声明・談話

2020年11月18日

「1票の較差」訴訟・最高裁判決について(談話)

社会民主党幹事長 吉田忠智

 1.「1票の較差」が最大で3.002倍となった、2019年7月の参議院議員通常選挙について、本日、最高裁判所大法廷は、「違憲の問題が生ずるほどの著しい不平等状態とはいえない」として、「合憲」と判断し、弁護士グループの選挙無効の請求を退け上告を棄却した。全国の高裁・高裁支部段階では、「合憲」が14件、「違憲状態」2件となっていた。最高裁が「合憲」と判断したとはいえ、投票価値の平等の憲法の要請から、民意が正当に反映されることが求められている。17年判決では、公選法の附則で「次回の選挙に向けて抜本的な見直しを検討して必ず結論を得るとされている」とされていることも受け止め、16年の選挙を「合憲」と判断していたが、さらなる是正に向けての立法府の決意はいまだ達成されていない。「合憲」判断に甘んじることなく、国会として、今度こそ抜本的な改革を実現し、一票の較差がなお2倍を越えている状況を早急に是正すべきである。

2.社民党は、諸外国に比べ少ない議員定数を削減することは限界であり、定数削減は立法府による行政監視の役割を減じるなどの問題点があることを指摘してきた。一票の較差の是正のためには、選挙区選挙におけるブロック制度の導入や議員定数を増やすことも検討すべきである。すでに社民党は、比例代表区と選挙区の二本立てを維持しつつ、現在の都道府県単位の選挙区を11ブロックに広げ、定数配分は人口及び都道府県数を最大限尊重して2倍未満に改正する努力を行うべきだとする案を提起している。

3.参議院では、「選挙制度協議会」や「選挙制度の改革に関する検討会」で議論が続いてきたが、自民党は、15年に合区を設ける「10増10減」案を強行した。その際の改正公選法の附則で「次回参院選に向け抜本的見直しを検討して必ず結論を得る」とされたことから、その後も「選挙制度に関する専門委員会」で精力的に議論をしてきたが、自民党は、18年に埼玉選挙区の2増、比例代表の4増・特定枠の設置を強行した。しかし、較差はぎりぎり3倍未満にするものにすぎず、合区の解消も実現されなかった。各党の真摯な協議にもかかわらず、党利党略で弥縫策を強行してきたことは許されない。

4.18年改正の際、「今後の参議院選挙制度改革については、憲法の趣旨にのっとり、参議院の役割及び在り方を踏まえ引き続き検討を行うこと」との附帯決議が付されている。今回の最高裁の判決を契機に、改めて選挙制度改革の議論を始めるべきであり、各党の合意の下、結論を得なければならない。社民党は、憲法が求める投票価値の平等をいかに実現するかの観点で、真の抜本改革の実現に向けて、全力で取り組みを強めていく。

以上