支援を強化します。生後56日以下の子犬や子猫の販売を禁じる「8週齢規制」を定めた「改正動物愛護管理法」を着実に実施するとともに、より実効性のある取り組みを進めます。

地球温暖化対策の強化

脱炭素社会へ政策総動員

  • 「緑の分権改革」を進め、豊かな自然環境や再生可能なクリーンエネルギー、安全で豊富な食料、歴史文化資産など各地の地域資源を最大限活用する仕組みを自治体と市民、NPO等の協働・連携により創り上げ、地域から人材、資金が流出する中央集権型の社会構造を分散自立・地産地消・低炭素型に転換し、地域の自給力と創富力(富を生み出す力)を高める社会を構築します。
  • 地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の「産業革命前からの世界の平均気温上昇を2度未満、可能であれば1.5度未満に」の目標履行に向けて、世界第5位の温室効果ガス排出国の日本が主導的役割を果たすよう政府に強く働きかけます。また温室効果ガスを「2030年度に13年比25%減」の消極的な削減目標をより踏み込んだ目標値に改めるよう求め、50年までの8割削減のみならずできる限り早い「排出ゼロ」を実現するための具体策や脱炭素化のための産業・エネルギー構造の転換などの長期戦略を定めた「地球温暖化対策基本法」を早急につくるなど、総合的な地球温暖化防止対策を推進します。産業界などに温室効果ガスの排出枠を配分する「キャップアンドトレード型」の国内排出量取引制度や、温室ガスに価格を設け排出企業が費用負担する炭素価格制度を導入します。環境税を有効活用し化石燃料の消費を抑制、新たな環境産業の育成を促すとともに、福祉・社会保障分野、森林整備などの財源にも充当します。
  • 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の縮小・廃止に反対し、消費者の負担軽減と送電事業者の買い取り義務の復活、送電網の拡充などで制度拡充を求めます。住宅での太陽光発電の固定価格買い取り期間が2019年度から終了し始める事態を前に、期間の延長と買い取り価格の上乗せを政府・電力会社に働きかけるとともに、家庭用蓄電池の導入へ公的支援を強化するよう求めます。
  • 都市のみどりを増進するため都市公園の造成やビオトープの創出、農地や緑地の保全と市民農園の拡大、屋上緑化や市街地の植樹、公立学校の芝生化、近郊の里山保全などを進めます。墓石を使用せず樹木や草花などに囲まれた場所に埋葬する樹木葬は、墓の管理の負担を減らせると同時に、自然保護にもつながります。樹木葬墓地による里山の再生を応援します。

公害問題の全面解決

  • 水俣病の認定基準を全面的に見直して、一日も早い最終かつ全面的な解決へ全力を尽くします。2014年3月に環境省が示した新たな認定運用指針は、手足の感覚障害だけでも認めると門戸を広げたかに見せつつ、実際には当時の頭髪や血液などの有機水銀濃度、漁業従事歴の確認など半世紀も前の証明を申請者に求め認定のハードルを大きく上げるものであり、いわゆる「昭和52年判断条件」も含めて撤回を強く求めます。国や熊本・新潟両県による不知火海沿岸・阿賀野川流域での健康調査や被害者の実態調査を実施し、水俣病の全容解明と全ての被害者への救済・補償を図ります。加害企業チッソによる子会社株売却は安易なチッソ清算につながりかねず、全被害者への救済と補償が明確にされない限り環境相がこれを承認しないよう強く要求するとともに、子会社株売却時に株主総会の決議を義務づける規定からチッソのみを免除した改正会社法の見直しを求めます。
  • アスベスト(石綿)被害について全容を解明するとともに、「建設アスベスト訴訟」を含む全国で係争中の訴訟についても早期全面解決をはかります。石綿健康被害救済法を抜本改正して近隣・家族被害や労基法適用労働者以外の建設作業従事者(一人親方)を含む全ての被害者に対する迅速で隙間のない救済を実現すると同時に、「石綿対策基本法」を制定し被害予防を含む総合的なアスベスト対策を推進します。
  • 国が1988年に公害健康被害補償法の新規患者認定を打ち切った後もぜんそく患者が増加している実態を直視し、全ての被害者が救済されるよう公健法を見直し国と企業の責任で新たな医療費制度を創設するよう政府に求めます。カネミ油症患者の認定基準拡大、「PM2.5」など越境大気汚染の監視・規制強化など、公害問題の全面解決と全被害者の補償・救済に取り組みます。
  • 各種環境基準を子どもの立場から見直し、健康や環境調査を実施します。住宅地や学校、公園での農薬使用・散布の規制を強化します。殺虫剤の規制法を制定します。
  • 携帯電話の基地局建設等に対する基準を整備します。電磁波暴露を減らすための法律を整備します。

土壌汚染防止

  • 土壌汚染対策は、汚染の未然防止の観点から、汚染者負担原則を確立(汚染調査と除去等の措置など)し、統一的な汚染実態調査の実施と義務化、対象となる土地・工場・物質(基準)の拡大、調査結果の情報公開など対策を強化します。
  • 海岸侵食による砂浜の減少を防ぎ、海の生態系を回復し、海水浴などレジャーを振興するため、全国の侵食状況を調査し、保全・回復策を早期に行うとともに、侵食に影響を及ぼすダムなど不要な公共事業をストップします。

中小企業

いわゆるアベノミクスにより、大企業の収益が向上する一方、円安に伴う原材料高、消費税増税に伴う消費の低迷など、中小企業にとって厳しい経営環境が続き、大企業と中小企業の格差が拡大しています。さらに、大企業に恩恵が集中する法人税実効税率の引き下げと引き換えに、外形標準課税の適用拡大や減税措置の縮小など、中小企業課税を強化しようという動きがあります。
政府もアベノミクスの失敗を覆い隠すかのように、経済対策(補正予算)で中小企業支援を強調していますが、本予算における中小企業支援策は例年、政府予算全体のわずか0.2%程度(毎年度1800億円程度)にとどまっています。
社民党は、大企業の収益向上を中小企業にも「波及」(トリクルダウン)させるというアベノミクスではなく、企業の99%を占め、雇用の7割を占める中小企業を「社会の主役」と位置付け、地元中小企業の底上げを通じた地域活性化を目指す、ボトムアップの経済政策へと抜本的に転換します。

  • 大型公共事業、補助金、工場・店舗の「誘致」に頼る地域振興策は、結局その利益を大都市圏に本社を置く企業に吸い取られ、地元でおカネが回る仕組みの形成を阻害します。一次産業である農林水産業が黒字であっても、地域外から電気・ガスなどのエネルギーや飲食料品などモノの購入により、地域の経済が赤字になることを意味します(漏れバケツ問題)。地元で循環する経済を構築し、地域を底上げするために、生産(一次産業)・加工(二次産業)・販売(三次産業)を地元で行う「六次産業化」(農商工連携)や「地産地消」を推進し、地元の中小企業と農林水産業の連携を支援します。
  • 企業の99%を占め、雇用の7割を占める中小・小規模企業(企業数380.9万者・従業者数3361万人)を「経済を牽引する力であり、社会の主役」と位置付け、「地域とくらしを支える中小企業」像を提起している「中小企業憲章」の国会決議を求めます。また、「憲章」と車の両輪であり、自治体が地元の中小企業を重視し、その振興を行政の施策とすることを明確化するため、「中小企業振興基本条例」や「地域産業振興条例」を各自治体議会で制定・改訂し、中小企業支援予算を拡充します。
  • 中小企業、中でも全国で325.2万者、1127万人の従業者数を占める小規模事業者(従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下)への支援を拡充します。また、法人税実効税率の引き下げにともなう「代替財源」として、中小企業への課税を強化しようという動きに反対します。同時に、中小企業の法人税率は恒久的に引き下げます。
  • 企業誘致に頼るのではなく、「地域で企業を育てる」という考えのもと、地元の中小企業と行政・市民・学生・地域金融機関などのコラボレーションによってビジネス環境を創出する「エコノミックガーデニング政策」を推進します。地域という土壌を生かして、地元の中小企業を大切に育てることを主眼に、地域経済を活性化します。
  • 若者や中高年のUターン・Iターン・Jターンのために、地元中小企業への就職・転職活動支援、住宅支援、子育て支援などを総合的に推進します。
  • 地域における仕事づくりを推進するために、自治体が中小企業の新商品を購入・宣伝する「トライアル発注制度」を拡充します。また、官公需法にもとづく中小企業向け発注枠の拡大と目標額の増額、数社で共同受注を目指す協同組合への支援を拡充し、中小企業の受注機会を拡充します。
  • 公正な下請取引を実現するため、原材料費などの価格転嫁が困難な中小企業への、大企業による一方的な下請け単価の決定や不当廉売・優先的地位の濫用などに対して、匿名による告発システムの導入や自治体による巡回調査など監督機能を強化します。
  • 地元中小企業のニーズ把握のために、自治体による悉皆調査を実施します。また、「ものつくり支援」と同時に、商談会・物産展やアンテナショップの開設、商品カタログの作成、ECショップやクリックアンドモルタル(ネット販売と実際の店舗販売)のためのIT支援策など、販路開拓の支援策を拡充します。
  • 中小企業経営者の円滑な事業承継を支援します。また、新卒者や転職者への企業説明会の開催、地元の中小企業を紹介するフリーペーパーの作成・配布など、中小企業の採用活動を支援します。
  • 地場産業・伝統産業のブランド化や販路開拓のために、他業種との連携、若手デザイナーとのマッチング、展示会・イベントの開催、ネットの活用や海外展開を支援します。また、後継者育成のために職人見習い期間中の人への生活支援策を講じます。
  • 商店街振興策として、「商店街」全体への支援と同時に、小売業・宿泊業・飲食サービス業・生活関連サービス業などを営む「個別店舗」に対しても改装・備品の購入費を助成するなど、きめ細かい支援策を講じます。また、大規模小売店舗の立地については規制を強化します。
  • 中小企業支援事業を申請した企業が「不採択」になった場合、当該企業に対する不採択理由の開示を徹底します。
  • 民間金融機関に対し、中小企業・NPO・ベンチャー企業・中低所得者層・女性などへの公正な融資を義務づけるとともに、金融機関の活動を評価(アセスメント)・公開するために日本版「地域再投資法」(金融アセスメント法)の制定を求めます。
  • 株式会社・営利法人であり大企業を主な取引先とする「銀行」に対し、協同組織・非営利法人であり地域密着・中小企業向け金融機関である「信用金庫」・「信用組合」(協同組織金融機関)の活動を支援します。また、自治体と信用金庫などの協力による、ワンストップの中小企業支援センター設置を推進します。
  • 政府系金融機関(日本政策金融公庫、商工組合中央金庫)による不正融資に対し、監督を強化するとともに、資金繰り支援・創業支援を拡充し、中小企業にとって「困ったときの駆け込み寺」「最後の拠りどころ」となるよう機能を転換します。
  • 「連帯保障」・「個人保証」の要らない制度融資を拡充します。
  • 中小企業による「クラウドファンディング」(ITを活用した資金調達)の活用を支援し、事業の理念(被災地支援・途上国支援・地域振興など)に共感する個人からの資金調達によって「社会的起業」を推し進めます。
  • 利益が地域外に流出するのを防ぎ、地域循環経済を構築するため、地域通貨の取り組みを支援します。
  • コンビニなどフランチャイズ加盟店の本社に対する不利をなくすためフランチャイズ取引適正化法(仮称)の制定を求めます。

(中小企業憲章)社民党は国会で決議することを求めています。

2010年6月18日閣議決定(抜粋)
・中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。
・中小企業がその力と才能を発揮することが、疲弊する地方経済を活気づけ、同時にアジアなどの新興国の成長をも取り込み日本の新しい未来を切り拓く上で不可欠である。
・政府が中核となり、国の総力を挙げて、中小企業の持つ個性や可能性を存分に伸ばし、自立する中小企業を励まし、困っている中小企業を支え、そして、どんな問題も中小企業の立場で考えていく。

消費者行政

真に実効性ある消費者政策を

  • 消費者被害に伴う経済的損失額は約3兆円とも推計されており、悪質商法の根絶や地方消費者行政の充実は、消費者のみならず善良な事業者や労働者をも含めた国民的利益であり、国と地方が協力し責任をもって取り組む課題です。一定の水準のサービスが行える地方消費者行政が定着するまでの間は「地方消費者行政活性化交付金」「地方消費者行政強化交付金」を継続・増額するなど、国の財政支援を継続的に行うよう求めます。
  • 2022年4月に成人年齢が18歳に引き下げられるのを前に、18歳・19歳が「未成年者取消権」の適用外となり悪徳商法の標的になるなど消費者被害拡大が懸念されます。取消権を18・19歳にも再適用するよう強く求めるとともに、新成人の契約取り消し範囲が「不安をあおる商法」や「恋愛感情を利用したデート商法」など極めて限定された改正消費者契約法を早急に再改正し、不十分な判断力につけ込む「つけ込み型勧誘」の救済を追加するなど、年齢に関わらない包括的な消費者被害の救済ルールを整備します。
  • 契約に関する実践的な内容を教えるなど、体系的な消費者教育を強化します。
  • 消費者の安心・安全の確保のため、消費生活センターを全ての自治体に設置し相談体制の充実・強化や消費生活相談員の処遇改善を図るなど、消費者行政の組織体制の拡充と機能強化を進めます。
  • 「消費者安全調査委員会」について、消費者の立場にたった迅速かつ実効性のある事故原因調査と再発防止策の提言ができるよう、予算拡充や調査に当たる専門委員の増員など体制整備を進めるとともに、他の行政機関が行う調査を追認するだけの機関とならないよう独立性確保へ監視を強めます。
  • 悪徳商法などの被害回復のため特定の消費者団体が被害者に代わって集団訴訟を起こす「集団的消費者被害回復制度」について、対象範囲を拡大し、悪質な事例は過去のトラブルにもさかのぼって適用できるようにするなど真に実効性のある制度に改善します。団体訴訟を担う適格消費者団体の設立を支援し空白地域を早急に解消するとともに、消費者相談を行っている消費者団体に対する国の財政支援や税制上の優遇措置を講じます。

まちづくりと交通

SDGsを活かしたまちづくり

  • SDGsの「住み続けられるまちづくりを」の目標の下、住民・自治体・関係者が連携した魅力あるまちづくりを進めていきます。
  • まちづくりを支えるための融資、支援制度の充実、シビックトラストや市民ファンド(市民財団、市民バンクなど)の助成を進めます。
  • 太陽光発電などの自然エネルギーの住宅への導入、外断熱工法による建設などの省エネ住宅や、耐震住宅への新・改築に対する補助事業を拡充します。
  • 建築確認に従事する人材確保・育成、予算措置を強化します。
  • 空き教室を保育施設や老人施設に転用したり、空いている公共住宅を若者や失業者用の福祉住宅に活用したりするなど、社会資本、公共施設の有効活用を推進します。
  • 山間地域の自然環境や国土保全、水源涵養など多面的な機能を評価するとともに、農林水産業や地場産業の振興、生活交通の確保、医療の確保、雇用の確保、教育環境や道路・上下水道・情報通信基盤の整備、生活環境の改善など、地域に応じたきめこまやかな定住対策を進めます。

「居住の権利」に基づく安心の住宅

  • 「居住の権利」(Housing Rights)に基づき、住宅を社会保障として位置づけ、福祉と環境の視点から住宅政策を見直します。
  • 高齢者(施設入居者等を含む)、障がい者、低所得者、失業者、若者など誰もが安心して暮らせるよう、現物給付(低廉な家賃の公営住宅の供給拡大や空き家等の既存の住宅ストックを活用した借り上げ住宅等)または現金給付(家賃補助、家賃の税制上の控除制度)による「住宅支援制度」を創設し、「住まいの貧困」に対するセーフティネットを強化します。
  • 低所得世帯に対する家賃補助などの支援を強化するとともに、家賃の税制上の控除制度を検討します。居住者の居住の安定と社会不安の進展、空き家対策等の観点から、旧公団住宅(UR住宅)や公営住宅高齢者が安心して住みつづけられる家賃や若者も住める家賃へと見直します。民間賃貸住宅の入居差別を禁止します。
  • 住居を確保し、安心して暮らせるよう、自治体の住生活におけるコーディネート機能を強化します。具体的には、現物給付(低廉な家賃の公営住宅の供給拡大や空き家等の既存の住宅ストックを活用した借り上げ住宅等)または現金給付(家賃補助等)による「住宅支援制度」を創設し、「住まいの貧困」に対するセーフティネットを強化します。
  • 公的住宅政策を抜本的に強化し、優良な公共賃貸住宅を着実に増やすとともに、入居資格を緩和して、低所得の若者や高中年の単身者、同性カップルなど幅広い人たちの入居を可能にします。
  • 高齢者をはじめとするすべての人々が安心して入居できるよう、各地における「居住支援協議会」の設置を進めるとともに、「公的な保証人制度」や「公的家賃債権保証制度」の創設を検討します。
  • 旧公団住宅(UR住宅)や公営住宅の敷地や施設を団地居住者にとってのみならず、有効活用し、医療施設、介護施設、子育て支援施設等の整備促進をはかるとともに、オープンスペースや緑地、子どもの遊び場、地域の防災拠点など地域社会の貴重な環境資源としても活用します。
  • 旧公団住宅(UR住宅)の民営化や売却・削減、定期借家権の導入に反対し、「安心して住みつづけられる公団住宅」、「みんなの心通い合う地域コミュニティづくり」をめざします。
  • 住まいの貧困の実態調査を実施します。改正住宅セーフティネット法の附帯決議に盛り込まれた課題の実現を求めていきます。
  • 子どもを育てる世代、バリアフリーの住宅を望む高齢者世代など、人生の節目にあわせた住み替えを柔軟に行えるようにしていきます。
  • 自治体の「空き家バンク」や空き家データベースを整備するとともに、古い空き家や集合住宅に手を入れて、家賃負担が軽い住宅を再供給し、既存の住宅ストックの有効活用と住宅困難者対策の一石二鳥を実現します。
  • 空き家や空き店舗を空き家活用型のコミュニティ・カフェや住民による地域福祉事業所、子ども食堂、高齢者や子育てのための施設、中高生の放課後自習室、地域の交流施設や地域活動団体の活動場所などとして活かしていくように促します。
  • 高齢者の施設を「住まい」と位置づけ、ユニットケアを基本とし、個人の尊厳を重視した良質な居住環境を確保するとともに、プライバシーの確保が図られるよう整備します。
  • 居住性が悪く、安全性に大きな問題を抱えている、いわゆる「脱法ハウス」をはじめ、不安定な居所に住まざるをえない人についての緊急調査と実態把握を行います。現入居者の住宅確保、居住保障など適切な対応も行います。法的にも極めて不安定な位置にある「ゲストハウス、シェアハウス」について、法令上の整備を急ぎます。
  • 民泊には、安全確保や周辺環境の維持、トラブルの防止、既存の宿泊施設との競合など解決すべき課題が残されています。特に家主が不在のまま旅行者に貸し出される家主不在型民泊の拡大は、不法滞在など犯罪の温床になることが懸念されるなど、治安の観点から問題があるとともに、近隣住人にも不安を与えることになり、資産価値の低下や地域コミュニティの破壊にもつながりかねません。近隣住人の理解・合意が得られない中で民泊を拙速に導入することには反対です。実情をしっかり把握するとともに、安全や衛生管理、防火、騒音等の対策、取締りをはじめ、必要な規制の強化を行っていきます。
  • 住宅産業は、環境にやさしく地域の雇用や経済など裾野が広い効果を持っています。住宅の改善を容易にするとともに、地域の仕事おこしや地場の中小零細事業者の振興にもつながることから、住民が住宅のリフォームを行った場合にその経費の一部を自治体が助成する「住宅リフォーム助成制度」を充実させます。
  • 地域建設産業の担い手確保、育成のための支援策を強化します。
  • 建築の質を高め、社会をゆたかにするため、建築物を社会資産とみなし、建築主・所有者の財産権と周辺の環境権との調整の原則を示すような「建築基本法」の制定を目指します。
  • 日本の伝統的な民家建築は、自然と共生し、住む人も健康に暮らせる、とても優れたエコロジー建築であり、伝統構法技術を振興します。

公共事業

  • 公共事業に関する権限・財源の自治体への分権を進め、計画段階はもちろん一度着手された事業でも中止・変更を可能とする見直しのルール化に取り組み、不要な公共事業を徹底的に見直します。
  • 耐用年数を超えた道路やトンネル、橋梁など社会インフラの補修や更新対策を進めます。新技術の導入などにより、材料面でのコスト削減をはかります。講習を受けた市民が地域の道路や橋などの安全点検を行う「インフラサポーター」制度を推進し、社会基盤の長寿命化をめざします。
  • 電線の地中化、都市部の緑化、森林における路網整備など、自治体によるきめこまやかなインフラ整備を支援するための交付金を充実して「身近な公共事業」を推進し、地域経済の自立的基盤確保に役立てるとともに、地元の中小企業に直接仕事が回るようにします。
  • 道路整備は必要性、緊急性、優先度、費用対効果を精査し、真に必要な整備に重点化していきます。
  • 地域によっては、大きくなった草や木や竹によって、交通安全に支障が出ている所も増えています。ひどい箇所を優先的に、草刈り作業や道路清掃を進めるなど、日々の暮らしを支える生活道路の維持・保全を強化します。また、雪国にとって、防雪・除雪は生活そのものに係る大問題です。直轄国道等の除雪費について、安心で安全な生活道路の保全を図られるよう、必要な予算額を確保します。
  • 緊急進入路(高速道路をはじめとする自動車専用道路において、非常時に管理車両や緊急自動車等が沿線の一般道路からアクセスが可能な様に設けられた道路)を活用することで、アクセスを確保し、災害や事故発生時、異常気象時の交通の確保や、医療施設への患者の搬送時間の短縮等を実現します。
  • 河川法に基づく河川整備計画の策定中は事業を進めず、流域住民の合意と自治体の意見尊重に努めます。
  • ダム中心の治水政策を転換します。河川の流域管理や河川改修、森林保全の治水対策への支援策を強化します。問題の多い大規模公共事業については、建設を中止します。直轄ダムだけでなく補助ダムも見直しをすすめます。鬼怒川水害や西日本豪雨を教訓に、ソイルセメント(土とセメントが混じったもの)工法や矢板、コンクリートで周りを囲むアーマーレビー工法など安価で迅速な堤防強化策をすすめます。

「移動の権利」をめざす交通政策

  • 「いのちとくらしを運ぶ」地域公共交通は、地域を元気にし、人とまちを幸せにする「みんなのもの」です。移動の権利の確保を目指していきます。
  • 地域公共交通は、輸送面だけでなく、まちづくり、CO2の低減効果、環境、福祉、にぎわいづくり、介護の抑制その他の社会的便益等多面的な機能があります。輸送面だけの採算性とは別に、本来別のところで使わなければならなかったはずの費用が抑制されるということになり、地域公共交通自体が社会的な便益、ベネフィットを生んでいることになります。こうした地域公共交通で実施された政策が、他部門に利益をもたらすというクロスセクター効果を活かし、地域公共交通に対する公的負担を地域社会を支えるための不可欠の支出として充実します。
  • 改正地域公共交通活性化・再生法や改正都市再生特別措置法、改正中心市街地活性化法を踏まえ、地域交通政策と自治体が展開するまちづくり、福祉、医療・健康、教育、観光、地域経済活性化など、他の施策との連携・協働を推進します。
  • 自治体の総合計画やまちづくり政策(都市計画、立地適正化計画等)の策定に当たって、地域公共交通の維持・確保を重視した視点を反映させるようにします。
  • 自治体と事業者、住民・利用者など地域の関係者と連携・協働して、路線バスのほか、コミュニティバスや鉄道も含めた地域の公共交通のあり方を議論し、地域のあるべき公共交通の姿を描くため、関係者の協議の場を設けます。そして、まちづくりや福祉施策、観光、地域活性化、環境施策等と連携した地域交通計画を策定します。総合的な計画に基づく交通規制の実施、公共交通の走行・利用環境の整備、公共交通の利用促進をはかります。
  • 自治体の交通政策を支援するため、基準財政需要額の個別算定経費として地域公共交通政策を位置づけるようにします。
  • 歩行者専用のショッピングモールに公共交通を運行させたトランジットモールなど、公共交通をまちづくりにいかし、街ににぎわいと魅力をもたらします。
  • 中心市街地を歩行者空間化・バリアフリー化する一方、これまで自動車で買い物に来ていた高齢者や障がい者が中心市街地から排除されないよう、電動スクーターや車いす等を貸し出す「ショップモビリティ」を実施し、高齢者らが買い物を楽しめるまちをめざします。
  • シニアカー(高齢者向けの三輪または四輪の一人乗りハンドル形電動車いす)がお年寄りの足として普及していますが、交通事故に巻き込まれるだけではなく、歩行者にぶつけて怪我をさせてしまうなどのトラブルも多くなっています。事故防止のため、購入者に対する安全利用のための講習・街頭指導の充実、自動車運転者等への啓発などの安全対策を進めます。
  • 「買い物難民」問題の解決に向け、スーパーやコンビニなどの流通業者、地元商店街、自治体、バス事業者や鉄道事業者、郵便局や宅配業者、農協や生協、商工会や町内会、NPOなど、多様な主体の連携を進めます。高齢者でも活用しやすい宅配サービスや、山間部や福祉施設への移動販売、買い物代行サービス、地域の高齢者を集める送迎サービスなどを広げます。
  • 店舗の出店や撤退により地域住民の生活に大きな影響を及ぼす企業がその社会的な責任を認識することを促し、流通業者には、自治体や商店街などとの連携や、店舗撤退時の後継業者確保などに努力します。
  • 移動の確保は、生活を支える大事な公共サービスであり、社会生活の基盤です。地域公共交通確保維持改善事業を改善・充実し、地方の生活バス路線や地方ローカル鉄道に対する財政支援、フェリーや離島航路、離島への航空路線への支援策を強化します。路面電車を再評価し、LRTを支援します。
  • 安倍政権は、成長戦略の一環として、シェアリングエコノミーを進めています。「白タク」合法化を断固阻止するとともに、タクシー事業の適正化を推進していきます。
  • 地方を中心とした少子高齢化、人口減少などよる過疎化に伴う交通空白地域の解消、生活路線の確保・維持など、交通政策要求実現に向けた取り組みの後ろ盾として、交通政策基本法を活用します。
  • 2000年の鉄道事業法改正で、路線の廃止が国の許可制から事業者による届出制となり、地方からの鉄道の撤退を加速する原因の一つとなっています。安易なローカル線の廃止によって地方住民の足が奪われれば、地域経済は打撃を受け、雇用不安も増大し、地方の過疎化に拍車をかけることになります。環境にやさしく高齢者も利用しやすい鉄道が全国的に再評価されつつあります。鉄道の維持は、地方単独の問題ではなく、国土全体の問題として捉えるべきであり、地方にだけ鉄道事業の維持の責任を求める国の鉄道政策を抜本的に見直し、沿線住民、関係自治体との十分な協議・合意を得るよう、鉄道事業法を改正します。また、国に対し、交通政策基本法の基本理念の実現のための責任を明確にし、赤字路線の維持・存続の方針と対策を示すよう強く働きかけます。安全性・利便性向上に必要な設備改良が経営上困難な設備投資を支援するため、不採算路線における鉄道路線維持・確保対策を強化するようにします。
  • 鉄道貨物輸送を増やすことで、地域の足である在来線の維持・強化につなげます。
  • 黒字事業者であっても、被災した赤字路線の早期復旧に向けた支援が可能になる鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案が成立しました。通学や通勤など地域住民の日常生活を支え、観光振興や地域経済にも寄与するなど社会的な公益性を持つ鉄道を支援するため、今後とも必要な予算の確保やさらなる制度の改善・拡充を求めていきます。
  • 「国民等の立場に立って、その意見を踏まえつつ交通に関する施策を講ずる」(交通政策基本法)ため、駅の無人化、ダイヤ改正等に自治体や利用者、住民の声を反映させます。
  • 国鉄「分割・民営化」のしわ寄せが安全と路線確保、鉄道サービスに現れてきています。国鉄「分割・民営化」30年を検証し、「分割・民営化」スキーム自体の見直しを求めます。ローカル線通勤、通学など地域の日常の重要な「足」であり、あわせて貨物物流の動脈を担っている並行在来線を維持するため、引き続き国への働きかけを強めていきます。
  • 中央新幹線計画には、①建設費が当初計画を大幅に超過する可能性、②少子高齢化の影響による人口の減少が見込まれている中予測される程の需要はあるのか、③トンネル開口部の崩落による景観破壊、④大量の排出土砂(残土)の処理、⑤地下水脈の寸断などによる環境破壊、⑥フォッサマグナや中央構造線といった大断層と大地震が発生した場合の地殻変動や土砂崩れによる危険性、⑦電力の大量消費、⑧長期間にわたって乗員・乗客や沿線住民がリニアの電磁波を浴び続けた場合の健康への影響などの様々な懸念が指摘されており、これらの不安や懸念が払拭されるよう求めていきます。
  • 厳しい経営環境や労働時間の長時間化、高齢化等によって、公共交通機関の要員不足が深刻になり、運行回数の削減等の交通サービスの低下が危惧されています。また、交通運輸労働者の平均給与の引き上げなど、仕事の魅力の向上も課題となっています。安全で快適なサービス提供のため、交通従事者の労働条件や処遇の改善、育成・確保対策を強化します。
  • 「働き方改革」において、これまで時間外上限規制の適用除外となってきた交通運輸労働者にも、法改正後5年から時間外規制が適用され上限960時間になる予定です。極めて不十分であり、要員不足の解消のためにも、一日も早い本則適用など、長時間労働の是正を進めます。
  • 「人にやさしい」視点で歩行者安全策を追求し、楽しく歩ける歩道整備を進めます。電線の地中化、障害物除去などを歩道拡幅の計画などと総合化し、生活道路の整備計画を策定します。歩行者の横断が一定見込まれたり、特に学校や保育園・幼稚園、病院、高齢者施設等の付近の交差点には、歩車分離信号や音響型信号機、横断歩道のエスコート・ゾーン、ガードパイプや鉄製ポールの設置を進めます。歩車道の完全分離を推進するとともに通行区分の明確化を徹底し、またスクールゾーンの増設やコミュニティ道路の充実をはかっていきます。
  • 踏切の歩道設置や、踏切への点字ブロック設置をすすめるなど、人にやさしい踏切にします。
  • すべての人が利用しやすい交通をつくるため、鉄道駅やバス、旅客船、空港のターミナルのユニバーサルデザイン化を進めます。バリアフリー車両開発の財政支援、可動式ホーム柵やホームドアの設置、エスカレーターへの点字誘導ブロックの敷設を推進します。音声や接触・発光ダイオード方式による情報提供装置の普及、見やすくわかりやすい案内表示の整備、ホームや改札等における人的サポートを強化します。ノンステップバスや介護タクシー、移動制約者への交通サービスを促進します。シルバーパスの充実、障がい者割引に対する公費負担制度の創設等を進めます。利用者や当事者の声を交通政策に反映できるようにします。高齢者や障がい者をはじめ手助けが必要な人が気兼ねなく旅行を楽しめる、「ユニバーサルツーリズム」を推進します。
  • 移動制約者のための交通条件をはじめ、当事者の声に基づき、縦割り行政の弊害を排したバリアフリーの街づくりに向けた法整備や自治体の取り組みを支援します。
  • 改正バリアフリー法には、ハード対策に加え、駅員による介助や職員研修なども盛り込まれています。現場の負担増にならないよう必要な人員の確保や財政的な支援を求めていきます。
  • 補助犬の育成について育成目標と育成計画を策定します。また、公共、民間を問わず、一般市民が利用できる全施設への補助犬の同伴が可能になるように、啓発・広報を推進します。
  • パリの公共の貸し出し自転車「ベリブ」などの試みも踏まえて、公共の自転車貸し出しを支援します。自転車道の整備、自転車通行帯の設置を推進します。
  • マイカーに依存せず環境負荷が小さく快適に暮らすことができるまちづくりを推進し、高齢者も含め、多くの人が住みやすい都市にします。
  • 自動車の都心部乗り入れや中心市街地の自動車の総量規制、パーク&ライド、公共交通の利用拡大などで環境にやさしい交通システムをつくります。
  • 地球環境に優しい輸送モードの実現のためには、陸上トラックに比べ二酸化炭素排出量が少ない、貨物鉄道輸送や内航海運・カーフェリーへのモーダルシフトを推進します。
  • 輸出入貨物を詰め替えずに船舶や自動車を利用して一貫輸送されるコンテナによる、自動車運送の安全を確保し、事故や被害の防止を図るため、「海上コンテナ安全運送法(国際海陸一貫運送コンテナの自動車運送の安全確保に関する法律)」を制定します。
  • 産業副産物など環境負荷の低い方法で作られた水素ステーションを増やすなど、ガソリンに代わる車両燃料源の普及の可能性を追求します。

海洋国家

  • 非常時の海上運送や日本人船員の確保の重要性がますます明らかになっており、国際貿易に従事する船員に対する政策減税の導入、外国基地に1年以上出漁する漁船員に対する住民税の還付制度の復活、海上におけるデジタルディバイド(情報格差)の解消などの諸課題に取り組みます。
  • 日本海に面する北東アジアの諸国の都市間の政治・経済・技術・文化交流や、住民同士の相互交流を促進することを通じて、「環境共生」型の環日本海構想を推進し、日本海が「平和と繁栄の海」になるように努力します。
  • 離島は国土の保全等において重要な役割を有しており、地理的及び自然的特性をいかした振興をはかります。離島に暮らす人々の生活と雇用を守り、また島民が定住できる環境を整えていきます。ガソリン等燃油価格の本土との価格差解消のため、ガソリンや重油、軽油、灯油、プロパンガスについて、税の減免やコスト支援をはかります。離島生活控除等の所得控除の創設、消費税の減免を求めていきます。産業誘致や定住促進のため、離島振興一括交付金、離島振興債、離島振興基金、離島の実情に応じた交付税措置など離島振興のための新たな財源措置を検討します。
  • 離島などの海の安全を守り、漁業権や海洋権益を維持するため、海上保安庁の体制強化で対応します。海上保安庁の老朽・旧式化した巡視船艇・航空機の緊急代替整備を推進します。これら官公需船の整備による造船産業支援、地域活性化につなげます。
  • 領海及び排他的経済水域における海洋調査を進めるとともに、海洋情報の一元化を図ります。
  • 洋上風力発電の普及拡大に向け、浮体式洋上風力発電施設の安全性に関する研究開発を進めるとともに、洋上大型風車作業船の早期実用化を実現します。

分権・自治

地方自治の本旨の具体化

  • 憲法の保障する地方自治の本旨は、中央と地方で権力を分散し、地方は中央から独立し、干渉を受けずに政治を行い、その一方で、自治体は中央政府に対して抑止力を働かせる、との考え方に基づくものであり、住民や自治体の側からの分権・自治の運動の積み重ねによって、その内容を豊富化していくべきものです。多様で豊かな自治の擁護と強化を求めている「地方自治の本旨」を具体化するよう活かしていきます。
  • 地方自治法を全面的に検証した上で、抜本的に改正し、市民自治を基本にすえた「地方自治基本法」を制定します。
  • 「人民の意思は、市民にもっとも身近なレベルの公共団体である地方公共団体において最も効果的に実現される」として、決定をできるかぎり小さい単位で行い、できないことのみをより大きな単位の団体で補完していくという補完性の原理に基づき、分権・自治を推進します。
  • 住民の自己決定権を保障し、大事な問題は住民が決めることができるよう、自治体の重要事項について直接住民の意思を確認するための住民投票を広げます。その他、直接請求制度の改善(人口段階別に要件を定めて実施しやすいようにする)や、審議会・委員会等の人選への公募など市民参加を進めます。
  • 自治体の重要な長期計画(総合基本計画、環境計画、住宅プラン、福祉計画など)や条例づくりなどの政策決定過程において、無作為抽出方式による市民参加をすすめるとともに、実情をより的確に反映するものとなるよう、NPO、労働組合などの地域の関係者の参画を求めます。コンサル企業への丸投げを許しません。
  • さまざまな行政サービスの実施において、市民(住民)、利用者、市民活動組織が運営や政策決定に参加・関与できるしくみや、市民提案制度、職員提案制度を導入します。
  • 住民参加の大前提として、徹底した情報公開を進めることが必要であり、「知る権利」という観点から情報公開法や情報公開条例を見直します。自治体にかかわる情報(議会・警察・外郭団体も対象に拡大、広報だけではなく政策情報も含む)の全面公開に努力します。予算書・決算書を住民に分かりやすくするとともに、自治体の条例・規則集(要綱・内規も含む)を使いやすくします。
  • 公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」(公文書管理法)であり、公文書が隠蔽・改ざん・廃棄されれば、政治・社会状況の判断を誤り、歴史認識がゆがめられる危険があります。公文書管理法及び公文書管理条例を抜本的に強化します。
  • 地方自治や地方税財政に大きな影響を及ぼす国の政策の企画及び立案並びに実施について、地方への迅速な情報提供を行うとともに、国と地方が協議を行う「国と地方の協議の場」が実質的な決定の場となるよう、地方からの開催申し出に対する応諾義務や協議結果の遵守義務を設けたり、分科会方式を活用したりするなど、制度面での充実を図ります。
  • 立法面での分権を推進するため、国会の中に地方の声を反映させるシステムを構築するよう求めていきます。
  • 自治体への権限移譲を進めるとともに、自治体の事務に対する国の義務付け、枠付けを縮小・廃止します。その際、必要な財源と人員を保障するようにします。保育や介護、児童擁護、障がい者福祉、男女共同参画、義務教育など、生存権や安全の確保、人間の尊厳や子どもの成長に深くかかわる公共サービスについては、国際的な人権基準に則って国が最低基準を設けるとともに、当事者や社会的弱者の声が反映されるようにします。
  • 国の省庁の地方移転や地方出先機関の見直しについては、国と自治体の役割分担と事務・権限、財源などのあり方を十分に検討したうえで実施します。人員移管等のしくみの検討に当たっては、政府の責任において国家公務員の雇用と生活を確保することを前提とするとともに、事務の地方移管の実施に必要な財源は人件費相当額も含め地方に移管します。
  • 様々な施策や住民参加の取組み、知恵を使い、人口減少の抑制や人口増、持続可能な自治体づくりで成果をあげている小規模自治体の活動を応援します。規模のメリット、サービス提供の効率性ばかり強調し、小規模自治体の自治の機能、役割、権限を縮減し、再編を迫っていくことには反対します。
  • 国による強権的な国策の押しつけ・介入など、分権・自治を破壊する動きに反対します。自民党の「日本国憲法改正草案」は、地方自治の本旨を否定し、自治体の権限を限定、縮小するばかりか、地方分権の流れにも逆行し、自治体の独立性、自主性、創造性をも否定するものであり、戦前の中央集権体制への回帰、自治体の「国の出先機関化」に断固反対します。
  • 自民党政務調査会の「財政再建に関する特命委員会」報告は、「既存の取組で市町村合併が進まなかった地域に関して更なる合併を推進する枠組みについても検討する」とし、「骨太方針2018」も「現行の合併特例法が2019年度末に期限を迎えることへの対応を検討する」としており、今後改めてポスト「平成の大合併」が推進されかねません。国主導の新たな合併推進に反対します。
  • 総務省の「自治体戦略2040構想」など、安倍政権は、急激な人口減少で行政サービスを維持できなくなる市町村が出てくることを理由に、複数の市町村でつくる圏域を法律で新たな行政主体とし、圏域単位の行政を標準にすることを提案し、地方制度調査会で法改正の検討に入っています。自治体間連携や補完・支援は、相互の自治保障、対等平等、基礎的自治体の維持・強化が基本です。国による押しつけであってはなりません。住民との接点や地域の独自性が薄れるおそれがあります。自治体の事務・事業の性格、内容を踏まえた検証が必要であり、安易な公務公共サービスの切り捨てを許しません。大事なことは、画一的・集権的な対応ではなく、現場と住民の声を活かした、多様で柔軟な分権的な対応です。地方制度調査会の議論を注視するとともに、自治体の判断を尊重し、地域のことは地域で決めるという自治の原則に反する構想には、反対し、国からの集権的な行政体制の強化の流れに対抗していきます。
  • 安倍政権が狙う道州制によって、都道府県だけでなく、市町村もさらなる合併に追い立てられ、「平成の大合併」の比ではない弊害と歪みをもたらすことにも十分留意しなければなりません。道州制には、住民不在であること、域内格差の拡大につながりかねないこと、身近な行政が後退すること、憲法の規定する直接請求や、地方特別法に対する住民投票の意義が損なわれることなどの疑問があり、まず現行の二層制の下での分権を推進します。合併や道州制ではなく、都道府県を広域的な「自治体」としてもっと住民との関係を充実させるとともに、広域の行政課題に対しては、広域連合を活用します。
  • 安倍政権による「分権改革」は、保育や農業などに見られるように、住民のためというよりも、企業のための規制緩和を進める側面が強くなり、「地方創生」も「稼ぐ自治体」をめざし、自治体同士を競争させていく色合いが濃いものとなっています。そうではなく、地域主導の分権改革を推し進め、住民ニーズにかなった、「現場からの積み上げ型」の改革案の策定など、地域に根ざした分権・自治の取り組みを推進します。
  • 加計学園問題で明らかとなった安倍政権による「お友達」を優遇し、行政を歪め、「岩盤規制にドリルで穴をあける」と称し、まやかしの「地方創生」である国家戦略特区を廃止します。また、国家戦略特区の限界の突破を目指し、迅速・柔軟に域内独自で規制の特例を設定できる制度を新たに整備する「スーパーシティ」法案に反対し、まちごと財界に売り渡す「スーパーシティ」の制度化を食い止めます。
  • かつてのバブル期のリゾート開発を想起させ、ギャンブル依存症の増加や地元経済を破壊しかねないカジノ(統合型リゾート施設)の誘致に反対します。パチンコへの規制(出店規制・広告規制)を強化するとともに、ギャンブル依存症対策を実施します。
  • 総務省の「町村議会のあり方に関する研究会」は、小規模市町村議会について、地方自治法が定める議員の兼業・兼職制限を緩和する「多数参画型議会」と、少数の常勤議員からなり重要な議案には住民も参加する「集中専門型議会」の新たな2つの制度から選べるようにする報告書をまとめ、地方制度調査会で詳細を詰める議論がされています。しかし、国からの集権的な行政体制の強化につながりかねず、自治体議会の役割を軽視するとともに、議会の自主性・自律性を拡大する方向とは逆行するものとの懸念があります。民主的な自治体議会をめざします。
  • 少数派議員の権利抑制や議員定数削減、議会費の削減、議員の調査機能の抑制、質問時間の制限、議員報酬の削減等が行われ、議会制民主主義が形骸化し、多様な地域の声が自治体議会に届きにくくなっています。また、富裕層と普通の住民の被選挙権の行使に格差が生じています。自治体議会における議会制民主主義の確立を進めます。多様な階層を反映する議会となるよう、在職立候補制度や供託金引き下げを検討し、立候補しやすい制度に改めます。
  • 政策上の様々な見解をぶつけあう論戦の場、当局をチェックする厳しい議論の場としての自治体議会の役割を取り戻し、政策形成機能や監視機能をはじめとする議会の機能を高めていきます。「議会基本条例」を制定します。
  • 議会に対する住民参加の機会の充実を図ります。自治体議会の情報公開を進めるとともに、会議録の作成・公開、ケーブルテレビの活用、本会議や委員会のインターネット配信、議会ホームページや議会だよりの充実を図ります。
  • 公聴会や参考人聴取、地方自治法第100条の2の学識経験を有する者等による調査を積極的に実施し、専門的知見を議会活動に活用します。議会活動を支える議会事務局の充実強化をすすめ、専門性・独立性の向上をはかります。
  • 政務活動費の透明性・客観性を向上させ、市民に対する説明責任を図るようにし、信頼を取り戻します。政務活動費の領収書原本を提出させ、その支出が基準に照らして適正かどうかを外部審査委員がチェックする仕組みを広げます。
  • 自治体の不正・腐敗を防止し、公正で開かれた地方政治の運営を図るため、政治倫理条例の制定を進めます。
  • 公務員は、全体の奉仕者であり、常に公正な職務の執行に当たり、公共の利益のために全力を挙げて職務に専念する義務を負い、国民・地域住民の福祉の増進を図る使命を有しています。贈与や供応接待等だけでなく、国会や自治体議会における「虚偽答弁」についても、「公務員倫理違反」として禁止するとともに、公務員倫理審査会や人事委員会等で厳しく審査し、公務員法上の懲戒処分を行えるように公務員倫理法や公務員倫理条例を見直します。

自治体税財政の充実強化

  • 自治体税財政の充実強化は、住民の暮らしを守り、地域の経済を元気にするための取り組みです。現在6対4となっている国税と地方税の割合を当面5対5にすることをめざします。将来的には、国と地方の新たな役割分担に応じた税の配分となるよう、地方税の配分割合をさらに引き上げます。
  • 地方税を真に自主財源化するため、標準税率を超える税率設定を自治体に任せるなど自治体の課税自主権に対する制約を縮小・廃止します。
  • 各種税制の改廃、見直し、新税の創設に際しては自治体財政への影響を十分検証し、地方の財政運営に支障がないよう適切に手当てします。
  • ふるさと納税については、故郷や思い入れのある地域、被災自治体などへの支援につながる一方、居住地における受益と負担の関係にそぐわないこと、「官製通販競争」として地域特産物の適正価格の破壊や地場産業の自治体依存をもたらすこと、収入が不安定で安定した住民サービスの提供に懸念があること、高所得者ほど有利であることなどの問題が多いことから、廃止の方向で見直します。
  • 法人実効税率の引き下げについては、財政再建に逆行し、地方財政にも多大な影響を与えるため、断じて認められません。
  • 地方交付税の総額を確保するとともに、財源保障機能と財源調整機能の維持・充実を図ります。地方固有の共有財源である地方交付税の形骸化が自治体財政を圧迫し、住民生活にも影響を与えています。「頑張る地域」の応援、行革努力や地域活性化努力の反映、トップランナー方式など、選別主義、政策誘導的、恣意的な交付税算定を許しません。
  • 地方交付税の改革に当たっては、地方の役割や行政サービスの水準について、地方と十分な議論を行ったうえで進めます。国の一般会計を通さずに特別会計に直接繰り入れ、地方の共有財源であることを明確にした「地方共有税」に改革することをめざします。
  • 巨額の地方財源不足への対応については、地方交付税原資となっている国税5税の法定率の引き上げなど、交付税法第6条3第2項に従って地方税財政制度の抜本的改革を行うことを基本とします。累増する臨時財政対策債については、臨時財政対策債の廃止や地方交付税の法定率の引き上げを含めた抜本的な改革等を行います。
  • 地方財政計画に適切に歳出を計上することにより、地方の財源不足や格差を補う役割を持つ地方交付税を増額し、財源調整・保障機能を強化します。地域間の財政力格差については、偏在性の低い地方消費税の充実・強化、地方交付税の財政調整機能の強化を基本に対応します。
  • 人口減少時代に対応し増大する財政需要をきちんとカバーできる制度に地方財政制度を再構築します。地方財政計画の策定については自治体との協議のもとに、少子・高齢化対策や雇用創出、老朽化する社会資本の維持管理施策、地域の再生・活性化、新エネルギー対策、環境保全、パーソナルサポーター事業、地域での起業支援、空き家対策等など、地域住民が将来にわたって安心できるための施策に要する新たな行政需要を的確に反映させ、地域公共サービスの実態に見合った財源保障を担保します。
  • 消費者行政や共生社会対策などのソフト事業への財政支援を強化します。
  • 地方税財政にかかわる諸制度の見直しに当たっては、自治体との協議を尊重するとともに、特に財政基盤の脆弱な市町村に対し、特段の配慮を行うようにします。また、「平成の大合併」を検証し、合併後の新たな財政需要に対応できるようにします。
  • 教育の無償化にあたっては、必要な地方財源を一般財源総額の同水準ルールの外枠で地方財政計画の歳出に計上するなど、国の責任において必要な地方財源を確実に確保するようにします。
  • 地方財政の健全化に当たっては、国家による管理・統制の強化や市場競争原理の徹底ではなく、情報公開、住民や議会による監視の強化を通して、住民主導による自主的・主体的な財政再建と地域の再生に取り組むとともに、財政指標を絶対的基準として病院、福祉、交通、環境などの不可欠なサービスの切り捨てにつながることがないよう、十分な財政措置を講じます。
  • 自治体の基金は地方財政の「余裕の証」ではなく、各自治体の財政努力の結果として尊重すべきです。基金残高の地方財政計画への反映などは行わないようにします。
  • 国庫補助負担金の改革に当たっては、国の財政負担の地方への転嫁や公共サービス水準の低下につながることのないよう配慮し、地方の自由度が拡大しない単なる補助率カットや補助金削減は認めません。
  • 都道府県を介さず、国の出先機関が直接実施している事業、民間事業者などに直接交付している補助金(いわゆる「空飛ぶ補助金」)は、自治体が実施する事業との連携が図られないため、自由度を高めた上で、可能な限り都道府県を実施主体にするか、または都道府県に交付するようにします。
  • 高金利で借り入れた政府資金の補償金なしの繰り上げ償還及び借り換えについて、認定要件の緩和等による公債費負担の軽減対策をさらに拡充するとともに、恒久的な制度とするようにします。
  • 公共サービスの低下によって、高齢者が暮らせない街、若い人に魅力のない街にしないため、金利を増やさないコミュニティファンドを検討します。各自治体の基金の一部で「地方基金」をつくり、ゼロ金利で融通し合い、「ゼロ金利債」で自治体の財政負担を減らす「自治体版グラミン銀行」を検討します。
  • 格差や貧困の拡大、税の応益負担の強化等により、税や保険料、使用料等の高負担が続き、払いたくても払えない層が増えています。一方、財政難から強圧的な差し押さえや滞納整理、滞納世帯への制裁が行われ、住民の生存権を侵害しています。減額免除制度の周知を図るとともに、丁寧で経験ある窓口対応、相談体制の確立を行います。
  • 地域女性活躍推進交付金について、2020年度以降も制度を継続するとともに、国庫負担割合を引上げ、十分な財源を確保し、柔軟で使いやすい運用とします。あわせて、 地域の実情に合わせた独自施策の展開を継続的に可能とする「女性活躍応援基金(仮称)」を創設します。
  • 自治体の行政機能喪失を想定した広域応援・受援体制について、省庁間の縦割りの是正や、国と地方の役割分担の整理、応援に対する十分な財政措置等も含めて、体制を構築します。

公共サービス・地域再生

  • 地域(市町村合併前の旧町村や小中学校区単位など)における市民(住民)参加のしくみを追求し、小さな自治(自治体内分権)を実現します。地城コミュニティ(地域自治会)の活動を応援するとともに、自治会活動を支えている公民館を知識社会創造の21世紀のインフラとしてその活動を強化し、草の根からのコミュニティ再生を進めます。
  • 過疎地域等に存在する集落では、人口減少と高齢化に伴い、生活扶助機能の低下、身近な生活交通手段の不足、空き家の増加、森林の荒廃、耕作放棄地の増加などの問題が生じています。人口減少に悩む集落に入り、ムラの人々の生活サポートや地域おこし活動を行う、集落支援員や地域おこし協力隊員などを増員・拡充するなど、著しい人口減少により維持が困難となっている集落に対する多様な支援を推進します。
  • 各地域の風土や歴史、多様性をはじめ、固有の価値を再発見する「ルーラル・ルネサンス」を地域再生に活かします。
  • 住民同士が顔見知りとなり、助け合える関係を築こうと、「買い物代行サービス」の充実や、地縁や血縁の少ない大都市近郊の団地などでは高齢者が孤立しやすい面もあり、新たな地域のコミュニティをつくり、支え合っていく取り組みも始まっています。新たな地域の人間的つながりを創造し、住民の知恵を地域にいかす住民同士の「助け合い」の輪の拡大をめざします。
  • 公共サービスは、暮らしを支え、バックアップするものであり、憲法上で国民に保障された社会的基本権を具体化したものです。住民ニーズにあった公共サービスの質・水準の確保をはかり、必要とするだれもが利用できるよう、「公共サービス基本法」をいかした取り組みを推進します。
  • 良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるよう、公務員等公共サービス従事者の社会的に公正な賃金・労働条件を確保するようにします。
  • 安心と安全の住民生活のための自治体サービスの充実・質の向上と人的資源の確保のため、地方公務員の総人件費(定員・給与)抑制政策を転換します。
  • 「公的サービスの産業化」を打ち出している安倍政権の下、業務委託やPFI法、指定管理者制度、地方独立行政法人法、特区法、市場化テストなど新しい仕組みによって急激に自治体業務のアウトソーシングが進んでいます。窓口業務の民間委託等の加速、トップランナー方式の早期拡大、民間委託状況等の「見える化」の徹底・深化・拡大等に対し、公共サービス水準や各自治体の一般財源の見通しなどの財政状況を精査し、政府方針に便乗した民間委託や人員削減を許しません。
  • 自治体等において、PFI/PPPの「優先的検討規程」の本格的な運用が始まり、優先的検討が行われていくことが想定されます。「公の施設」については、自治体が、憲法及び地方自治法に基づいて、住民福祉を増進するという本来の役割を発揮できるよう直営方式を原則とします。例外的な選定に当たっては、住民、利用者、当該施設で働く労働者が不利益をこうむることのないよう、価格のみの比較とせず、総合的な評価による決定を行います。十分な情報提供、行政サービスの質の向上、住民・利用者の満足度の向上という観点から、PFI/PPP、指定管理者、市場化テスト、民間への業務委託等に対するチェック体制を強化します。
  • 水道施設への公共施設等運営権(コンセッション)方式の導入に反対します。水は住民の生活や経済活動を支える重要なインフラです。水道事業は民営化も、外資に売り渡すことも許されません。地域から安全・良質の水を守る取り組みをすすめます。将来にわたって持続可能な水道の構築のため、必要な基盤強化の支援と財政措置を強化します。
  • TiSA(新サービス貿易協定)は、金融、電気通信、流通、運送、建設、教育、観光などモノ以外の貿易自由化を進めようとするものであり、公共サービスの提供と国民生活に与える影響が懸念されることから、政府に徹底した情報公開を求め、公共サービスを守る取り組みを進めます。地元の中小企業の排除や公的機関の商業ベースでの事業の強制が懸念されるとともに、公契約条例などの地域政策や地域内経済循環への制約を強め、地域の自治権を損ないかねないTPP11や日欧EPAなどの枠組みに反対します。
  • 人員削減や職員の非正規化、指定管理者や民間化、公共施設の縮小などによって、自治体が果たすべき災害対応力は限界に達しています。防災や救命救助、被災者支援など非常時にきちんと対応できるよう、自治体の態勢を整備充実するとともに、自治体間の支援の仕組みを強化します。被災自治体への人的支援の体制を政府の責任で確立するとともに、必要な財政支援を講じます。
  • 自治体庁舎や公共施設はいざというときの住民の生命・財産を守る拠点です。耐震性の強化、非常用設備の充実を進めます。
  • 過疎地域の振興をはかるとともに、限界集落(住民の減少と高齢化がすすみ、65歳以上が半数以上になり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になっている集落)をはじめとする集落対策等を総合的に推進するため、新たな過疎対策法をいかした取り組みを推進します。
  • 死亡に関する手続きは複数の部署にまたがっており、遺族は大切な人をなくしたばかりの疲弊した状態で、手間のかかる手続きをしなければならず、大きな負担となっています。「多死社会」において、住民の利便性を向上させるため、死亡や相続手続きのワンストップサービスをめざしていきます。

災害・復興

東日本大震災からの復興

一刻も早い生活再建へ尽力

  • 震災被害は決して期限を区切って解決する問題ではありません。安倍政権が2020年度までとしている「復興・創生期間」の打ち切りを許さず、被災者が生活の再建を心から実感し被災自治体に真の賑わいが戻るまで、柔軟できめ細やかな復興支援と、被災自治体に財政負担を求めず国の特例的な財政支援を継続・拡充するよう強く求めます。また20年度末で設置期限が切れる復興庁について設置期間の延長を要求するとともに、仮に廃止する場合も切れ目のない復興政策を着実に進めるため後継組織は全ての被災者支援や産業・地域再生、福島原発事故への対応を長期的・総合的に担い、より被災地に密着した恒久組織とするよう求めます。未だ明確にされていない21年度以降の中長期的な復興事業メニューを一刻も早く明示するよう要求します。
  • 被災地を置き去りにした復興予算の無駄づかいや、「アベノミクス」の公共事業大盤振る舞いで復興事業が後回しになることは断じて許されません。被災地の復興に勝る政策の優先課題はあり得ないとの大原則に基づき予算の優先順位を明確化し、無駄遣いの一掃と被災地が真に必要とする事業に予算・資材・人材を迅速・柔軟に充当できる制度への改善を進め、情報公開と執行チェック体制も徹底します。現在の「東日本大震災復興特別会計」の設置期限が切れる2021年度以降も、切れ目のない十分な予算措置を求めます。国による復旧・復興事業への各種財政支援も、被災地ごとに異なる復興の進捗状況や生活再建のニーズに即応して的確・柔軟に継続・修正・拡充し、各地域の主体性・独自性を十分に発揮できるよう改めます。
  • 生活再建へ、被災者・避難者が安心して暮らせる住まいの確保と雇用の創出・拡大は、一刻の猶予も許されない最重要課題です。政府や経済界に強力に働きかけ、一日も早い災害公営住宅の整備完了を目指します。十分な災害公営住宅整備と一定の生活再建が実現するまで、民間借り上げ住宅などの「みなし仮設」も含めて応急仮設住宅の無償提供を継続し、1年ごとの入居期限延長ではなく長期間の延長を可能とします。避難生活の長期化に伴う仮設住宅の住環境悪化に対し、早急な修繕・追加工事の実施と十分な財源確保、不自由な環境が続く居住者の健康診断や心のケアなど、仮住まいの期間をハード・ソフト両面で支援する万全の体制を確立します。二重ローン問題の解消や、被災した自宅で今も生活する「在宅被災者」への支援、多くが震災後10年までとされる固定資産税の課税減免措置の大幅延長を実現するとともに、災害公営住宅の完成を待ちきれず民間の賃貸住宅などに入居した被災者にも公営住宅並みの家賃補助を行うなど、時間の経過とともに多様化する被災者の意向に柔軟に対応します。「生活相談支援員」などを配置したシルバーハウジングを整備します。
  • 高齢者や障がい者など、配慮が必要な方々の災害公営住宅への移転を促進するため家賃負担の減免をはかるとともに、孤立化防止の観点から既存コミュニティの維持など入居者の意向に添った移転を進め、集会施設設置や自治会づくりなども支援します。買い物や通院などへのアクセス環境が後退しないよう、まちづくりと一体になった公共交通対策を推進します。
  • 「中小企業等復旧・復興支援補助事業(グループ補助)」制度や「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」など被災企業支援策の長期継続、要件・対象範囲の拡大、柔軟な運用によって質・量ともに十分な雇用の受け皿を確保するとともに、災害復旧事業や自治体業務に被災地の失業者を優先的に雇用するなど、安定した雇用創出支援を拡充します。国の「緊急雇用創出事業」を継続・拡充して同事業の役割を「失業者のための臨時雇用」から「震災復興へ向けた人員不足の解消」への転換を確実に進めると同時に、委託事業が適正に実施されているか、被災者の雇用が継続されているかを検証し、雇い止めに対しては国・企業に強く働きかけ万全の救済策を講じます。
  • 被災地では今、多くの被災世帯が家計を圧迫する過重負担に直面しています。災害公営住宅への国の家賃軽減措置は入居6年目から段階的に縮小され11年目に一般の公営住宅と同水準になる計画で18年度以降、6年目を迎える被災者が年々増えていきます。また被災者に市町村が最大350万円を貸し付ける災害援護資金も、6年間の猶予期間を経て18年以降、返済を迫られる人が急増する恐れがあります。こうした公的支援縮小に断固反対し、「制度に合わせた復興」ではなく「復興に合わせた制度」となるよう被災者の負担軽減・減免措置の弾力的運用を徹底します。被災者に対する医療費窓口負担・国民健康保険・後期高齢者医療・介護利用料・障がい福祉サービス利用料・保育料などの負担金の免除や、失業給付延長などの社会保障分野、所得税・住民税の減免などの税制分野について、被災者が一定の生活再建を果たすまで、財政支援を継続又は再開するよう法整備を進めます。
  • 未だ道半ばの鉄道・道路・港湾・河川・橋梁・下水道・病院・通信などの公共インフラと、農地や漁港、農産物・水産物関連施設など産業施設の早期全面復旧、防災拠点や教育・研究施設の再建整備、地域コミュニティの一日も早い再生に全力を挙げます。
  • 10%への消費税増税は本来撤回すべきですが、仮に実施する場合でも復興に重大な支障を生じさせることから、被災者の住宅再建にかかる消費増税の据え置きなど、被災地に対する特例措置を強く要求します。
  • 震災で肉親を失った遺族や生活・事業基盤を失った被災者が精神的に追い詰められることのないよう、全額国庫負担による生活保護制度の迅速・弾力的な運用や「自殺対策緊急強化基金」の設置期限を延長し大幅な基金の積み増しを実施するなど、長期にわたる万全の支援策を講じます。
  • 改修の遅れている被災校舎や、被災地からの転入増に伴いプレハブ校舎を余儀なくされた内陸部の学校についても校舎の再建や修復を急ぎ、子どもたちの教育環境の改善・充実につとめます。
  • 子どもと保護者への包括的支援のため養護教諭やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを被災県の全校に常勤配置し、地域と学校の連携を強化します。経済的理由で就学の機会が奪われることのないよう、学費・入学金・給食費などの減免を実施するとともに、無償給付型や地域特別枠を含む公的奨学金制度の拡充をはかります。保育料や入園料、小中学生に対する学用品や給食費の援助など「被災児童生徒就学支援等事業交付金」による教育費への公的支援を継続・拡充します。
  • 復興の主役は「ひと」です。被災地での人材不足が深刻な医師・看護師、介護職員、保育士等の確保対策を推進します。被災した児童・生徒に対するきめ細やかな心のケアや学習指導を継続実施できるよう、被災県への中長期的な教職員の加配措置を充実させます。復興を最前線で担う被災自治体職員の確保へ、全国からの職員派遣増加や経験者・専門的分野に対応できる職員を中心に中途採用できる十分な交付税措置、職員への心のケアの拡充など、支援策を早急に強化します。

原発事故被災者支援

全ての被災者へ実効性ある支援を

  • 東京電力福島第一原発事故はいまだ収束していません。事故処理を東電任せにせず、強力な規制機関による厳しい監督と助言の下で、早期の完全収束と事故原因究明に全力を挙げます。
  • 原発事故被災者援護のための恒久的制度を設けます。わずかでも被ばくのおそれのある住民については国の責任で健康管理手帳を発給し、将来にわたって健康管理の対象としたうえ、福島県外に移転した場合も含め検診・治療費について国と東京電力が負担します。福島原発事故以後、放射能検査など各自治体で実施した安全確認のための費用について東電に負担を求めます。
  • 原子力事故の特殊性を踏まえ、公害訴訟同様に一定の条件を満たせば因果関係を推定することとし「立証責任の転換」を行い、東京電力に謝罪と十分な賠償を早期に行わせます。避難指示解除区域住民への東電からの精神的損害賠償が17年度末に打ち切られるなど、原発事故被災者への数々の補償措置の打ち切りを許さず再開・継続を強力に要請するほか、原発事故損害賠償をめぐり被災者の申し立てを受けたADR(原子力損害賠償紛争解決センター)の和解案を東電が拒否することのないよう厳しく働きかけます。福島県内に設置された放射線監視装置(モニタリングポスト)の撤去を許さず監視態勢を維持・強化します。
  • 生活保障をはじめ原発事故被災者に対する充実した総合的支援体制を確立し、受入自治体への財政措置強化をはかります。「原発事故子ども・被災者支援法」の支援対象地域を福島県内全域と年間追加被ばく線量が1ミリシーベルトを上回る全ての地域に拡大し、移動・居住・就労・医療と健康管理・所得減など、福島第一原発事故によって生じた新たな生活ニーズ全般を支援対象とし十分な予算措置を講じます。条件整備のないままの一方的な区域解除、被災者の帰還の強制、損害賠償、補償の打切りなどに反対します。
  • 帰還困難区域を除くほぼ全ての原発被災地で避難指示が解除される一方、自主避難者への住宅無償提供や家賃補助、旧避難指示区域からの避難者への住宅無償提供が相次いで打ち切られるなど、帰還一辺倒の政策は大きな問題です。避難継続か帰還かは原発事故被災者の意思が最大限尊重されるべきで、居住・避難・帰還のいずれの選択においても国の十分な支援を定めた「子ども・被災者支援法」の理念を踏まえ、政府指定の避難指示区域の内外、強制・自主避難を問わず、公的支援の縮小・廃止に反対し、柔軟で実効性のある被災者支援策を講じます。ワンストップ型の相談窓口を各都道府県につくり、避難・居住場所によって受ける支援に格差が生じない仕組みを構築するとともに、個々人の「被災者カルテ」を作成し受入自治体と避難元自治体との緊密な連携をはかります。被災者の心的ストレスへのサポート体制整備、応急仮設住宅(借り上げ住宅)の提供期間の大幅延長、打ち切られた住宅無償提供や家賃補助の再開と避難先自治体間で格差の大きい住宅支援策の拡充、当事者の意見を幅広く施策に反映するための常設協議機関の設置などを早急に推進します。
  • 「福島再生加速化交付金」を継続し、対象地域を避難先にも拡大するなど弾力的な運用をはかるとともに、対象事業の拡大や基金の積み増し、手続きの簡素化を進めます。
  • 福島第一原発の廃炉作業に従事する全ての労働者について、離職後も含めた被ばく線量の徹底管理や過重労働防止のための十分な交代要員の確保、熱中症対策や転落防止など労働安全衛生・健康管理対策を強化するとともに、特殊勤務手当(除染手当)が確実に支払われる仕組みを早急に構築します。18歳未満や外国人労働者の廃炉作業や除染業務への就労、偽装請負や違法派遣などがないよう指導・監督を強化します。
  • 低線量地域への避難が困難な子育て世帯や妊娠中の女性に対し、子どもたちや妊婦の被ばく線量低減に向けた「保養制度」を自治体やNPOなどと連携して推進します。
  • 放射能を帯びている可能性のあるがれきや廃棄物については、放射能の拡散につながらないよう予防原則を徹底し、国の責任で処分することとします。1キログラム当たり8000ベクレル以下の汚染土壌を公共事業で再利用することは到底容認できません。安全に再利用できる基準は、原子炉等規制法に定める100ベクレル以下です。放射性物質汚染対処特別措置法は廃止して、放射能汚染防止法など新しい法律を整備します。指定廃棄物の最終処分については、上限無しに各県で分散処理する方針を見直し、処分場の選定については白紙からやり直します。
  • 水路を含む被災農地・森林の除染や塩害対策を急ぐなど、震災と原発事故によって低下した農林水産業生産の復旧・復興に向けて万全の策を講じます。東京電力による農作物被害の損害賠償を迅速化します。被災地の森林除染は地域の実情に即しつつ、宅地周辺地域に限定せず里山など幅広く早急に進めるとともに、避難区域内の山林などの東電に対する賠償請求合意書に今後請求しないことを確認する「清算条項」を盛り込むことを認めません。
  • 放射性物質の影響が懸念される地域・産地で生産された農水産物や食品に対し生産・出荷時の検査体制を維持・強化するための自治体への国の財政支援を継続・拡充するとともに、それらを扱う流通・販売事業者において事業規模にかかわらず検査体制整備・強化へ公的補助を拡充し風評被害を払拭します。
  • 食品中の放射性物質の規準を厳密化・細分化し、セシウム以外の核種の規制値を設け非食用・日用品も規制を強化します。
  • すべての食品について放射性物質を検査する体制とその結果を表示する制度を構築し、食品の安全の確立、消費者の信頼回復に万全を尽くします。特に保育園や学校給食については、放射能検査を拡充し厳格な規制値を設けます。
  • トリチウムなど除去し切れない放射性物質が残り、「浄化」後も全体の8割超で国の排出基準値を上回る福島第一原発の「汚染処理水」の海洋放出に強く反対し、国と東電の責任で陸上で長期保管するよう厳しく求めます。汚染水処理に関する全ての情報を、包み隠さず分かりやすい形で公開するよう要求します。

しなやかで、きめ細かい災害対策

  • 阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本・大分大地震、西日本豪雨などの教訓を活かし、歴史的な災害の痕跡を示す地形や地域の言い伝え等も踏まえ、住民参加により、避難体制、防災・救援計画の策定・徹底をはかり、防災体制を確立します。
  • 2018年7月の大阪北部地震では、倒壊したブロック塀の下敷きになり犠牲者が出ました。老朽化したブロック塀の改修や低層化、生垣への建て替えなどに対する助成制度を設けます。また通学路や周辺に危険なものがないか、点検体制を整えるとともに、安全対策を徹底します。
  • 高齢者や障がい者、子ども、外国人など災害弱者への対策を日頃から講じるとともに、大規模災害時の帰宅困難者対策や高層マンション住民向け対策を強化します。一人住まいの高齢者や若者などが、災害時に相互に協力・助け合いができるよう、近隣住民同士の信頼関係やコミュニケーションの構築等を進めます。防災教育、地域におけるボランティア組織の育成など、ソフト面の防災対策も推進します。
  • 道路・鉄道・橋梁・トンネル・ダム・堤防・港湾岸壁・上下水道管など、社会インフラの老朽化の実態を早急に調査・把握し、災害による倒壊・破損を招かぬよう更新・改修・耐震対策を進め、しなやかに災害に対応する街づくり通じて、地域活性化や新たな雇用創出にもつなげます。
  • 急傾斜地や水害常襲地など、危険地域の住宅地を買い上げ公園化します。河川災害多発地域の農地買い上げを進め、公園緑地へ転換します。
  • 中小企業による災害に備えた「事業継続計画」(BCP)策定を支援するとともに、行政と地域中小企業による防災協定を結ぶなど災害時の連携を強化します。
  • 災害時の避難場所にもなる自治体庁舎や公共施設、学校、病院などの耐震性向上と太陽光発電整備、消防水利の整備と食料・飲料水・医薬品の備蓄強化、電気・電話等の系統の多重化を急ぐとともに、緑の保全と公園緑地、オープンスペースの活用なども進め、しなやかに災害に対応する街づくりを計画的に推進します。
  • 地域防災計画や防災マップを抜本的に見直し住民への周知・啓発を徹底します。
  • 避難指示・勧告の発令基準を明確化し「空振りを恐れず早めに出す」との方針を徹底するとともに、地域住民への防災情報の伝達・提供の迅速化・確実化を図り、国と自治体の連携を強化します。
  • 想定を上回る集中豪雨や「ゲリラ豪雨」災害に対応できるよう、都市水害対策を強化します。アメダスや監視用カメラ、土石流センサー等を各自治体にきめ細かく設置し、観測・予測体制について一層の精度向上を図ります。
  • 「雨水浸透ます」を各住宅敷地に埋め込み、水害対策とともに、都市化で枯れた地下水の再生にもつなげ、河川や湖沼を浄化します。
  • 罹災(りさい)証明書に記載する住宅の被害認定に「自己判定方式」を導入します。
  • 避難所においては、避難した災害弱者に配慮した運営を行います。また、避難所の被災者に各種の情報が適切に伝わるよう配慮するとともに、冷暖房の設置など、きめ細かい支援を実施します。
  • 応急仮設住宅の着工を早急に実施するとともに、コミュニティの維持、孤独死を防ぐ取り組みなどを講じます。木造づくりの災害公営住宅を推進するとともに、地元の中小建設業者に優先的に発注します。住宅の耐震強化改修への助成を強化します。
  • 激甚災害が発生した場合に、被災地域を早期に激甚災害に指定するよう政府に求めます。
  • 被災者生活再建支援法における支援金最高額の引き上げ、柔軟な運用を求めるとともに、対象外となる「半壊」等についても支援を拡充します。
  • 大規模な「災害対応一括交付金」を制度化し、省庁の枠を超えた使途の弾力化をはかります。
  • 被災県ごとに災害関連死の認定率が異なるため、国による統一的な認定基準の作成を求めます。また、災害弔慰金の申請漏れを防ぐため、制度の周知徹底を図ります。
  • 自治体と地元の中小企業による防災協定の締結を促進し、帰宅困難者への対応、飲食料の確保、救助活動、がれき撤去などに迅速に対応できる体制を構築します。
  • 災害時の情報システムの整備するとともに、災害時のネット上における流言飛語への対策を講じるため、適切な情報発信を強化します。
  • 大規模災害時の被災者受け入れ体制を整備し、被災地へのボランティアに対する支援を強めます。
  • 災害時のマンパワーとして自治体職員や消防などの体制を強化します。大規模災害時に被災自治体が必要とする職種別・職能別の応援職員の人数調整や派遣先、派遣可能な応援職員の確保についてマッチングし調整するなど、自治体間の応援・協力体制を強化します。
  • 災害対応に支障が生じないよう、自治体の業務継続計画策定を進め、代替機能を確保します。市町村の財政力の疲弊や「平成の大合併」による広域化等の影響に鑑み、国としての地震対策の強化を図ることを求め、国、都道府県、市町村の連携を強化します。自治体間の全国的な応援・協力体制を構築します。
  • 自治体間の互助のシステムとして、災害直後の「スピード感のある対策」から中長期の「将来を見据えた対策」まで対応する、特定の自治体が責任を持って中長期にわたり特定の被災自治体を支援する自治体間の「対口支援」(ペアリング支援、マンツーマンサポート方式)のシステムを構築します。
  • 消防機関を地域に暮らす住民の安心の拠り所として、災害の未然防止から、発生した場合の即時対応、被災者の社会復帰や救済まで、総合的に情報やサ-ビスを提供する「地域安全安心センタ-」としての役割を持たせます。また、消防職員の団結権を回復します。
  • 「消防力の整備指針」を目標として、地域の実情に即した各自治体における消防職員・消防資機材の整備を進めます。消防団員の待遇改善を図るなど、消防団の活性化に努力します。消防用ヘリコプターの配置の増強や緊急消防援助隊の装備資機材の充実を進めます。消防車と救急車の機能を併せ持った「消救車」の導入を進めます。
  • 桜島や新燃岳、御嶽山など火山活動が近年活発化し、将来の富士山噴火への懸念も高まる一方、国の火山対策は遅れています。特に監視強化が必要な主要活火山について、十分な予算措置を講じて噴火から身を守る避難施設の整備、周辺自治体の具体的な避難計画やハザードマップ(被害予測図)の策定、国と関係自治体とで組織する火山防災協議会の設置を急ぐとともに、地震計・傾斜計・空振計の増設など、手厚い観測・研究・情報伝達体制を早急に整備します。個々の活火山ごとにその特徴を熟知した火山研究者の育成を進めます。
  • 周辺住民の生活への影響や不安に応え、火山活動・噴火ポテンシャル評価のための移動観測装置やプールクリーナーの設置、学校や公共施設における空調設備の普及促進、降灰による身体への影響調査のための特別健康診断予算の確保、降灰除去事業の採択基準の見直しと事業量の確保、道路降灰除去車両の買い替え推進、防災営農対策事業の推進等に努めます。

脱原発

原発ゼロ

3・11福島第一原発事故によって原発の「安全神話」は完全に崩壊し、原発事故の恐ろしさ白日の下にさらされることとなりました。しかも、福島第一原発事故では、地震や津波の被害と原発の放射能の被害が複合・増幅しあい、震災からの救援と原発の事故処理・住民の避難がともに困難を極める「原発震災」となり、これまでの原発事故対策はまったく役に立たなかったのです。福島の実態は世界に衝撃を与え、ドイツやイタリア、デンマーク、オーストリア、スイスなどが脱原発に踏み切りました。
一方で、福島原発事故の当事国である日本では、当時の民主党政権がいったん「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」と将来的な脱原発を決めたものの、政権を奪還した自民党政権は原子力依存に回帰しました。
社民党はじめ野党が共同で提出した原発ゼロ法案を成立させ、「法施行後5年以内にすべての原発の廃止を決定する」「再生可能エネルギーによる発電割合を2030年までに40%以上にする」「使用済核燃料の再処理は行なわない」などを実現します。原子力依存は、逆らうことの許されない「国策」ではありません。事故の被害を受けるのは原発周辺の住民であり、地域の経済、雇用とも結びついた自治体の選択なのです。

原発稼働はただちにゼロ、脱原発社会に向けて着実に推進

  • 原発の再稼働は認めません。福島第一原発事故の収束と実態の解明、安全基準の見直し、徹底した安全対策の実施、厳格な規制体制の整備、防災対策の徹底など、何一つ実現していない中で、再稼働できる状況にはありません。原発の再稼働に反対します。
  • 福島第二原発1~4号機は、直ちに、無条件で廃炉として、廃炉の作業に着手します。中国電力上関原発、同島根3号機、電源開発大間原発、東京電力東通1号機など、原発の新増設はすべて白紙撤回し建設を中止します。
  • その他の既存原発については、老朽炉等のリスクの高い原子炉から順次廃炉作業に着手し、早期の脱原発実現をめざします。巨大地震が想定されたり活断層の近くに立地する原発は直ちに廃炉とします。
  • 高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉だけでなく、六ケ所再処理工場など核燃料サイクル計画から全面撤退します。日米原子力協定に反対します。
  • 高レベル放射性廃棄物の地層処分計画を凍結し、当面の間は回収可能性のある形で暫定保管することとします。使用済核燃料については、再処理を行なわず直接処分とし、ドライキャスクなどを基本に、目に見える範囲での貯蔵、管理を行ない、今後、安全な管理技術の開発を行ないます。
  • 東京電力福島第一原発事故で発生した放射能を帯びている可能性のあるがれきや廃棄物については、1㌔グラム当たり8000ベクレル以下の汚染土壌の公共事業で再利用する国の方針を許さず、放射能拡散につながらないよう予防原則を徹底し、国の責任で処分することとします。
  • 国策として原子力を推進してきた経緯を踏まえ、立地地域支援のための立法を行ない、地域振興や雇用対策を進めます。
  • 脱原発を決めても、実際の廃炉作業や廃棄物の処理・管理など、当分の間、原子力と付き合っていく必要があります。原子力の安全を守る原子力規制委員会の体制を強化し、委員の構成も「原子力ムラ」の住民を排除して、過半数を原子力反対・慎重派とすることで信頼される規制行政を実現します。
  • 原子力施設は停止中でも危険を伴います。半径5キロ以内の即時避難区域(PAZ)、30キロ圏の避難準備区域(UPZ)だけでなく風下となるおそれのある地域等も含めた実効性のある原子力防災計画を策定させます。原子力事業者にUPZ圏内の自治体との安全協定締結を義務づけ、実効性ある原子力防災計画や避難計画の策定を求めます。
  • 政府が「成長戦略」として位置付けてきた原子力発電所の海外への輸出計画はすべて頓挫しています。原発輸出から撤退します。

東京電力の責任を明確化し、電力システム改革を推進

  • 東京電力は法的に破綻処理を行い、株主や金融機関の貸し手責任などステークホルダーに負担の分担を求めます。その上で、原子力損害賠償法と原子力損害賠償支援機構法を抜本改正し、国の責任で十分な賠償を行える体制を整備します。
  • 電気料金の安易な値上げを認めません。電力会社の発・送・配電の所有を法的に分離し、50キロワット以下の規制部門も含めて自由化し、消費者が自由に自然エネルギーを選べるように、電力小売事業者に電源構成の開示を義務付けるなど、公平な競争環境を整備します。
  • 需給の逼迫に対しては、供給力の増強ではなく、電力料金によりピーク需要の削減を誘導したり、節電量を供給量と見立てて市場で取引するネガワット取引市場創設など、DR(需要応答)の推進による対応を重視します。
  • 原子力規制委員会設置法制定の際に、どさくさ紛れで原子力基本法を改正し「我が国の安全保障に資する」との目的が追加されました。これはわが国が核武装の意図を持つのではないかとの誤解を招くおそれがあり、実質的な意味も持たないため、削除する法改正を提起します。

省エネを徹底し、再生可能エネルギーを促進

  • 脱原発を進めると同時に、省エネを推進して再生可能エネルギーの割合を2050年までに100%をめざし、すべての政策資源を投入し、社会をイノベーションします。全量固定価格買取制度を生かして普及を加速化させ、イノベーション、雇用創出や内需拡大、地域振興につなげます。
  • 太陽光、風力、地熱、小水力、バイオマスなど、多様な再生可能エネルギーを促進します。メガソーラーや大規模風力などの新たな発電施設やバイオマス原料の大量輸入が、森林伐採や景観破壊、健康被害などを生むおそれがあります。ゾーニング(すみ分け)や環境アセスメントなどのルールの整備を進め、環境や社会的に持続可能な形とします。
  • スマートグリッド(次世代送電網)の普及をはかるとともに、一時的に電気が余っても対応できるよう全国をまたぐ送電網の整備や蓄電池の開発を進めるなど、再生可能エネルギーの受け入れ態勢の整備を急ぎます。市民参加型・地域自給型のエネルギーシステムを構築します。
  • 水素をエネルギーとして日常生活や産業活動に幅広く利活用する水素社会の実現に向けた取り組みをすすめていきます。洋上風力発電を推進します。
  • 土地利用制度や環境アセスメント体制の整備、地域社会での合意形成のガイドライン策定など、再生可能エネルギー整備のためのルール化をすすめます。また、自然公園法、温泉法、農地法など、再生可能エネルギー拡大の障害となっている法制度を見直し、修正します。
  • 電源三法交付金は再生可能エネルギー促進のために集中的に交付し、再生可能エネルギー関係の研究・開発投資について税制優遇や助成制度を設けて支援し、政府予算も再生可能エネルギー分野に重点配備することとします。
  • コジェネレーション(電熱併給)や、熱利用を促進し、地域・自治体レベルの取り組みを積極支援します。営利企業だけでなく、市民発電等様々な主体の参入を可能にし、地域エネルギー主権を促進する法制度や支援策を検討します。
  • 再生可能エネルギーの規模が拡大するまでの当分の間は、老朽化した火力発電設備をLNGガスコンバインド発電など高効率の火力発電に置き換え電力供給の主力として活用し、CO2排出を抑制します。火力発電を高効率のシステムに誘導するための支援策をつくります。石炭火力発電は、パリ協定の1.5℃目標に適合するよう2030年までに閉鎖することを目指します。
  • 自治体の消費電力を再生可能エネルギー由来にシフトしたり、再生可能エネルギーを通じた自治体間連携をすすめたりするなど、脱原発の自治体エネルギー戦略に取り組みます。

平和

アベ外交からの転換

 第2次安倍晋三内閣は2012年末の発足以降、平和憲法の下の我が国の安全保障体制を凄まじい勢いで破壊してきました。短期間に、日本版NSC(国家安全保障会議)の創設、特定秘密保護法の制定、武器輸出三原則の撤廃、ついには集団的自衛権の行使容認の閣議決定、戦争法や共謀罪の成立強行まで行ったのです。自公政権が企てる平和憲法体制の破壊に対して、草の根からの反対の声を巻き起こし対抗していかなければなりません。
社民党は、軍事力の均衡を中心に考える旧来の安全保障の発想を脱皮し、社会開発、人権、女性支援、環境保全などに軸足を置いた「人間の安全保障」の理念を重視していくべきと考えています。政府間だけではなく自治体間や民間の交流、NGOの活動などを、21世紀の国際社会の主要な構成要素として位置づけ、幅の広い重層的な国際関係を構築していくことが重要です。社民党はあくまで非軍事にこだわりながら、ひとり一人の人間が安全に暮らせる真に平和な世界をめざします。

領土問題は、長期的な視野で、冷静な対話で解決を

  • 領土領域の主張を強めれば、相互の偏狭なナショナリズムを刺激しあって、緊張がエスカレートすることは必至です。挑発的な対応を控え、長期的な視野で対話を積み重ねることが必要です。軍事的な対応によって解決することはできません。
  • ゼロサムの争いである領有権の問題は、互いに譲歩することが難しく相互の対話だけでは解決は容易ではありません。主張の異なる点をことさら取り上げるのではなく、経済協力、技術協力、文化交流など可能な側面の協調を深め、信頼醸成をすすめます。竹島、尖閣諸島、北方領土などの国境問題については、相互信頼のうえで国際司法裁判所等の第三者の視点も入れた解決策を追求します。
  • 領土紛争のために警察力、防衛力などの実力を行使することや、軍事的に威嚇することに強く反対します。

北東アジアの非核化と、戦後処理問題の全面的な解決に全力

  • 外交・安全保障関係の情報公開のありかたを検討してルール化をはかり、いっそうの情報公開をすすめます。
  • 史上初の米朝首脳会談を踏まえ、北朝鮮との国交正常化交渉を再開し、粘り強い外交交渉によって、日朝平壌宣言や6か国共同声明の実現を図り、拉致問題の徹底調査と真相解明、戦後処理問題の解決をめざします。
  • 非軍事面のあらゆる手段を用いて、北朝鮮の核開発とミサイル技術開発の断念を迫ります。圧力や制裁一辺倒では何も解決しません。徹底した対話による粘り強い外交努力で平和的解決をめざします。
  • 「慰安婦」や「強制連行」問題など侵略戦争の負の歴史を歪曲したり正当化しようとする歴史修正の動きに対抗し、戦後処理問題の全面解決に努めます。
  • 国会図書館に戦争の事実調査を行う恒久平和調査局を設置するための「国立国会図書館法改正案」の早期成立をめざします。また、「慰安婦」問題の最終的な解決をはかるために「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」の成立をはかります。強制連行、中国残留孤児問題など、残された戦後処理問題の早期解決に取り組みます。旧日本軍兵士の遺骨収集を進めます。
  • 朝鮮学校が所在する都道府県のうち半数以上が、学校への補助金交付をやめています。日本で生まれ育った子どもたちは地域社会の一員であり、補助金の復活を求めます。
  • 広島・長崎で被爆したすべての人が認定されるように、原爆症認定基準を全面的に見直します。原水爆実験による被爆者や被爆二世・三世を含めた包括的な被爆者救済のため被爆者援護法の改正を追求します。
  • 民間の戦災被害者へも軍人と同様の補償を行なっているドイツやフィンランドの例に倣って、太平洋戦争中の空襲や艦砲射撃等による民間被害者への補償を行う空襲被害者救済法の早期成立をはかります。
  • 強制連行問題について政治解決をはかるため、ドイツの「記憶・責任・未来財団」にならって国と企業の負担による基金を創設し、被害者・遺族への補償を行います。
  • アジアの人々と共有できる歴史認識をつくるため、共同の歴史研究を積み重ねます。
  • 戦争犠牲者を慰霊するため無宗教で対象を軍人軍属に限らない新たな慰霊施設の建設を検討します。靖国神社への政府首脳の公式参拝は行いません。
  • 国是である非核3原則(持たず、つくらず、持ち込ませず)を厳守し、法制化をめざし、核廃絶に向け全力で努力します。
  • 核兵器の役割を縮小させるために拡大抑止(核の傘)の役割を対核兵器に限定し、核兵器国による消極的安全保証を再確認します。核兵器国に核の先制不使用宣言をよびかけ、条約化をめざします。
  • アメリカによるINF全廃条約破棄を許しません。CTBT(包括的核実験禁止条約)発効やカットオフ条約の具体化を目標に、関係国への働きかけを強め、NPT(核不拡散条約)体制の強化をめざします。
  • 核拡散につながるプルトニウム利用政策を転換し、国際的にも批判が強い六ヶ所村の核燃料再処理施設の計画は中止します。
  • 生物化学兵器、対人地雷、クラスター弾に続いて劣化ウラン弾など非人道的な兵器を違法化する条約の実現をめざします。
  • 核兵器のない世界をめざし、核兵器を全面的に違法化する核兵器禁止条約への日本の参加を働きかけます。日本政府に対して直ちに署名、批准するとともに、核兵器保有国に対しても被爆国として署名批准を促していくことを強く求めます。

沖縄と共に、基地の撤去めざす

  • 国土面積の0.6%に過ぎない沖縄県に、在日米軍専用施設・区域の74%(約233平方キロメートル)強が集中し、とくに人口が密集する沖縄県中部地域の土地の約24%が米軍施設に占められるという異常な状態が続いています。沖縄の基地負担の軽減、基地の整理・縮小を最優先の課題として取り組みます。
  • 日米安保条約のために、基地の負担を沖縄一県のみに押し付け続けることは許されません。県民の民意を無視し暴力的に強行されている沖縄県名護市の辺野古新基地建設に反対し、普天間基地の即時運用停止と閉鎖・撤去の実現とともに、県内への移設の断念を求めます。実現不可能な在日米軍再編合意については、米国との再交渉を求めます。すべての在沖米軍基地を速やかに縮小・撤去するよう求めます。
  • 沖縄県東村高江ヘリパッド建設・運用の即時中止を求めます。固有種、希少種の宝庫であるやんばるの森を守り、辺野古・大浦湾とあわせ米軍基地建設による環境破壊を許しません。
  • 全国知事会が2018年7月、米軍基地の負担軽減や日米地位協定の抜本的な見直しに関する提言を決定したことは極めて重く、提起している事項の実現を求めます。
  • 在日米軍再編合意については米国と再交渉を行い、在沖海兵隊の早期の全面撤退を求めます。
  • 世界一危険な飛行場と言われる普天間飛行場に、事故が相次ぎ世界一危険な航空機とも言われる新型輸送機オスプレイを配備することに強く反対します。普天間基地からの即時全機撤去、横田基地への配備撤回を求めるとともに、全国での低空飛行訓練の拡大は許しません。自衛隊のオスプレイ導入と佐賀空港への配備、木更津駐屯地での機体整備や暫定配備に反対します。
  • 嘉手納基地やうるま市の津堅島訓練場水域で米軍が強行しているパラシュート降下訓練の即時中止を求めます。
  • 米軍機の不時着や部品落下が相次いでおり、沖縄県内全米軍機の飛行停止を求めます。
  • 米兵の事件・事故から住民を守るために、在沖縄米軍基地を夜間外出禁止とし、例外的な夜間外出については日本側によって出入の管理を行わせるよう求めます。
  • 米海兵隊に起因する事件・事故が多発しています。世界中で機動的に運用される海兵隊の基地は沖縄にある必要はありません。駐沖縄海兵隊の全面撤退を求めます。
  • 周囲の緊張を高める与那国、宮古、石垣など南西地域への自衛隊部隊の配備に反対します。
  • 米軍、米軍人・軍属に特権、免除を与え、基地周辺住民の市民生活を圧迫している日米地位協定の全面改正を求めます。
  • 本来負担する必要がない「思いやり予算」の対象の拡大に反対し、段階的に削減します。在日米軍の駐留経費の追加的な負担について定めた在日米軍駐留経費負担に係る「特別協定」の更新・延長に反対します。
  • 奄美や瀬戸内海など西日本各地の自然を破壊し、辺野古埋立て用の土砂採取は許しません。また、警視庁など全国各地の機動隊が沖縄に派遣され、辺野古や高江などで過剰な警備を繰り返していることに抗議します。
  • 国主導の基地を前提とした公共事業依存の振興策が、沖縄の地域経済発展の自立性を阻み、いびつな財政構造をもたらした要因の一つです。沖縄の自立と発展を展望し、環境や観光、健康、国際化を活かし、住民ニーズに沿った「人を育て、地域を育てる」「平和と活力」に満ちた民需主導の振興をすすめていきます。沖縄の豊かな自然環境は、観光や第一産業、自然エネルギー推進などの魅力的な資源でもあります。第一次産業の育成や6次産業化の推進、再生可能エネルギー産業の開拓で雇用創出します。メイドインジャパン(安心、高品質)とメイドインオキナワ(健康、長寿)を組み合わせた「おきなわブランド」の地位向上を図ります。
  • 沖縄のもつ優位性を延ばすことができるよう、沖縄県が全国の自治先行モデル、ひいては牽引役となるような柔軟かつ大胆な施策展開ができるような条件整備を求めていきます。
  • 深刻な「子どもの貧困問題」や「待機児童問題」への対処、総合的な子育て支援策をすすめ、出生率全国1位を支える地域づくりをめざします。
  • 移動の自由を保障し、交流を盛んにするため、沖縄の地理的特殊性を踏まえた、航路・航空路の維持改善制度を整備します。
  • 国には、県民主体の沖縄振興策を支援し、高失業率、低所得など依然として縮まらない本土との格差是正、島しょ県としての地理的不利性の克服、過重な米軍基地負担の解消と速やかな返還、返還軍用地の跡利用、取り残された児童福祉の問題等沖縄が抱える諸課題に対応する責任があります。一括交付金の減額など、沖縄関連予算のカットは許しません。

軍事同盟依存から多国間の安全保障体制構築へ転換

  • 日米安保条約の軍事同盟の側面を弱めながら、将来的に経済や文化面での協力を中心にした平和友好条約への転換をめざします。
  • アジア・太平洋の多国間安全保障対話を推進させます。米国、韓国、北朝鮮、中国、ロシアと日本による6ヵ国協議の枠組みを発展させ、地域の集団安全保障の枠組みを強化します。北東アジア非核地帯と北東アジア地域の総合安全保障機構の創設をめざします。

平和憲法の理念の実現

  • 日本が武力攻撃を受けていなくても米国等が起こす戦争に日本が参加できるようにする「戦争法」は明らかに憲法違反です。
  • 「戦争法」に基づき、アメリカと一体となって世界中で戦争する自衛隊をそのまま憲法に位置付け、9条を死文化しようとしている安倍首相の2020改憲案に反対します。9条の平和主義を守り活かします。教育無償化や参議院の合区解消、緊急事態対応には憲法改正は不要です。
  • 集団的自衛権の行使容認の7・1閣議決定を撤回させ、日米ガイドラインの改定や集団的自衛権行使、自衛隊海外派遣のための恒久法としての「戦争法」を廃止します。
  • 軍事力に依存する安倍政治に対抗し、戦争法(安保法制)に基づく戦争準備を厳しく監視し、発動を許さない取り組みを進めます。
  • 平和憲法の理念にもとづく安全保障政策を実現するために、自衛隊の活動範囲や理念などを定め、戦力に当たらない専守防衛の範囲内に自衛隊を位置づけ、集団的自衛権の不行使を明記、外交努力による紛争解決などを掲げる「平和創造基本法」を制定します。
  • 自衛隊の規模や装備、運用に関する基本原則を定め、自国防衛の範囲を超えて海外へ展開を進めようとする自衛隊の予算や活動の現状について、自国領周辺で侵略者の攻撃を退けることに徹する専守防衛の水準に引き戻します。
  • 長距離巡航ミサイル導入に向けた調査費、ヘリ搭載型護衛艦いずもの改修検討による攻撃型空母の保有、新型潜水艦の建造など、専守防衛の枠を突破し武力行使の一体化につながる防衛予算は認めません。
  • 攻撃型空母への改修など専守防衛を逸脱した大型兵器の整備に反対します。FMS(対外有償軍事援助)による高額兵器の爆買いは許しません。防衛装備品移転三原則は廃止し、武器輸出三原則を復活させ法制化を検討します。
  • 自衛隊に2基導入するとしている地上イージス(地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」)の秋田県、山口県への配備は許されません。
  • 新規の正面装備の契約を控え、防衛費に占める歳出化経費の割合を抑制します。防衛調達をめぐる不祥事の再発防止をはかるため、防衛予算の透明化をはかります。
  • 「シビリアン・コントロール」の理念を実質化し、自衛隊内部での人権侵害を防ぐため外部の目で検証・監督する「自衛官オンブズマン」制度の創設をめざします。
  • 民間人である船員を予備自衛官補として活用することは、事実上の徴用につながるものであり、断固反対します。
  • 海賊問題への対処や「グレーゾーン事態」に対しては、海上保安庁・警察によって対処します。どうしても警察力によって対応が出来ない場合に、はじめて自衛隊の治安出動を検討することが現在のルールであり、自衛隊による安易な対応は認めません。
  • 海外の大規模災害への緊急援助や、途上国の開発支援のための協力などに積極的に取り組みます。国連平和維持活動(PKO)への参加は、非軍事・文民・民生を原則として憲法の枠内の人道的な活動に徹します。
  • 防衛省の日報隠しは許しません。南スーダンPKOやイラク派遣での治安悪化の状況を隠ぺいしようとする政府の対応は、国民ばかりでなく現地で奮闘する自衛官への裏切りでもあります。
  • 米国などで問題となっている困窮する学生を軍隊にリクルートする経済的徴兵は、国民を戦争体制に巻き込むもので許されません。
  • 大学等での軍事研究を促す安全保障技術研究推進制度に反対します。「戦争目的の軍事研究はしない」と決議した日本学術会議を支持します。
  • 日本国憲法の「平和主義」、「国民主権」、「基本的人権の尊重」の三原則を遵守し、憲法を変えさせません。憲法の保障する諸権利の実現を第一として、国民の生活再建に全力を挙げ、平和憲法を変えさせません。憲法理念を暮らしや政治に活かして、具体的な法制度の整備を迫り、政策提起をすすめます。憲法の保障する諸権利を実現し、国民の生活を再建することに全力をあげます。

国連中心の外交政策をすすめ、非軍事面の国際協力を推進

  • 安全保障理事会のあり方を見直すなど、国連の民主的改革を推進し、大国主義ではない民主的な国連をめざします。
  • 縮小の一途をたどっている政府開発援助(ODA)予算を国民総所得の0.7%という国際目標の実現に向けて増額します。ODAを途上国の貧しい人々の生活向上や自立に真に貢献するものに改革します。
  • ODAの質を確保するための「援助・開発効果」の考え方に立脚し、途上国の開発政策を尊重し、ODAの説明責任を強化し、他の援助国や国際機関・NGOなどと協調して援助を行なうなど、長期的な視点で国際社会の信頼を得られる援助外交を目指します。
  • 世界の貧困を2015年までに半減することを掲げた国連の「ミレニアム開発目標(MDGs)」を踏まえ、真に途上国の貧困解消に役立つものになるように日本のリーダシップ発揮に努めます。
  • 「誰一人も取り残さない」という2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の考え方を、内政、国際協力の両面で適用し、貧困や飢餓の解消、基礎教育、誰もが保健医療にかかわる体制の整備、ジェンダー平等の推進に取り組みます。持続可能な世界と日本の実現を目指します。
  • ODAを社会開発、人権、女性支援、環境保全など「人間の安全保障」重視に転換します。人権の視点を援助の基礎に据える「権利ベース・アプローチ」(RBA、経済的・社会的・文化的権利を含む人権の概念を中心に据えた開発を行なうこと)をODAの理念として採用します。
  • ODAの目的や役割について定めた「ODA基本法」を制定し、現在各省庁に分かれているODAを一本化し、上位政策の形成から案件実施までを統合的に管理・運営出来る効率的な開発援助行政の仕組みを整えます。ODAによる他国軍隊への援助に反対します。
  • 迫害をのがれ支援を必要とする難民を温かく迎える社会をつくります。難民認定のあり方を見直すとともに、自立した生活を安心して送れるよう難民支援を強化します。
  • 米国追従の外交政策をあらため、平和憲法の理念に沿った「人間の安全保障」重視の多国間の外交政策をすすめます。

地域から平和の動きを

  • 国家の安全保障を名目に、在日米軍や自衛隊施設周辺の市民生活の安全が脅かされるのでは意味がありません。防衛関係施設の活動を監視し、基地被害の抑制に努めます。
  • 戦争の被害や加害の遺跡の保存に努め、戦争の記憶をとどめる活動に協力するなど、平和を願う市民意識の形成を支えます。
  • 港湾の非核化や無防備地域宣言を行うための条例制定等、草の根から平和をめざす動きを支持します。
  • 核兵器廃絶や非核三原則を求める内容の自治体宣言や議会決議を進め、非核宣言自治体を増やします。日本非核宣言自治体協議会によると会員自治体は339自治体、非核平和都市宣言自治体は1632自治体で全体91.3%です。合併等によって自治体の枠組みがかわった場合には、あらためて宣言を行ったり、平和事業の活発化をはかるなど、宣言内容の実質化に努めます。
  • 自治体でできる国際平和友好の行事や平和の歴史を学ぶ行事などを開催します。また、自治体と議会で国連の核兵器禁止条約の批准を求める意見書の提出などを求めていきます。地域や教育の場に自衛隊の特別教育やイベントなどでの入り込みを止めさせます。
  • 自治体・住民間の人的・文化面での国際交流の活発化をはかります。

経済政策

  • 大企業や富裕層の優遇によって経済成長をめざすアベノミクス(トリクルダウンの経済政策)は失敗です。安倍政権の財政政策から脱却し、税金の取り方・予算の使い方を大胆に転換します。人々の生活を再建し、中小・小規模企業や農林水産業への支援、社会保障の拡充、賃金と労働条件を改善する「社会を底上げする経済政策」へと転換します。
  • 格差が拡大する中、低所得者に負担が大きい消費税の増税に依存する「不公平税制」から転換し、税制における「応能負担」原則・「所得再分配」機能を取り戻します。消費税の税率10%への増税に反対し、中止に追い込みます。
  • 消費税増税に依存する「社会保障と税の一体改革」に社民党は反対しました。所得税の累進性強化、内部留保をためこむ大企業への法人課税強化など、税制全体をパッケージとした税制改革を行うとともに、膨張する防衛費などの歳出を見直し、必要な財源を確保します。
  • タックス・ヘイブン(租税回避地)を利用したグローバル企業や富裕層の「税逃れ」の実態を明らかにします。同時に、日本がリーダーシップを発揮し、国際的な税逃れを防ぐ協調体制を構築するとともに、法人税の引き下げ競争に歯止めをかけ、消費税の輸出還付金の不正取り締まりも強化します。また、申告所得金額の公示制度(企業版長者番付)を復活します。
  • 大企業における巨額の内部留保の温床となっている大企業向け政策減税(租税特別措置)を抜本的に見直し、課税ベースを拡大するとともに、法人税率を引き上げます。
  • 中小企業に対する法人税率は恒久的に引き下げるとともに、外形標準課税の中小企業への拡大に反対します。
  • 所得税を基幹税と位置付けなおし、税率細分化による累進性の強化により、「所得再分配」機能と「応能負担」の強化を図ります。また、健康で文化的な生活を保障するため、基礎控除を大幅に引き上げ、税額控除化(ゼロ税率化)を検討します。
  • 金融所得に対する課税を強化し、総合課税を追求します。格差の世代間連鎖をなくすため、贈与税減税の流れを転換し、相続税・贈与税の課税を強化するとともに、富裕税の創設を検討します。また、毛皮・宝飾品など奢侈品への物品税の導入を検討します。
  • 地球温暖化対策税、ガソリン税、自動車関係税を、環境税(炭素税)として組みかえます。地球規模の課題を解決するため、国際連帯税(航空券連帯税、金融取引税)を導入します。
  • NPO法人の社会貢献活動を支援するため、寄付金税制を拡充します。
  • 政府税制調査会の構成メンバーとして、中小・小規模事業者を増員します。
  • 政府の介入を強め、日銀の独立性を弱め、戦時立法だったかつての日銀法に逆戻りしかねない法改正に反対します。
  • 民間金融機関に対し、中小企業・NPO・ベンチャー企業・中低所得者層・女性などへの公正な融資を義務づけるとともに、金融機関の活動を評価(アセスメント)・公開するために日本版「地域再投資法」(金融アセスメント法)を制定します。また、貸し渋り・貸しはがしを防止します。
  • 協同組織・非営利法人であり地域密着・中小企業向け金融機関である「信用金庫」・「信用組合」(協同組織金融機関)の発展を支援します。
  • 貸金業法の規制緩和を許さず、高金利に頼らなくても生活できるセーフティネットの構築や総合的な生活・経営相談ができる体制を充実します。

社民党の財源プラン

  • 消費税依存税制を改め、税制全体をパッケージとした税制改革、予算の無駄づかい・使い方の見直し、「社会を底上げする経済政策」による税収増によって、財源を確保します。

社民党は、「ソーシャルビジョン」の実現で、「支えあう社会」を作ります。