声明・談話

2020年2月29日

新型コロナウイルス対策に関する安倍首相の記者会見について(談話)

社会民主党幹事長 吉田忠智

1.新型コロナウイルス対策に関して、これまで一度も正式な記者会見を開いていなかった安倍首相が、本日夕刻、ようやく記者会見を行った。なぜ安倍首相自身が国民の前で説明しないのかと疑問に感じてきたが、遅きに失した対応である。軍事的安全保障には強気の対応をする安倍首相だが、台風などの災害やウイルスなどには極めて鈍感だ。内容も、騒ぎになったため、国民に対応策を示しておこうというような程度に過ぎず、この期に及んで「決断する総理」イメージや「やっている感」をアピールするような会見であり、ほんとうに国民の不安や懸念、疑問、不信に応えるものとは思えなかった。

2.安倍首相が本部長を務める「新型コロナウイルス感染症対策本部」がようやく25日に感染対策の基本方針を決定したが、国民をはじめ自治体や企業に責任を丸投げする内容だった。しかも、首相自身は宴会場での懇談会に出席したり、会見での会食にいそしんでいる有様だった。27日には突如として、「英断を下した」と言わんばかりに、全国すべての小中高校と特別支援学校に一斉臨時休業を要請することを打ち出した。本来は専門家の科学的な知見に基づいて、政府が明確な基準を示すべきものだった。しかし、専門家会議で議論した方針ではなく、感染症対策として適切かどうかも一切相談なく決められたものだ。補償や業界の救済などについても一切念頭に置いていなかった。「多くの子どもたちや教員が日常的に長時間集まることによる大規模な感染リスクにあらかじめ備える」というのに、なぜ保育所や学童保育の感染リスクはなぜ考慮しないのか。そして、現場から混乱や困惑、批判があがると、またもや教育委員会や自治体に丸投げするかのような対応だ。

3.一斉臨時休業要請は、共稼ぎ世帯やシングルペアレント世帯、派遣社員やパートタイマーなどの非正規雇用労働者、医療関係者など多くの人たちが仕事を休める環境にあるのか、また休む場合の休業補償など、何も対応策も練らずに見切り発車するだけの「パフォーマンス」だった。安倍首相は休校に対し、「有給休暇を取りやすいよう対応してくださいとお願いする」として個々人の有給休暇の取得を促したが、有休は労働者の権利であり、国の要請による休校とは次元が異なる。非正規雇用労働者を始め、有休が取れず仕事を休むことで給料が減り、生活が困窮する家庭も出てくる。消費税増税で打撃を受けている中小企業もどこまでカバーできるのか。雇用調整助成金で対応するといっても、非正規雇用労働者の6割しか雇用保険に加入しておらず、4割は対象外となる。すでに夫婦子二人のモデル世帯は少数なのに、いまだに休校しても専業主婦が家で面倒をみられるという伝統的家族観にとらわれているのか。多くの国民が抱いている休校中の保護者に対応する国の補償について、「つまんないこと」などと言う安倍政権は、国民生活の実態がわかっていないのではないか。

4.安倍政権の場当たり的、五月雨的な対応、後手後手の対策が社会の混乱を招き、国民の不安だけが広がっている。「先頭に立ってなすべきことを決断していく決意」というが、安倍政権への信頼がない。「政治は結果責任」といいながら、これまでの様々な疑惑から逃げ回り、水際阻止対策の失敗の責任もとらない。「命と暮らしを守る大きな責任を先頭に立って果たしていく」というものの、安倍首相の「リーダーシップ」を大きな疑問を抱かざるを得ない。今日の会見で安倍首相は、今後の対応に関する立法措置に言及したが、東日本大震災時には、当時の民主党政権は当時の野党も参加する対策会議を設置し、立法府として現状をつかみ、英知を出し合った経験がある。すでに共同会派としても提言をとりまとめ、必要な立法措置についても作業を急いでいる。安倍首相の会見が自己保身のパフォーマンスでないのなら、各党にも協力を呼びかけるべきである。社民党も国民の命と健康を守るため、新型コロナウイルス対策に全力で対応していく。

以上