消費税率引き上げとそれに伴う対応について(談話)

声明・談話

2018年10月15日

消費税率引き上げとそれに伴う対応について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.安倍首相は、本日午後の臨時閣議で、消費税率を来年10月1日から予定通り10%に引き上げることを表明した。社民党は、逆進性があり、国民生活や景気の悪化を招く消費税率の10%への引き上げには断固反対である。

2.安倍首相は、前回、駆け込み需要や、増税後の反動、需要減など、増税後に消費などが落ち込んだことから、2019・20年度予算で増税対応の特別措置をとることを表明した。自動車関連税制の減免の拡充、住宅購入・改修への支援、中小店舗でキャッシュレス決済をした人への2%分のポイント還元などの対策が検討されている。しかし、逆進性の高い消費税率を引き上げながら、住宅や自動車といった高額商品への購入支援を進め、高所得層を優遇することには、疑問が残る。そもそも消費増税がばらまきと歳出膨張を招くようでは、本末転倒であり、増税自体を中止するよう求める。

3.消費税率10%への増税と同時に、「軽減税率」が実施されるというが、税率8%への「据え置き」にほかならない。税率アップ以前に、消費税の持つ欠陥である逆進性に対し、実効性ある緩和策を講じるよう求める。

4.安倍首相は、教育無償化を拡充するなど、高齢者向け給付が中心となっている社会保障制度を見直し、「全世代型」の社会保障に改革するとしている。教育の無償化は進める必要があることは言うまでもない。しかし、消費税収の使途とされる医療、介護、年金、子育ての4経費に教育を加えことで、ウナギ上りに税率引き上げにつながる余地が生まれかねない。また、他の社会保障の負担増・給付カットや、財政再建への影響も懸念される。

5.安倍政権は、消費税を増税する一方、この6年間で社会保障の自然増のカットを毎年5000億円以上行うなど、社会保障の自己負担増や給付削減を進めてきた。しかも「骨太方針2018」では、社会保障を「歳出改革の重点分野」として、19~21年度を「基盤強化期間」と位置づけ、さらなる自然増の抑制、患者・利用者への負担増や給付カットを徹底する方向を打ち出している。安倍首相の「全世代型の社会保障改革」は、日本経団連の「持続可能な全世代型社会保障制度の確立に向けて」などで強調されている、「痛みを伴う改革に向けて、聖域なく速やかに取り組むことが不可欠」との主張そのものであり、教育を引き合いに、全世代に消費税増税を押し付け、社会保障の負担増を強いることは許されない。

6.「高齢者偏重の社会保障」といっても、高齢者の貧困、「老老介護」、「認認介護」による夫婦共倒れや、介護心中・自殺の悲劇、育児と介護のダブルケア、多重介護やヤングケアラー世帯の負担増、介護離職の増加、高止まりする親族間の高齢者虐待といった現実を直視すべきである。

7.民主党政権が進め、民自公三党合意となった、消費税と社会保障を「一体」のものとしている「税と社会保障の一体改革」は、消費税増税の再延期と社会保障の改悪によって、それ自体が破たんした。あるべき安心の社会保障ビジョンを改めて描き、消費税ありきではなく、不公平税制の是正と法人税や所得税はじめ税制全体をパッケージとして、国民合意に基づいて負担のあり方を見直す、「一体改革」のやり直しが必要である。

以上