安倍首相の平和祈念式典での挨拶について(談話)

声明・談話

2018年8月9日

安倍首相の平和祈念式典での挨拶について(談話)

社会民主党幹事長
吉川はじめ

1.長崎への原爆投下から73回目の原爆の日を迎えた本日、長崎市の平和記念公園で、「被爆73周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が行われた。平和祈念式典に参列し挨拶した安倍首相は、広島に続き、昨年7月に国連で採択された核兵器禁止条約や、ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に一切触れなかった。またも被爆者の思いを踏みにじるものとなったことに対し、心から憤りを覚える。

2.アメリカの「核の傘」に頼る日本政府は、核抑止力への依存にこだわり、核兵器の犠牲者(ヒバクシャ)や核実験被害者の「受け入れ難い苦痛や損害」に留意することを前文に明記した核兵器禁止条約への参加を拒み続けてきた。あろうことか、オバマ前政権が掲げた「核なき世界」の方針を転換し、核戦争の危険性を高める、核戦略の中期指針「核体制の見直し(NPR)」を支持する姿勢を明確にしている。

3.平和祈念式典で田上富久長崎市長は、「核兵器禁止条約の採択と核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞は、多くの人々が核のない世界を求めている証し」であるとして、核兵器禁止条約早期発効のため、世界中の人々へ「自国の政府と国会に署名と批准」を求めるよう呼び掛け、日本政府には「唯一の戦争被爆国として条約に賛同し、世界を非核化に導く道義的責任を果たす」ことを求める「平和宣言」を行った。被爆者代表の方は、「速やかに『核兵器禁止条約』を発効させ、核兵器も戦争もない世界の実現に力を尽くすことを心に刻みます」と誓いを述べた。国連からもグテレス事務総長が初めて式典に出席し、「核廃絶は国連の最優先課題。長崎から全ての国に、目に見える進展を求める。保有国には特別な責任がある」、「長崎を核の惨禍で苦しんだ地球上最後の場所にしよう」などと訴えた。

4.「唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向けて、粘り強く努力を重ねることはわが国の使命だ」というのであれば、70年以上にわたって核廃絶を訴えてきた被爆者や世界中の核廃絶を願う人々の思いをしっかり受け止め、核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約に参加し、核使用禁止の国際的機運を高め、核のない世界を目指す姿勢を積極的に発信していくべきである。

5.南北首脳会談や米朝首脳会談などによって、朝鮮半島情勢が大きく変化し、朝鮮半島も緊張から対話による非核化へ歩み出している。社民党は、こうした動きを加速させるとともに、社民党が提唱している「北東アジア非核地帯構想」の実現へ一層努力していきたい。

以上