「出入国管理法」改悪案の衆院採決強行を弾劾する(談話)

声明・談話

2018年11月27日

「出入国管理法」改悪案の衆院採決強行を弾劾する(談話)

社会民主党幹事長
吉川はじめ

1.本日、安倍政権と与党は、衆院法務委員会と本会議で、「出入国管理法」改悪案(出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案)の採決を相次いで強行した。在留資格の性格を根底から変え、事実上の移民受け入れにつながる政策の大転換そのものであるが、どの職場にどれくらいの外国人労働者を受け入れるのかの詳細や、「特定技能1号・2号」に求める技能水準はどの程度で、どんな試験をいつどこで行うのか、日本語教育や住宅、医療機会の確保など外国人の生活支援や日本人と同等以上の待遇を誰がどう保証するのかなど、制度の根幹を全て法成立後に先送りした前代未聞の欠陥法案である。にもかかわらず与党は、安倍首相の外遊日程を最優先して法務委の定例日以外にも審議を強行し、21日の実質審議入りからわずか1週間足らずで採決に踏み切った暴挙は、民意と国会を無視した憲政史上の一大汚点と言うほかない。社民党は満身の憤りを込めて抗議し、今後、参院での法案の成立阻止へ全力を挙げる。

2.安倍政権は1号資格14業種の受け入れ見込み人数について、初年度に最大4万7550人、5年間で同34万5150人を受け入れるとの試算を審議入り後にようやく公表した。しかし1号資格の「相当程度の技能」の具体的水準も、14業種の下の細かな「分野」も未だ決まっていないのに、なぜ見込み数が出せるのか満足な説明はなく、14業種の大半が「生産性の向上率」を横並びで「年1%程度」と見込むなど、算定根拠の精度に重大な疑義が生じている。また安倍首相が、「5年間で最大約34万5000人」の数値について、経済・雇用情勢の激変がない限り受け入れの「上限として維持される」と強調したかと思えば、山下法相は単に「制度の規模感を示すもの」、「上限は決定していない」と答弁するなど、閣内不一致も露わになっている。まともな国会審議に堪えられるよう、生煮え法案は出し直すのが筋である。

3.そもそも、すでに日本が多数の外国人労働者を受け入れている現実がある以上、その権利保護と生活支援、劣悪な雇用環境の一掃が何よりも優先されなければならない。中でも給与不払いや最低賃金以下の低賃金、長時間労働など違法行為が横行する技能実習生の現状を放置したまま、屋上屋を重ねるような新在留資格を創設するのは断じて許されない。まして「失踪」した技能実習生に対する法務省の聞き取り調査について、動機の選択肢にあった、「低賃金」、「契約賃金以下」、「最低賃金以下」の3項目の回答を、実際の質問にはない「より高い賃金を求めて」なる項目に勝手に合算するなど、政府に都合良く改ざんしていた疑いが浮上するに至っては、安倍政権に新在留資格に手を付ける資格はもはや全くない。社民党は、今後もあらゆる国会審議の機会を捉えて、法案の問題点を徹底的に追及し、断固として廃案に追い込む決意である。

以上