「『護憲』自体が思考停止」発言に断固抗議する(談話)

声明・談話

2018年12月11日

「『護憲』自体が思考停止」発言に断固抗議する(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.自民党の下村博文憲法改正推進本部長が、札幌市での講演で、「第2次世界大戦後、一度も憲法を改正していないのは日本ぐらいだ。世界から見れば、『護憲』ということ自体が思考停止であり、良い国をつくろうとしていないということではないか」などと指摘したことが報じられている。憲法審査会で自民党改憲案の提示・説明ができなかったことの焦りからか、議論すらしようとしない野党が悪いという空気を作ろうとしているかのようである。しかし、先の「職場放棄」発言によって、与野党で静かに憲法を論議する環境を壊したのは、他ならぬ下村氏自身であり、自らを棚に上げ、挑発するような暴言を繰り返していることは看過できない。断固抗議する。

2.憲法99条で憲法尊重擁護義務が課せられている国会議員が、護憲を批判することは天につばするものにほかならない。一度も改正されていないのは、それだけ良い憲法であるからであり、国民の支持と、憲法を守り活かそうという先人の運動があったからである。下村氏は、「より良いものに改正しようと思ってもらえる流れを来年はつくっていけるようにしたい」とも発言し、「良い国」にするためには改憲しかないとでも言いたいようである。しかし、世界中で戦争できる自衛隊を憲法に位置づけ、緊急事態に政府に全権を白紙委任し、教育への国家統制を強めるなど、立憲主義・民主主義・平和主義を踏みにじり、現状を悪くしようとする改憲に反対するのは当然である。

3.自民党憲法改正推進本部が5日に行った「憲法改正国民投票の最大の壁とは」とのテーマでのヒアリングでは、(改憲)反対派を敵と位置付け、名指しで批判するなどネガティブキャンペーンが必要であるという話も出ていたとされている。下村氏の「職場放棄」発言や今回の「思考停止」発言は、まさに自民党が進めるネガティブキャンペーンそのものであり、平和と民主主義、人権を守るため、憲法を守り活かそうと願う多くの国民への挑戦であり、攻撃にほかならない。

4.安倍首相は、臨時国会の閉幕を受けての記者会見で、「2020年は新しい憲法が施行される年にしたいと申し上げましたが、今もその気持ちには変わりはありません」として、引き続き2020年施行を目指す考えを強調した。しかし、自民党総裁選の際に行われた自民党員・党友の調査では、憲法改正の優先順位は極めて低くなっており、総裁選の結果からも安倍首相の目指す改憲案への異論が根強いことは明らかである。各種世論調査でも、自衛隊を憲法に明記するなどの憲法改正重点4項目の改憲案の臨時国会提出には反対が上回っている。改憲発議をさせないことが安倍政権の失速・退場に直結し、改憲そのものの推進力を失わせることにつながる。多くの人々と力を合わせ、「安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名」(「3000万署名」)活動をさらに進めるとともに、憲法審査会における自民党案の提示・説明や改正原案提出を許さないよう、立憲野党の連携を一層強化する。

以上