声明・談話

2019年11月8日

ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給法案等の衆院委員会可決について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.本日、衆議院厚生労働委員会で、「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案」と「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の改正案」が全会一致で可決された。新法案は、ハンセン病元患者の家族に対し、これまでに被った精神的苦痛を慰謝するための補償金の支給を行うものであり、改正案は、家族を名誉回復規定の対象に追加するとともに、医療及び介護に関する体制充実を図るものである。「らい予防法」を中心とする国の誤った隔離政策により、元患者のみならず、その家族も耐え難い人権侵害を受けてきた。両法案は、長年放置され、きちんと認識されてこなかった元患者家族の被害を救済するものであり、大きな前進と言える。

2.本年6月、熊本地裁は、家族への差別について国に賠償を命じた。政府は控訴せず、安倍首相が謝罪した。その後、補償の制度作りに向けて厚生労働省と家族・弁護団が協議するとともに、超党派の「ハンセン病対策議員懇談会」と「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の合同ワーキングチームが法案の策定を担ってきた。社民党は、議員懇談会や共同会派の会議において、ハンセン病元患者の家族が多大の苦痛と苦難を強いられてきたことについて、国及び政府の責任を明確にしたうえで、反省、おわび、偏見・差別の根絶の決意を新法案の前文に明記するように強く要求し、実現することができた。

3.補償金として、元患者の親子や配偶者に1人180万円、兄弟姉妹や他の同居していた家族に130万円に支給することになった。地裁判決より額を上積みし、判決が家族に含めなかった同居のおい、めい、孫らも対象とするとともに、裁判で棄却された人、裁判に参加していない人にも拡大する等、より家族側に立った内容にすることができた。また、外部有識者で構成する認定審査会を設置し、確認資料が整わない場合でも、「門前払い」をしない方針となっている。

4.熊本裁判の原告561人のうち、実名を明かしているのは団長ら数名である。法の実効性を高めるためには、プライバシーへの配慮を徹底しつつ救済漏れを防ぐ必要がある。家族は、元患者との間で望んだ家族関係をつくることができなかったうえに、「らい病」予備軍とみなされ、就学、就職、結婚等で偏見・差別にさらされてきた。10月に、原告側と厚生労働、文部科学、法務の3省で作る協議の場ができ、各省はシンポジウムや啓発冊子を配布してきたことを説明したが、元患者と家族らは不十分だと指摘し、「国の施策を根本から見直してほしい」と訴えている。差別解消はこれからであり、社民党は、両案の早期成立を期すとともに、今回の新法制定と法改正の実現を、置き去りにされてきた被害の回復に向けた新たな一歩とし、ハンセン病に対するいわれない差別や偏見を根絶するためにさらに努力を積み重ねていく。

以上