日米の新たな通商交渉入り合意に抗議する(談話)

声明・談話

2018年9月27日

日米の新たな通商交渉入り合意に抗議する(談話)

社会民主党幹事長  吉川はじめ

1.日米は本日の首脳会議で、新たにTAG(日米物品貿易協定)の交渉入りで合意したと発表した。合意しなければ「日本は後悔する」「真珠湾(攻撃)を忘れていない」などとするトランプ大統領の恫喝に屈して、自動車への関税上乗せ先送りの見返りに日本の農産物を差し出した屈辱外交に他ならず断じて容認できない。日本をめぐる通商交渉では米国離脱後の「TPP11」やEUとの「日欧EPA」の相次ぐ発効が危ぐされており、このうえ米国との間で大幅な農産物の関税引き下げ・撤廃も加われば日本農業に壊滅的打撃を与えかねない。社民党は今回の暴挙に対し厳しく抗議するとともに、「合意」を直ちに破棄するよう安倍政権に強く要求する。

2.安倍首相は首脳会談後、関税引き下げ水準に関し「農産品は過去の経済連携協定で約束した内容が最大限との日本の立場を米国が尊重することを確認した」と述べたが、TPPでの合意内容は「農産物重要5項目」のうち牛肉・豚肉の関税を大幅に削減、コメも米国に対し無関税の輸入特別枠を新設し、乳製品も大規模な低関税輸入枠を設定するなど、重要5項目の関税堅持を求めた衆参農林水産委員会の決議に明白に反し、その範囲内であれば問題ないかのような詭弁は許されない。しかも共同声明に明記されたのはあくまで「尊重」にすぎず、ひとたびTAG交渉に入れば、TPPの合意内容が不満で離脱したトランプ政権がそれ以上の譲歩を求め圧力を強めてくることは確実で、際限のない市場開放を余儀なくされかねないことは、今回、韓国が一層の譲歩を強いられた米韓FTAを見ても明らかである。

3.首脳会談に同席した茂木敏充経済再生相は、TAG交渉は物品貿易に限定され投資・サービスのルールを含むFTA(自由貿易協定)とは異なると強調したが、米国の要求が関税分野にとどまらず多国籍企業が進出先の政府を国際仲裁機関に訴える権利を保障する「ISDS(投資家・国家訴訟)条項」など、TPPに含まれる様々な内容に広く及ぶ可能性が皆無だとなぜ断言できるのか。安倍政権は直ちに臨時国会を召集し、今回の合意に至る一連の会談内容や今後の方針について説明しなければならない。社民党はTAG交渉反対の取り組みを国会の内外で強め、無軌道な市場開放阻止へ全力を挙げて闘い抜く決意である。

以上