声明・談話

2020年5月14日

緊急事態宣言の区域変更について(談話)

社会民主党幹事長 吉田忠智

1.政府は本日、全国を対象に発出していた緊急事態宣言の区域を変更し、特定警戒都道府県の茨城、石川、岐阜、愛知、福岡の5つを含む39の県を対象に解除することを決定した(愛媛県は条件付き)。本来、私権制限は謙抑的であらねばならず、緊急事態宣言の解除自体は歓迎すべきである。しかし、安倍首相が緊急事態宣言の延長を表明したのはつい先週のことである。政府自身、この間、感染が疑われる場合には2週間の経過観察が必要だとしてきた。正確な分析は2週間かかるといってきたのに、1週間で判断できる理由もはっきりしない。経済への影響を抑えたいあまり、前のめりになっていないか、懸念は残る。

2.大型連休が終わり、全国的に新規の感染者数が抑えられているといえるが、これは、国民・事業者の皆さんの大変な努力や医療従事者はじめとする多くの皆さんの献身の成果である。しかし、政府専門家会議の尾身茂副座長も、「報告されているよりも、感染者の数が多いことは間違いない」と国会で述べているように、最大の問題は、感染の実態が正確に掴めていないことである。安倍首相が1日にPCR検査2万件と言っても、まだそれは実現されておらず、海外からもPCR検査数の少なさに対する疑問が出されている。緊急事態宣言を解除するかどうかについて、その判断基準となる科学的・疫学的データが欠如している状態で、どのようにして安倍首相が延期や解除を決めることができたのか、ただされなければならない。

3.そもそも安倍首相が、5月4日に、今月31日までの延長を表明したときは、「収束への1か月」と言いながら、「長期戦を覚悟」と矛盾した言い方であった。「5月14日」とか「5月21日」、「5月末」という期限自体、どういう理由で設定したのか。解除の基準にしても、本来、宣言をする際に見通しを明らかにし、科学的データによる基準に基づいて、該当する県から解除するのが筋であるにもかかわらず、「厳しすぎれば実現できない」として基準づくりが難航していたこと自体、本末転倒である。首相自身、6日夜のネット番組で、「今月半ばをめどに専門家から意見を聞き、宣言を解除するか判断する意向を改めて示したうえで、判断にあたっての基準を専門家に依頼して作成する」としたが、発出の基準も延長の基準も解除の基準もないまま、宣言ありき、延長ありき、解除ありきだったということになり、前のめりの解除ありきで基準を作ったとすれば、その姿勢は見過ごせない。また、この間強調している「8割」というのは、人出なのか、接触なのかも曖昧である。今回、全国を特定警戒都道府県、感染拡大注意都道府県、感染観察都道府県に分けるとするのも、区分する基準や緊急事態宣言との関係、休業範囲や生活様式の違いがよくわからない。緊急事態宣言の必要性と効果、延長や解除、再宣言の判断や基準の根拠、第二波・第三波への準備、新たな区分と生活様式等について、国民へしっかりと説明責任を果たすよう求める。

4.宣言が解除されても、新型コロナが終息したわけではなく、一定の自粛・自制は続けざるを得ず、支援や補償は不可欠である。しっかりとした検査体制と、医療提供体制を早急に確立するとともに、家賃支援や学生支援、子ども支援、雇用調整助成金の引き上げ、見なし失業などのてだてを早急に講じるべきである。社民党は、「補償なくして自粛無し」の立場で、共同会派や与野党連絡協議会、政調会長協議の場を通じて、困っている皆さんへの速やかな支援が実現できるよう、さらなる制度改善や第二次補正予算に全力をあげる。

以上