2019年度政府予算案の衆議院通過について(談話)

声明・談話

2019年3月2日

2019年度政府予算案の衆議院通過について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.社民党はじめ立憲野党は、審議に必要な資料が提出されていないにもかかわらず、2019年度政府予算案の審議を打ち切り採決を強行しようという与党の横暴に対し、根本厚労相の不信任決議案を提出して闘った。しかし、与党の数の力によって、不信任案は否決され、予算案も衆議院を通過した。消費税増税を前提として不要不急の事業をばらまき、防衛費を青天井で膨張させる一方、社会保障費の自然増は1200億円削減、復興庁予算は過去最少を更新するなど、消費税増税と選挙対策で初の100兆円超予算となった本予算案は断じて容認できるものではなく、社民党は断固反対した。

2.「統計不正」という政権の不祥事が発覚し、一度閣議決定した予算案を再度1月18日に決定し直す前代未聞の事態となった。予算審議では、「統計不正」問題が大きな焦点となり、野党は、「アベノミクス偽装」や官邸の関与なども厳しく追及した。しかし、真相解明をさせまいかとするような対応が目立ち、首相官邸の関与や政治責任のあり方などについても逃げの一手である。厚労省の特別監察委の追加報告書は、隠ぺいを隠ぺいするような中身であり、共通事業所の実質賃金も、今日に至っても出されていない。賃金構造基本統計の予算についても、郵送で調査していたにもかかわらず、本来行うべき調査員による訪問調査を前提に予算を確保していた点の是正もなされていない。

3.消費税増税対策のための「臨時・特別の措置」として、総額2兆280億円が計上されている。しかしながら、不正に基づく統計などをもとに、アベノミクスがうまくいっているとの前提で消費税増税を決定していたとなれば、根拠となるデータ自体が不正の上にある予算案にも瑕疵があると言わざるを得ない。また、「臨時・特別の措置」において、いわゆるポイント還元やプレミアム商品券、すまい給付金、次世代住宅ポイント制度などの施策が盛り込まれた。しかし、ポイント還元はそもそもクレジットカード等を持たない人には恩恵がなく、プレミアム商品券もかつて経済効果がなかった施策の焼き直しである。さらに、「防災・減災、国土強靱化対策」として1兆3475億円を盛り込むなど、牽強付会のこじつけに他ならない。そもそも消費税増税を実施しなければ不要な施策であり、消費税増税の中止を求める。

4.防衛費については、すでに第2次補正予算において4000億円が計上されたが、本予算案においても7年連続の増額で過去最大の5兆2574億円が計上され、膨張に歯止めがかからない。米国の高額兵器を米政府の言い値で調達する有償軍事援助(FMS)は、対前年度約7割増の7013億円が計上されている。F35ステルス戦闘機、イージス・アショアの購入、「いずも」の攻撃型空母への改修に向けた調査研究費など、「専守防衛」の枠を越え、憲法の禁じる敵基地攻撃能力の保有に踏み出すことは、断じて許されない。

5.本予算案には、沖縄県民の民意を無視し強行している辺野古新基地建設予算が盛り込まれている。しかも基地建設に反対する沖縄県への沖縄振興一括交付金を減額して過去最低の水準とする一方、県を通さない市町村への新たな交付金「沖縄振興特定事業推進費」30億円が新設される。露骨な基地と予算のリンク論は、到底認められない。

6.東京電力福島第一原発の事故の収束もできない中、「地球温暖化対策」を名目に原発の生き残りを図ろうとする「原子力ムラ」の思惑に沿い、新型の小型炉や軽水炉などの開発費が含まれていることは、絶対に看過できない。

7.社民党は、アベノミクスの問題点を明らかにし、GDPの6割を占める個人消費拡大や、地域、中小企業を元気にする経済政策への転換を強く求めていく。あわせて、「統計不正」問題の徹底究明、軍拡予算や安倍外交の問題点の追及、辺野古新基地建設の阻止など、参議院において、アベ政治の暴走を止めるための深掘りした論戦を展開していく。

以上