声明・談話

2020年1月30日

2019年度補正予算案の成立について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.本日、2019年度補正予算案が成立した。相次ぐ災害に対応するため、補正予算の早期編成を求めてきたが、補正予算の編成時期が遅いだけでなく、財政法29条の「予算作成後に生じた特に緊要となった経費の支出のために編成する」との趣旨を逸脱した内容が多く盛り込まれている。社民党は、災害対策関連部分は賛成であるが、歳入歳出の両面にわたり問題が多いため、2019年度補正予算案に反対した。

2.防衛費が過去最大の4287億円も計上されるなど、膨張が際立っている。「兵器ローン」の返済(歳出化経費)は、3807億円と89%を占め、F35Aステルス戦闘機など米国のFMS(有償軍事援助)に基づき、米国政府から輸入する兵器の調達費は1773億円となった。20年度の防衛費の伸びを小さく見せようという狙いがあるだけでなく、兵器の「爆買い」によって、当初予算では、新規兵器の頭金すらまかなえない実態を反映するものといえる。厳しい財政事情といいながら、防衛費を「聖域扱い」し、補正予算を「第二の財布」として、当初予算の事業を「前倒し計上」する粉飾的手法を常態化させていくことは、断じて容認できない。

3.政府は「内需を中心に緩やかな回復を続けている」との経済認識だが、税収は2兆3150億円も下振れしている。経済が回復しているのであれば、減収は発生せず、経済対策も不要なはずであり、政府の認識は矛盾していると言わざるを得ない。特に、所得税や法人関係税、消費税、関税の減収は、景気の落ち込みを示している。アベノミクスがうまくいっていることを見せようとして、経済見通しを高く見積もったものの、消費税増税を含めたアベノミクスの失敗によって、日本経済が悪化している傾向が大幅減収にあらわれている。キャッシュレス・ポイント還元事業が1497億円計上されているが、消費税増税をしておきながら消費税収が3300億円も下振れするという本末転倒の事態となっている。昨年10月からの消費税増税ならびにその対策は失敗であり、転換を図るべきである。

4.財政法の特例を講じ、本来、2分の1は国債償還に充てるべき決算剰余金を財源として活用する。20年度予算の国債発行額を抑制し、借金を小さく見せるため、決算剰余金のうち約5000億円は20年度当初に回すという異例の措置がとられるが、財政の実態をゆがめることになる。

5.国税5税の減収に伴う補正交付税法案については、すでに自治体に配分している交付税について、国への返還が生じ、年度末の自治体の財政運営に混乱をもたらすものになりかねないことから、財源補填の手法自体に問題なしとはしないが、賛成した。なお、災害復興のための特別交付税の増額は、被災地の要望を受けて社民党も求めてきたものであり、当然である。

6.今後、2020年度予算案の審議に入るが、「社会保障は削減ありき、防衛費は青天井」という予算自身の問題点、消費税増税と社会保障の抑制・負担増の「全世代型社会保障」改革について、国民生活を重視する立場から真摯な論戦を挑んでいくとともに、「桜を見る会」疑惑、カジノ疑獄、自衛隊の中東派遣、河井前法相夫妻や菅原前経産相の公選法違反問題などの問題を徹底的に追及し、安倍政権を退陣に追い込んでいく。

以上