中央省庁の障がい者雇用の実態についての調査結果について(談話)

声明・談話

2018年8月28日

中央省庁の障がい者雇用の実態についての調査結果について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.中央省庁が障がい者雇用を水増ししていた問題について、本日ようやく、厚生労働省が各省庁の障がい者雇用の実態についての調査結果を公表した。公務部門の信頼を大きく損なう極めて重大かつ深刻な問題であるのに、問題が発覚してからの対応が遅すぎる。調査結果では、27の機関で3460人の水増しがあり、実際の雇用率は法定を大きく下回る1.19%にとどまることが明らかとなった。民間部門に対して、率先して障がい者の働く場を広げる立場にある中央省庁が、自らルール違反を犯し、組織的な脱法行為といわれても仕方がない不正を行っていたものであり、断じて許されない。

2.雇用率の水増しは、単に形だけの数値目標達成にこだわっただけではなく、本来は就業できるはずだった多くの障がい者の労働機会を奪った深刻な問題である。障がい者の働く権利を奪い、憲法で保障された基本的人権を大きく侵害するものであり、厳しく糾弾されなければならない。「働き方改革」、「一億総活躍」といいながら、政府自身がごまかし、障がい者やその家族の願いを踏みにじってきた責任を痛感すべきである。各省庁はすべての障害者の皆さんに謝罪し、再発防止と障がい者雇用の拡大に力を入れるべきである。

3.水増し問題は自治体等にも拡大している。中央省庁だけでなく、自治体や独法はじめ政府関係機関の実態調査も早急に行い、全容を明らかにするよう求める。

4.障がい者の募集や採用試験、採用後、退職及び退職後に関して、厚生労働省が定めた障害者差別禁止指針と合理的配慮指針に基づく公務部門の実態調査も必要であるし、役所で働く障がい者がどのような仕事をしているのか、現在どれだけ仕事があるのかも含めて徹底的に調査すべきである。

5.調査結果を検証し、水増しの実態と原因を明らかにするとともに、再発防止等の対応を検討するため、障がい当事者や障がい者雇用の専門家を入れた第三者委員会を設置すべきである。

6.行政運営を監視する国会として、国会の事務局や国立国会図書館でも同様の事例が見られたことは、極めて遺憾であり、猛省しなければならない。水増しは今回だけでなく、1976年に身体障がい者の雇用が義務化された当初から恒常的に行われてきた疑いもある。障がい者の社会参加を促すために制定された障害者雇用促進法等の障がい者施策の基本理念にしっかり立ち返り、与野党を超えて実態の解明と再発防止を行わなければならない。社民党は、他の野党とともに、衆参の厚生労働委員会を開催し、障がい当事者や障がい者雇用の専門家などを召致し、閉会中審査を緊急に行うよう強く求める。また、多くの省庁にまたがることから、予算委員会なども検討すべきである。

7.障がい者の雇用と障がい者が安心して働くことができる職場環境と労働条件の整備を促進するために、障害者雇用促進法の抜本的な見直しも含めた対応について、社民党は全力を上げる決意である。

以上