声明・談話

2019年12月19日

全世代型社会保障検討会議の中間報告について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1、本日夕刻、政府は全世代型社会保障検討会議の中間報告を発表した。

 同会議は、安倍晋三首相が「全世代型社会保障に向けた改革は最大のチャレンジだ」と意気込んで本年9月に始まった。首相自ら議長を務め、全世代型社会保障改革担当大臣を西村康稔経済財政・再生相が兼務する。構成員も、財務、経済産業などの5大臣と経団連や経済同友会の財界人が前面に出て、社会保障費の抑制と営利化が推進されようとしている。また、政府の関係審議会会長らは、これまで社会保障や労働法制の改悪を牽引してきた顔ぶれが多い。一方、労働界、医療・介護分野、受給者などの代表はおらず当事者が不在だ。14人中女性は2人のみ、若い世代もいない。そもそも全世代が安心して暮らせるための議論は期待できない。

2、中間報告の内容は、従来の年金、医療、介護に働き方が加わり、具体的な方向性が示されている。「年齢ではなく負担能力に応じた負担という視点を徹底すしていく必要がある」との考えを示すが、実際は全世代にわたる社会保障の負担増、給付抑制である。

 年金については、厚生年金の適用範囲の拡大、在職老齢年金(60~64歳の低在老)の改善は一定評価できるが、受給開始時期の選択肢の拡大については、65歳時点での給付水準が引き下げられかねない。

 高齢者雇用については、働かざるを得ない無年金・低年金者の問題が隠され、労働者保護の観点、安全と健康の確保が不十分だ。

 医療では、75歳以上の後期高齢者の窓口負担(1割)を一定額以上の所得がある人について2割にする制度を新設する。

 予防・介護では、保険者努力支援制度の抜本的な強化を図るとしている。現在、社会保障審議会介護保険部会では、要介護1,2の生活援助サービスを保険者(市町村)の裁量で行う「総合事業」に移し国の給付から外すことが検討されており、それを後押する内容だ。

3、政府は、団塊の世代が75歳以上になり始める2022年度を前に社会保障費の給付削減と負担増の徹底にやっきになっている。同会議は来年夏に最終報告を取りまとめるが、それより先に、中間報告は、来年の通常国会から始まる関連法案の提出時期を明記している。自民党内の人生100年時代戦略本部とも歩調を合わせる強引な進め方だ。国民の生活を脅かす勇み足を止めなければならない。

4、安倍政権による自己責任論が押し付けられるなかで、医療・介護の負担や貧困に耐えかねての自殺、家族間の殺人・心中が後を絶たない。社会保障制度が脆弱で十分機能していないことが原因だ。社民党は、憲法25条「健康で文化的な最低限度の生活」を基盤とし、持続的な社会保障の改革を目指していく。

以上