声明・談話

2019年4月19日

アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策

の推進に関する法律案の成立について(談話)

 社会民主党幹事長
吉川はじめ

 1.本日の参議院本会議で、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案(アイヌ支援新法)が成立した。社民党は、問題や課題は残されているが、アイヌ民族を「北海道の先住民族であるアイヌ」として法律で初めて明記した意義を受け止め、国民との共生や格差の是正を図り、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会」を実現する第一歩として賛成した。

2.2008年、衆参両院の本会議において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が行われ、その前年には、国際連合において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されるなど、国内外において、先住民族への配慮を求める要請が高まっていた。また、アイヌの人々からは、従来の福祉政策や文化振興に加え、地域振興、産業振興、観光振興を含めた様々な課題を早急に解決することが求められていた。

3.残念ながら、アイヌ支援新法は、差別や格差を生んだ国の責任に触れておらず、アイヌの権利を侵害し、アイヌ民族の暮らしの糧を奪い、困窮を強いてきた同化政策に対する政府の反省と謝罪もみられない。アイヌ人骨や副葬品盗掘に関する補償や謝罪もなされていない。2007年の国連の「先住民族の権利に関する国際連合宣言」の先住民族の主権を尊重する世界標準の水準からはほど遠く、先住権に基づく資源権や伝統的狩猟権、自己決定権の保障、実効ある差別対策など、問題点や課題も残されている。また、多様なアイヌの意見が反映されていないなど、アイヌ当事者の法案作成への関わり方も不十分であるといわざるをえない。

4.社会党時代に、初めてのアイヌ民族出身の萱野茂参議院議員を誕生させた社民党は、「アイヌ民族が先住民族である」という判例やアイヌ文化振興法の成立、アイヌを「先住民族」と認めた2008年の国会決議の実現に尽力してきた。その後も、アイヌ民族の法的地位に関する質問など、アイヌ民族の権利回復に取り組んできた。昨年も国連人種差別撤廃委員会から、「アイヌ民族の土地や自然資源への権利を十分保障すべきだ」と勧告を受けており、社民党は、2007年の「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を活かし、長年に渡って塗炭の苦しみを味わってきた植民地支配に基づく差別や貧困・格差などの解決、先住権に基づく資源権や伝統的狩猟権、自己決定権の保障、実効ある差別抑制策など、法案の残された課題の解決に向けて、今後とも引き続き全力で取り組む。

以上