自衛隊高級幹部会同での安倍首相の訓示について(談話)

声明・談話

2018年9月4日

自衛隊高級幹部会同での安倍首相の訓示について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.昨日、安倍首相は、第52回自衛隊高級幹部会同で訓示し、「心無い批判にさらされたこともあったと思います。悔しい思いをしたこともあったかもしれない。自衛隊の最高指揮官、そして同じ時代を生きた政治家として、忸怩たる思い」であるとして、「全ての自衛隊隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは、今を生きる政治家の責任であります。私はその責任をしっかり果たしていく決意です」と述べ、持論である憲法9条を「改正」し自衛隊を明記することへの意欲を示した。憲法第99条の憲法尊重擁護義務を課せられている「自衛隊最高指揮官」、「内閣総理大臣」としての訓示であり、憲法尊重擁護義務を有し「日本国憲法及び法令を遵守」することを宣誓した自衛隊員に改憲への意欲を示したものにほかならず、「自民党総裁としての発言」などと言い逃れはできない。憲法第99条に何重にも違反する妄言として、断じて容認できない。

2.自衛隊の憲法への明記は、「専守防衛」に徹し、国内外の災害救助や非軍事の平和維持活動を行う自衛隊の存在を単に規定するものではない。安倍政権が強行した違憲の「戦争法」に基づき、集団的自衛権を行使し、アメリカとともに海外で戦争ができる自衛隊を憲法に書き込み、日本を再び「戦争する国」に転換しようという狙いがある。また、9条1項及び2項を「死文化」させ、平和主義と立憲主義を踏みにじることにもなる。そもそも自衛隊だけが憲法に明記されることで、「強い誇りを持って任務を全うできる環境」ができるようになるというのも疑問である。安倍首相はかねてより、「多くの憲法学者や政党の中には自衛隊を違憲だとする議論が、今なお存在している」といっているが、そうであれば、違憲状態を解消するよう努力するべきである。

3.安倍政権は、「戦争法」を強行するとともに、6年連続で防衛費を増加させ、長距離巡行ミサイルやイージス・アショアの導入、攻撃型空母や次期主力戦闘機F35、オスプレイの購入、電子攻撃機の導入検討に加え、「戦争法」による新たな任務に対応する自衛隊の装備増強や島嶼防衛態勢の整備など、「専守防衛」を大きく逸脱する軍拡を進めてきた。訓示では、「現実を直視した安全保障政策の立て直し」と言いつくろったうえで、年末に策定する新たな「防衛計画の大綱」について、「宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域を横断的に活用した防衛体制への変革」を目指す意義を強調した。南北首脳会談や米朝首脳会談などの対話による融和の動きには目を瞑り、「新たな防衛力の完成を10年や15年かけて実現するようなスピード感からは、完全に脱却しなければなりません」として、国民の暮らしを置き去りにする大軍拡への意欲を打ち出したことは、決して許されるものではない。

4.憲法9条2項の死文化を目的とした明文改憲が行われれば、米国に追従して歯止めなく「戦争する国」へと突き進むことになりかねない。安倍首相は次期国会での自民党改憲案の提案に意欲を示しているが、社民党は、9条改悪と軍事大国化に反対する多くの人々と力を合わせ、改憲発議を阻止するために全力を挙げる。

以上