中西経団連会長の「再稼働をどんどんやるべきだ」との妄言に強く抗議する(談話)

声明・談話

2019年1月16日

中西経団連会長の「再稼働をどんどんやるべきだ」との妄言に強く抗議する(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.日本経団連の中西宏明会長は、昨日の会見で、原発について、「再稼働をどんどんやるべきだ」などと述べた。いまだに原発が「安全」、「安い」という神話にしがみつき、財界の利益追求の姿勢を露骨に示しただけでなく、「3.11」の反省と教訓をないがしろにし、現在も悲惨な原発事故の苦しむ多くの避難者・被害者を切り捨てる妄言であり、断じて許されない。社民党は強く抗議する。

2.中西氏は、「安全について十分議論し尽くしている原発も多い。自治体がイエスと言わないので動かせない」と言うが、実効性のある原子力防災計画や避難計画もない。火山噴火リスクや複合災害リスクも高まっている。自治体が住民・国民の「命と安全」を最優先に対応するのは当然であり、非難されるいわれはない。

3.また中西氏は、「福島以降、原子力の真正面からの議論が不足しているのではないか。皆さん、それを言い出すと選挙に落ちると」して、国民的な議論を呼び掛けた。しかし、将来的に「原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」とした民主党政権時代のエネルギー政策は、半年以上にわたる審議会での議論や「討論型世論調査」をはじめとする国民的議論を踏まえて決定したものであるのに、これを反故にしたのが原発推進派であることを忘れてはならない。

4.安倍政権は、成長戦略で原発再稼働・原発輸出を柱にすえ、多くの国民の反対を押し切り、原発再稼働・原発輸出を強行している。しかし、世界の趨勢は、明確に脱原発の方向である。また、ドイツのシーメンスやアメリカのGEが原発事業から撤退するなど、「原発ビジネスに未来はない」というのが世界的常識である。東芝の傘下にあった米原子力発電会社のウェスチングハウス(WH)が破産を申請し、その結果東芝は上場廃止の瀬戸際にまで追い込まれた。中西会長の出身である日立製作所も、英国への原発輸出計画が失敗し、同社は今年3月期連結決算で最大3000億円の損失を計上せざるを得なくなっている。英国での原発建設の中断の報が伝わると日立の株価が8.64%上昇したのは皮肉である。もはや経済界にとっても原発は大きなリスクであることは明らかだ。

5.原発がなくても、電力は十分に確保されている。原発は事故が発生しなくても放射性廃棄物を生み続けるが、最終処分場の目途も立っていない。国民の大半が原発ゼロを望んでいることは明白であり、福島の事故を踏まえた民意こそ実現すべきである。昨年2月の、原発事故被害者の故郷に生きる利益侵害を認定した東京地裁判決や、強制避難を前に自死した当時102歳の男性の「耐え難い精神的負担」を認めた福島地裁判決は、平穏な日常生活を根こそぎ奪う原発事故の罪深さを示している。社民党は、他の野党と協力して、原発ゼロ法案の成立を目指すとともに、今後とも「原発いらない」と願う多くの皆さんとの連携を強化し、「人間の復興」と「脱原発社会」の実現に邁進していく。

以上