声明・談話

2020年2月28日

2020年度政府予算案の衆議院通過について(談話)

社会民主党幹事長 吉田 忠智

1.本日の衆議院本会議で、2020年度政府予算案が可決し通過した。2年連続で100兆円を超え過去最高の水ぶくれとなった予算だが、社民党は、消費増税依存と防衛費膨張、大企業優遇予算となり、暮らしの安心にほど遠く、「社会を底上げする予算」への転換を求める立場から反対した。なお共同会派として、マイナンバー関連やカジノ関係の予算を削減し、新型コロナウイルス対策の強化などをはかる組み替え動議を提出したが、否決された。

2.消費税収が基幹三税の中で最大の21兆7190億円となる一方、所得税・法人税収は減収を見込んでいる。税収が63兆5130億円となり、バブル期を超えて過去最高というが、その内実は、消費税増税による増収分に他ならない。アベノミクスの失敗、消費税増税により、国民生活は疲弊している。こうした中で、大企業や富裕層を優遇する不公平税制は断じて容認できず、消費税頼みの税収確保策から脱却すべきである。

3.安倍政権は前年度に引き続き、消費税率引き上げに伴う需要変動の平準化を図るなどと称し「臨時・特別の措置」としてキャッシュレスポイント還元事業(2703億円)やマイナンバーカードを活用した「消費活性化策」(2478億円)などを講じるが、昨年10~12月期の実質GDPが年率6.3%減と大きく落ち込むなど、消費税増税ならびにその経済対策は失敗であると言わざるを得ない。

4.社会保障費は、対前年度比5・1%増、1兆7302億円増の35兆8608億円となり、8年連続の増で過去最高を更新したが、大半は幼保無償化や高等教育の修学支援であり、概算要求段階で5353億円としていた高齢化や医療の高度化に伴う増加幅(自然増)は1200億円も圧縮され4111億円に抑えられた。公的年金の給付水準の引き下げ)や後期高齢者医療制度の窓口負担の2割負担の22年度導入なども予定されている。

5.一方、防衛費が2019年度補正予算では一度の補正としては過去最大の4287億円、本予算案でも過去最大の5兆3133億円が計上されるなど、膨張に歯止めがかからない。戦闘機F2の後継機の開発費111億円が初めて計上されるとともに、また海上自衛隊の中東派遣に関する護衛艦の燃料費や人件費、護衛艦いずもの空母改修費なども計上された。「専守防衛」の枠を越える防衛力整備には断じて容認できない。

6.沖縄振興予算は、概算要求から大幅に削減され、3年連続で同額の3010億円となり、しかも自由度の高い沖縄振興一括交付金は6年連続で減らされた。一方で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設事業を含む米軍再編関係経費は、1937億円が計上されており、辺野古新基地建設に反対する県民の民意を無視して工事を強行する安倍政権の姿勢は許されない。

7.新型コロナウイルスの感染が拡大する中、本予算案には、その対策費が計上されていない。検査・医療体制の整備、観光・運輸分野、サプライチェーン等への経済的影響に対応するためにも、早期に予算措置を大胆に講じるべきである。参議院では、「桜を見る会」の疑惑やカジノ疑獄、菅原前経産相や河井前法相夫妻の公選法違反問題、自衛隊の中東派遣問題、新型コロナウイルス肺炎対策、東京高検検事長の定年延長問題など、安倍政権の問題点を引き続き徹底追及するとともに、消費税増税による国民生活の疲弊をはじめ、国民目線で経済や予算案、財政全体の問題の議論を深めていく。

以上