声明・談話

2019年1月11日

「毎月勤労統計調査」の不正について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.本日、厚生労働省は、「毎月勤労統計調査」で、従業員が500人以上の大規模な事業所について、全数調査するべき都内で約3分の1の事業所しか調べていなかった問題についての検証結果を公表した。公的統計は、国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報である。なかでも「毎月勤労統計調査」は、特に重要と判断され社会で広く使われている国の「基幹統計」である。10年以上にわたって行われていた今回の不正は、政策立案や意思決定の基盤を揺るがし、公的統計への信頼を損なう重大かつ深刻な事態であるとともに、他の政策立案に影響を及ぼし、多くの国民にも支給漏れ等の不利益をもたらしている。にもかかわらず、抽出調査を他の県にも拡大しようとしていたということも明らかになっている。そのうえ、昨年1月に問題を認識しながら説明せず、正しい手法で実施したかのように装った発表を続けており、厚生労働省の組織ぐるみの隠蔽といわざるを得ない。再発防止に向け、外部の有識者も含めた第三者委員会でしっかり検証するとともに、政府の責任で公的統計の総点検を行うよう求める。また、速やかに衆参厚生労働委員会を開いて閉会中審査を行うよう働きかけていく。

2.今回の不正の影響で、調査結果をもとに算定されている雇用保険の失業給付や労災保険の給付などが本来より少なく支給され、推計でその数は延べ約2000万人、総額は530億円に上るとされる。全容の解明と被害の救済を急がねばならない。国民に対する情報提供、相談体制の強化と丁寧な対応を求めたい。

3.「毎月勤労統計調査」は他の統計にも使われており、どう影響するのか。さらに、「働き方改革関連法案」で政府が強行した高度プロフェッショナル制度の年収要件についても、本来より低く設定される懸念がある。こうした他の政策への影響についても検証を行い、必要な見直しを図るべきである。

4.昨年は、裁量労働制を巡る労働時間調査や失踪外国人技能実習生調査でも改ざんやねつ造が発覚した。相次ぐ不祥事は看過できない。また、安倍政権の目指すGDP600兆円に近づくような名目GDPの急伸の背景に、2016年12月のGDPの計算方法の変更もあった。今回不正が発覚した「毎月勤労統計調査」自体、昨年1月に新たな作成手法を採用し、調査対象の半数弱を入れ替えるなどされ、その結果、18年に入っての「現金給与総額」の前年比増加率は17年平均の0・4%を大きく上回る高い伸び率となり、安倍政権の狙い通りに賃金上昇率が高まった形を演出した。こうした政権の意向や思惑に沿った統計や調査の不正は断じて許されない。

5.今回の不正には、民間には罰金を科していた障がい者雇用について、中央省庁が長年水増しをしていた問題にも通じる隠蔽体質を感じる。調査を受ける企業などには正確な報告が義務付けられ、違反には罰金刑もあるにもかかわらず、正確さに欠ける不正が04年から行われ、さらには調査手法を正しく装うような改変操作まで行われていた。しかも対象の入れ替えや改変、修正も含め、秘密裏に行われていた。安倍政権のフェイク体質は底なしである。社民党は、「毎月勤労統計調査」問題の徹底解明と再発防止、公的統計の信頼回復に全力で取り組む決意である。

以上