声明・談話 一覧はこちら

anchor

2020年12月4日

関西電力大飯原発3、4号機の設置許可取り消しを歓迎する(談話)

社会民主党幹事長 吉田忠智

1.本日、大阪地方裁判所は、福井県にある関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機について、大地震への耐震性が不十分だとする原発に反対する住民側の請求を認め、原発の設置を許可した国の決定を取り消した。「地震で原子炉の冷却機能が失われたり、使用済み核燃料から放射性物質が漏れたりする具体的な危険がある」、「運転によって人格権が侵害される具体的な危険がある」などとして差し止めを命じた14年5月の福井地方裁判所以来の住民勝訴である。住民の不安や懸念に応えた画期的な判決として、心から歓迎する。

2.大飯原発については、原子力規制委員会が17年に、新規制基準を満たすとして設置許可を出したが、加圧水型炉でフィルターベント設置の5年間猶予を認めるなど、新基準自体に問題が多く、そもそも敷地内活断層の評価は先送りされ、評価の基本中の基本である基準地震動も基準津波高も未確定で、大飯は新基準に本当に適合しているのかという疑問も出されていた。原子力規制委員会で唯一の地震学者であり、地震動の想定に当たった当時の島崎邦彦東京大名誉教授も、熊本地震を踏まえ、地震を起こす断層の長さや深さが正確に把握できないことから、耐震設計の目安となる揺れが過小評価になっていると証言している。また、政府の地震調査委員会からも、より精度を高めた計算手法の確立には3年ほどかかるなどの声が出されていた。

3.新規制基準については、田中原子力規制委員長(当時)も「安全を保証するものではない」としており、新規制基準が設けられてから、原発の設置許可を取り消す司法判断は初めてであり、今回の判決は大きな意義を有すると考える。

4.いったん事故が起きれば、福井県だけではなく、人口集中地帯の関西圏全域に甚大な被害を及ぼすことは必至である。3号機は今年7月から、4号機は11月から定期検査で停止しており、3号機の再稼働は来年2月以降、4号機については1月の再稼働との見込みとなっている。脱原発の民意を蹂躙し、経済的利益のために、人の命と尊厳をないがしろにすることは断じて許されない。関西電力は、設置許可自体を取り消す今回の司法判断を重く受け止め、断じて再稼働を行ってはならない。政府と原子力規制委員会も、基準地震動や安全審査の見直しに直ちに取り組むべきである。

4.脱原発の意思と廃炉の準備、安全・安心な再生可能エネルギーへの転換こそが多くの国民が求めるものである。社民党は、他の野党と共同で衆議院に原発ゼロ基本法案(原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案)を提出している。改めて大飯原発の問題点を徹底追及するとともに、再稼動を許さず、引き続き広範な人々とともに、「脱原発」社会の実現に全力を挙げる決意である。

以上

anchor

2020年12月2日

種苗法の一部を改正する改正案の成立に抗議する(談話)

社会民主党幹事長
吉田 忠智

1.本日の参議院本会議で、継続審議となっていた種苗法の一部を改正する法律案が与党などの賛成多数で可決され、成立した。社民党は、違法な種苗販売や日本の優良品種の海外流出には種苗法に基づき厳しく対処する一方、農家が購入した種苗から栽培して得た種や苗を次期作に使う「自家増殖」について、これまでの原則容認方針を堅持し、収穫物の一部を自分の経営の範囲内で次の栽培で活用する農業者の権利を守る立場でのぞんできた。共同会派として、衆院農水委に、自家増殖について原則自由を維持するか「育成者権」が及ばない例外品種を設けるよう求め、都道府県の試験場などが持つ種苗生産の知見を民間に提供するよう促す「農業競争力強化支援法」の規定削除を求める修正案を提出したが、与党などの反対で否決されたことから、政府原案にも反対した。

2.種苗法は、新たに開発した農作物品種の保護を目的としているが、法改正のきっかけは、近年相次ぐ日本の農産物の種苗の国外流出である。現地での生産品が格安で流通する事例もあり、不正に歯止めをかけ、国産ブランドを保護していくことの必要性は社民党も否定しない。

3.一方で、最大の焦点は、農家が収穫物の一部を次期作の種苗として使う「自家増殖」を、これまでの「原則自由」から「原則禁止」に変え、育成権者の許諾なしに使えないようにする点であった。「自家増殖」は、コストを抑える意味からも、農業者が長年、続けてきた根幹の技術で、それが損なわれれば、現場の生産意欲を削ぎ、特に小規模農家の経営を圧迫する懸念がある。

4.現行法でも、登録品種を増殖しての第三者への譲渡は禁止されており、種苗の無断流出の規制には刑事告訴や、海外でその国の法令に則り育種登録することなどで、一定の対処は可能である。また、たとえ許諾制を導入するとしても、品目一律ではなく例外規定を設け、コメなど主要作物は対象外とするとともに、小規模農家は許諾免除とするなど、地域農業を守る視点が欠かせないが、改正案にはそうした配慮がないものであった。

5.許諾制が盛り込まれれば、それに関する事務手続や費用負担の増加などが見込まれ、海外の大手種苗メーカーが生産した種子を日本国内で品種登録して、高額な許諾料を設定することで、中小農家の経営を圧迫する恐れがある。さらに潤沢な登録料を支払うことのできる特定の民間企業による、種子の独占や市場の寡占化が進めば、種子の多様性が失われ、農家や消費者の選択肢を制限することにもなる。

6.2017年に、都道府県など公的機関が有する「種苗の生産に関する知見」を多国籍企業も含む民間企業に提供するよう求めた農業競争力強化支援法が施行済みである。18年には、主要農産物種子法が廃止されており、さらに今回の法改正で自家増殖禁止となれば、安価で優良な種を供給する公的種苗事業が根底から揺らぎ、地域農業にも深刻な影を落としかねない。その意味で共同会派の提出した修正案は、最大の懸念である「自家増殖」について、原則自由を維持するか「育成者権」が及ばない例外品種を設けるとしており、評価できるが、与党などにより否決された。社民党は、多くの農業者や市民とともに、今回の法改正に抗議するとともに、地域農業や農家、消費者の権利を守り、安定した農作物・食料を確保するため、全力で取り組んでいく。

以上

anchor

2020年12月2日

吉川貴盛元農相の献金疑惑について(談話)

社会民主党幹事長
吉田 忠智

1.自民党の吉川貴盛衆議院議員が、鶏卵生産大手「アキタフーズ」側から現金数百万円を受け取った疑いがあり、東京地検特捜部が関係者を任意で事情聴取していることが報じられている。一連の献金について、政治資金収支報告書に記載されていない疑いもある。また、「アキタフーズ」の前会長は、現金提供を認めたうえで、「違法の認識があった」、「業界のためだった」と話しているといわれる。

2.現金提供には、鶏卵業界に便宜を図ってもらう意図があった可能性があるが、吉川議員は、2018年10月から19年9月まで、安倍政権下で農相を務めており、在任中にも現金が提供されていたとされる。TPPや日欧EPA、農協改革、農業競争力強化などの新自由主義的農政を推し進め、種子法の廃止や漁業法、種苗法の改悪などを続けてきた安倍前政権において、砂糖の業界団体から脱法献金を受けて辞任した西川公也農水相、「強行採決」発言などで問題となった山本有二農水相はじめ、問題閣僚ばかりなのは、きわめてゆゆしき事態である。

3.政治倫理の確立は、議会政治の根幹であり、「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」とする政治倫理綱領に基づき、政治家の説明責任として、国民が納得する十分な説明を行い、疑惑に真摯に答えるよう強く求める。

4.報道内容が事実であるとすれば、政治資金規正法違反や公職選挙法違反、あっせん利得処罰法違反なども疑われるものであり、記載の訂正や返金ではすまされない、極めて悪質なケースである。法律違反が明らかになった場合は、当然、議員辞職すべきである。他の野党とも連携し、政治とカネの疑惑の真相究明をはかるため、臨時国会の会期延長を求め、厳しく追及していく。

以上

anchor

2020年11月27日

政治資金収支報告書等の公表に当たって

社会民主党総務企画局長 横田昌三

1.わが党の政治資金収支状況

 2019年の社会民主党の政治資金の概要について報告します。
 収入は、本年収入額が8億981万円、前年からの繰越額が10億9,092万円で、総額19億73万円となりました。支出は、本年支出総額が8億5,575万円で、翌年への繰越金が10億4,498万円となりました。
 対前年比では、本年収入額は3,083万円の減ですが、19年4月の統一自治体選挙と7月の参議院選挙という「2019政治決戦」に対応したことによるところが大きく、支出総額は2億3,402万円の増となっています。その結果、2020年への繰越額は4,594万円減となりました。
 収入の内訳ですが、党費が1億2,538万円、機関紙「社会新報」を主とする事業収入が2億6,936万円、支部からの収入が26万円、政党交付金を主とするその他の収入が4億759万円となっており、その他に寄附金収入が722万円あります。政党交付金は3億7,532万円で、本年収入額に占める割合は少し上がり46.3%となっています。
 19年の統一自治体選・参院選を「社民党存続を懸けた選挙」と位置づけ、積極的にカンパ活動に取り組んだこともあり、例年以上に、多くの方が応援カンパを寄せてくださった結果、寄附金収入は169万円増となりました。こうした期待にしっかり応えていかなければなりません。
 支出の内訳ですが、経常経費は、人件費が1億7,932万円、光熱水費が107万円、事務所費が4,140万円などで2億2,268万円となり、政治活動費は、寄附・交付金が3億9,470万円、機関紙誌の発行その他の事業費が1億127万円と大きく、選挙関係費の9,763万円、組織活動費の3,654万円、調査研究費の127万円、その他の経費の166万円などで、6億3,307万円となりました。
国政選挙がなかった18年と比べて、19年は、選挙関係費が9,555万円増となっているのが特徴的です。

2.政党交付金の使途状況

(1)全国連合および都道府県連合の合計の使途状況
 全国連合および都道府県連合の合計の収入額は、2019年度の国からの交付額3億7,532万円に前年末の基金残高2億651万円を加え、5億8,183万円となりました。
 全国連合および都道府県連合の合計の支出額は、6億5,146万円となっています。
 主な支出の内訳は、人件費が2,350万円増の1億6,667万円、選挙関係費が1億1,981万円増の1億2,389万円、寄附金が1,669万円増の2,746万円となる一方、機関紙誌の発行その他の事業費については226万円減の5,543万円となっています。19年4月の統一自治体選挙と7月の参議院選挙への対応によるところが大きくなっており、この結果、政党交付金の2020年への繰越額は、4,635万円減の1億9,866万円となりました。

(2)全国連合の使途状況
 次に全国連合の使途状況について報告します。
 収入は、19年度の国からの交付額3億7,532万円に前年末の基金残高2億651万円を加えた5億8,183万円です。交付額自体は減少しましたが、「2019政治決戦」に備え、基金残高を活用したため、前年度比で1億1,567万円の増となりました。
 支出は、対前年度1億4,871万円増の4億835万円となりました。なかでも支部政党交付金が8,072万円増の2億2,979万円となり、支出全体の56.3%を占めています。経常経費の7,373万円は、主に人件費となります。19年4月の統一自治体選挙と7月の参議院選挙への対応から、選挙関係費が皆増の5,364万円となりました。なお、機関紙誌の発行その他の事業費は540万円減の4,618万円でした。
19年末の基金残高は、1億7,348万円で、前年より3,304万円減りました。

3.党財政について

 社民党の財政上の課題が、長年続いている収入の減少です。政党交付金は、国政選挙を経るたびに年々減額され、19年も7月の参議院選挙結果による再計算があり、国からの交付金は当初決定額から886万円余の減額となりました。あわせて、党員数の減少や高齢化による党費収入の減少、社会新報などの部数減なども大きな要因となっています。政党交付金への依存度も上がっており、自前の財政基盤の確立の努力が求められています。そのためにも、新たな仲間を増やすことが重要であり、党勢拡大運動の取り組みはもとより、党活動や選挙闘争の財政基盤の大きな柱である機関紙誌活動や事業活動の一層の拡大・強化も必要です。
 2021年には必ず解散・衆議院総選挙が行われます。選挙資金を政党交付金に頼る傾向が続いていることから、次期衆議院総選挙に向けた選挙闘争資金の確保が財政運営の最大の課題です。機関紙誌拡大・党員拡大運動とあわせて経費の削減に努めるとともに、自前の財政づくりも進めていかなければなりません。地域に密着した運動をとおして党への支持を広げ、自治体や国政で議席増をめざしていきます。

4.政治資金について

 IR疑獄や菅原元経産大臣の公選法違反疑惑、河井元法相夫妻の公選法違反疑惑など、政治とカネを巡る不祥事が続いています。最近も、安倍前首相主催の「桜を見る会」とその「前夜祭」をめぐる疑惑に新たな動きがあり、公職選挙法違反や政治資金規正法違反、前首相の虚偽答弁が明らかになってきました。
 政治資金規正法の目的は、政治とカネの流れを透明にし、国民の監視と批判の下に置くことで、政官業の癒着や利権構造をつくらせないことにあります。政党交付金の使途は、政治家の私利私欲ではなく、主権者である国民が納得できるものにしなければなりません。クリーンな政治を実現し、政治への信頼を取り戻すために、企業・団体献金の禁止やあっせん利得処罰法の強化、政治資金に関する情報公開の徹底、税額控除の拡大やネット献金の推進など、政治資金制度の抜本改革に取り組んでいきます。

以上

anchor

2020年11月18日

「1票の較差」訴訟・最高裁判決について(談話)

社会民主党幹事長 吉田忠智

 1.「1票の較差」が最大で3.002倍となった、2019年7月の参議院議員通常選挙について、本日、最高裁判所大法廷は、「違憲の問題が生ずるほどの著しい不平等状態とはいえない」として、「合憲」と判断し、弁護士グループの選挙無効の請求を退け上告を棄却した。全国の高裁・高裁支部段階では、「合憲」が14件、「違憲状態」2件となっていた。最高裁が「合憲」と判断したとはいえ、投票価値の平等の憲法の要請から、民意が正当に反映されることが求められている。17年判決では、公選法の附則で「次回の選挙に向けて抜本的な見直しを検討して必ず結論を得るとされている」とされていることも受け止め、16年の選挙を「合憲」と判断していたが、さらなる是正に向けての立法府の決意はいまだ達成されていない。「合憲」判断に甘んじることなく、国会として、今度こそ抜本的な改革を実現し、一票の較差がなお2倍を越えている状況を早急に是正すべきである。

2.社民党は、諸外国に比べ少ない議員定数を削減することは限界であり、定数削減は立法府による行政監視の役割を減じるなどの問題点があることを指摘してきた。一票の較差の是正のためには、選挙区選挙におけるブロック制度の導入や議員定数を増やすことも検討すべきである。すでに社民党は、比例代表区と選挙区の二本立てを維持しつつ、現在の都道府県単位の選挙区を11ブロックに広げ、定数配分は人口及び都道府県数を最大限尊重して2倍未満に改正する努力を行うべきだとする案を提起している。

3.参議院では、「選挙制度協議会」や「選挙制度の改革に関する検討会」で議論が続いてきたが、自民党は、15年に合区を設ける「10増10減」案を強行した。その際の改正公選法の附則で「次回参院選に向け抜本的見直しを検討して必ず結論を得る」とされたことから、その後も「選挙制度に関する専門委員会」で精力的に議論をしてきたが、自民党は、18年に埼玉選挙区の2増、比例代表の4増・特定枠の設置を強行した。しかし、較差はぎりぎり3倍未満にするものにすぎず、合区の解消も実現されなかった。各党の真摯な協議にもかかわらず、党利党略で弥縫策を強行してきたことは許されない。

4.18年改正の際、「今後の参議院選挙制度改革については、憲法の趣旨にのっとり、参議院の役割及び在り方を踏まえ引き続き検討を行うこと」との附帯決議が付されている。今回の最高裁の判決を契機に、改めて選挙制度改革の議論を始めるべきであり、各党の合意の下、結論を得なければならない。社民党は、憲法が求める投票価値の平等をいかに実現するかの観点で、真の抜本改革の実現に向けて、全力で取り組みを強めていく。

以上