声明・談話

2020年8月6日

広島の原爆の日から75年を迎えて(談話)

社会民主党幹事長 吉田忠智

1.人類に対する初めての原爆投下から、広島は75年目の夏を迎えました。すべての犠牲者の皆様に哀悼の誠を捧げるとともに、残されたご遺族の方々、そして今もなお健康被害などに苦しまれている皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。社民党は、再び核兵器による犠牲者を出さないよう、核廃絶と恒久平和の実現に全力を挙げることを改めて誓います。

2.2017年7月、被爆者の願いであった、核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約が122か国の賛成によって国連で採択され、12月には、ノーベル平和賞が「核兵器廃絶国際キャンペーン」ICANに授与され、非人道的な核兵器の廃絶に向け、国際社会が大きな一歩を踏み出しました。しかし、残念ながら3年がたっても、いまだに核兵器禁止条約は発効に至っていません。一方、米トランプ政権は、核爆発を伴わない臨界前核実験を西部ネバダ州で繰り返し行っています。2018年2月に公表した新たな核戦略指針「核態勢の見直し(NPR)」でも、通常兵器に対する反撃にも核兵器の使用を排除せず、小型核や海洋発射型の核巡航ミサイルなど新たな核兵器の開発にも道を開くなどの方針を盛り込みました。2019年8月、中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効し、NPT再検討会議も2021年までの実施へと延期されました。来年2月には新戦略兵器削減条約(新START)の期限が切れ、このままでは核超大国・米ロ両国の軍縮・軍備管理条約がなくなってしまいます。北朝鮮の核問題についても前進が見られないままです。唯一の戦争被爆国・日本こそ、70年以上にわたって核廃絶を訴えてきた被爆者や世界中の核廃絶を願う人々の思いを誠実に受け止め、条約を署名・批准して「締約国」となることはもとより、条約の発効に全力を尽くすとともに、核使用禁止の国際的機運を高め、核のない世界を目指し、積極的にリーダーシップを発揮していくよう求めます。

3.被爆者は、被爆者健康手帳所持者だけでも、この1年で9162人減り、全国で13万6682人になり、平均年齢は83・31歳となりました(厚生労働省の今年3月末のまとめ)。年々高齢化が進み、人数が減って行く中で、残された被爆者援護課題の前進・解決を急がねばなりません。行政の頑なな姿勢によって被爆者の人権がいまも侵され続けていることは問題です。7月29日、原爆投下で放射性物質を含んだ「黒い雨」を浴び、健康被害が出たとして住民らが県や広島市を相手に被爆者健康手帳の交付などを求めた裁判で、広島地裁は、原告の訴えを全面的に認める初の司法判断を下しました。原告84人のうち12人はすでに亡くなっています。国は、援護区域の外であるとして切り捨ててきましたが、早期救済に向けた政治判断を強く求めます。原爆の被害を過少に評価し続け、被爆者の立場に立とうとしない姿勢が核兵器の容認につながっていきます。社民党は、被爆者のたたかいを支援し、政府の姿勢を正していきます。

4.本年は新型コロナウイルスの影響で、広島の平和記念式典も規模を縮小し参列者の数も減らされました。各地の慰霊・式典も多くの皆様が参加が難しい状況です。しかし、被爆者や関係者の核廃絶の思いは、より大きくなっていることと確信しています。新型コロナウイルスは、世界に分断と対立をもたらす一方で、新しい支え合いや連帯のあり方を私たちに指し示しています。核兵器の脅威に世界が連帯して立ち向かい、核廃絶を目指すことが必要です。社民党は、75年という節目の年に、社民党は、今後とも被爆者はじめ日本国民の核兵器廃絶と平和への願いに寄り添い、全力で取り組む決意を明らかにします。

以上