「カジノ・リゾート」整備法案の採決強行に抗議する(談話)

声明・談話

2018年7月19日

「カジノ・リゾート」整備法案の採決強行に抗議する(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.本日、与党は参議院内閣委員会で、「カジノリゾート」整備法案(特定複合観光施設区域整備法案)の採決を強行した。国民世論の多くが「カジノ解禁」に反対を示す中、そして甚大な被害をもたらした西日本豪雨災害にもかかわらず、強引に数の力で押し切ったことは断じて許されない。社民党は被災者よりギャンブル法案を優先する安倍政権に対し、強く抗議する。

2.「カジノリゾート」整備法案は、法成立後に国会に諮られず政省令やカジノ管理委員会規則に「丸投げ」する委任事項が331項目もある「欠陥法案」であり、さらなる審議が必要である。また、これまで賭博が違法とされないための「8点の考慮要素」(8要件)について、「総合的に制度全体を観察、考察」すればよいとするばかりで、「違法性の阻却」について説明責任を全く果たしていない。「収益の使途を公益性のあるものに限る」、「運営主体は、官またはそれに準じる団体に限る」という要件に照らしても、「民設・民営」・「民間賭博」の解禁は、「違法性」を免れることはできない。

3.本法案で創設される特定金融業務、すなわち既存ギャンブルには設けられていない、カジノ利用者が事業者から条件付きで借金できる制度は、貸金業法の総量規制(年収の3分の1)もなく、8要件の一つである「射幸性の程度」要件から大きく逸脱し、ギャンブル依存症を増やし、多重債務に導きかねない。カジノ解禁は、日本の法体系を崩壊させるものと言わざるを得ない。

4.新設されるカジノ管理委員会に事業者も「加わることができる」と大臣は答弁している。「規制する側と規制される側」が同じという構造であり、カジノ管理委員会は、監督どころか、カジノ「推進」委員会になりかねない。「世界最高水準のカジノ規制」、「カジノ管理委員会」に事業者も含まれる、カジノの収益は「依存症対策」に使う――。それはまるで、原発は「世界最高水準の安全基準」、「規制する側が規制される側」に含まれる、「被災者を救済するために」柏崎刈羽原発の再稼働が必要――という、まさに原発再稼働と同じ理屈が、このカジノ解禁をめぐっても繰り返されている。

5.災害対応に全力をという5党1会派の党首らの申し入れを一顧だにせず、西日本豪雨災害で陣頭指揮をするべき石井国交相は、救出、救援、復旧の対応にかまけ、世界一カジノをしやすい国づくりを優先したことから、社民党は他の野党と共同で石井国交相の不信任決議案を衆議院に提出している。与党は、「一事不再議」というが、6月15日に否決されたのはIR法案担当である「国務大臣石井啓一君不信任決議案」であり、今回とは対象も理由も違うので本会議に上程して採決すべきである。

6.今なお酷暑の中、懸命の行方不明者の捜索が続き、避難所に身を寄せている人は19日もなお4500人以上に上る。被災者や被災地を切り捨て、ギャンブルを「成長戦略」などとして、「カジノ・リゾート」整備法案を進める暴挙を許すことはできない。本会議採決を阻止すべく全力を挙げる。

以上