声明・談話

2019年4月24日

「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する
一時金の支給等に関する法律案」の成立について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.本日、与野党議員が協力してまとめた超党派の議員立法「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律案」が参議院本会議において全会一致で可決・成立した。公布日から施行される。旧優生保護法(1948~96年)下で障がい者らに強制的な不妊手術が繰り返されてきた。本法案は、被害者が心身に多大な苦痛を受けたとして「われわれは、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびする」と前文に明記し、不妊手術を受けた被害者に一時金320万円を支給する等の内容である。差別的な旧法は約50年間続き、法改正からも20年以上が経つ。ようやくこの問題に国会が向き合い、本法案が成立したことは、大きな前進と言える。

2.法案の成立にあたり、安倍晋三首相は、「政府としても、旧優生保護法を執行していた立場から、真摯に反省し、心から深くお詫び申し上げます」と文書で談話を発表した。行政府の長が、初めて被害者に向き合い、反省とお詫びを示したことは評価できる。

3.しかし、残念ながら、本法案も談話も、被害当事者らに心から喜んでもらえるものとはならなかった。旧法の違憲性や救済策を講じなかった国の責任についてまったく触れていないこと、一時金が被害の実態に比べあまりに低いこと等からである。現在、全国7地裁20人の原告が国賠訴訟を起こしており、この課題は司法判断を待つことになる。社民党は裁判の様子をみながら、被害の回復をさらに求めていく。

3.当面の課題は、高齢化する被害者に着実に一時金を届けることである。プライバシー保護の観点から個別通知をしないことになっているが、被害者の名簿など記録は残っており、実施状況によってより柔軟な周知が求められる。また、一時金は、対象者が厳しくはじかれることのないよう一律額の支給となっている。ナチス政権下で障がい者らに不妊手術を強制したドイツでも、1980年代当初の補償は一時金支給だった。その後、後遺障がいなどで医療費等の支出が続く被害者に考慮し、年金制へ移行し、金額も段階的に引き上げられた。日本においても、被害の実態がさらに明らかになるなかで、それに見合った対応が必要となる。

4.本法案の成立は出発点である。同じ過ちを二度と繰り返してはならない。国会の場で被害者の意見を聞く機会は設けられなかったが、今後、国が行うことになっている調査では、不可欠である。社民党は調査をチェックし、再発防止のための徹底検証をすすめていく。

以上