関西電力大飯原発3、4号機の稼働認める控訴審判決に強く抗議する(談話)

声明・談話

2018年7月4日

関西電力大飯原発3、4号機の稼働認める控訴審判決に強く抗議する(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.本日、関西電力大飯原発3、4号機運転差し止め訴訟の控訴審判決があり、名古屋高等裁判所金沢支部は、「地震で原子炉の冷却機能が失われたり、使用済み核燃料から放射性物質が漏れたりする具体的な危険がある」、「運転によって人格権が侵害される具体的な危険がある」などとして差し止めを命じた14年5月の福井地方裁判所の一審判決を取り消し、住民側の逆転敗訴を言い渡した。福島の事故を防げなかった反省を顧みず、住民の不安や懸念、安全をないがしろにする判決となったのはきわめて残念である。安倍政権の原発再稼働方針に追随し、司法の良心をかなぐり捨てた判決に対し、社民党は強く抗議する。

2.争点は、関西電力の地震想定や地盤調査の妥当性、火山灰対策、基準津波の想定、使用済み核燃料の保管状況など多岐にわたった。とりわけ原告は、関西電力による基準地震動の予測手法が不適切で、予測は過小評価だと主張してきた。地震学が専門の元原子力規制委員長代理の島崎邦彦東京大名誉教授も、熊本地震を踏まえ、地震を起こす断層の長さや深さが正確に把握できないことから、耐震設計の目安となる揺れが過小評価になっていると証言した。また、政府の地震調査委員会からも、より精度を高めた計算手法の確立には3年ほどかかるなどの声が出されていた。地震の専門家の意見を押し切って強引に再稼働することは許されない。

3.控訴審判決は、安全性審査に用いられた新規制基準に違法、不合理な点はないとした上で、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断にも不合理な点は認められないとするとともに、「発電所の危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理・統制されている」とした。田中原子力規制委員長(当時)が「安全を保証するものではない」という新規制基準にお墨付きを与え、原発に「絶対的安全性を求めるべきではない」と主張している関西電力の主張を鵜呑みにするに等しい今回の判決は、いまだに「安全神話」によって立つものと言わざるを得ない。

4.いったん事故が起きれば、福井県だけではなく、琵琶湖が汚染されることはもちろん、人口集中地帯の関西圏全域に甚大な被害を及ぼすことは必至である。にもかかわらず関西電力は、大飯原発3、4号機で、通常のウラン燃料による発電より危険と見られる、MOX燃料を使う「プルサーマル発電」について検討していることを明らかにしている。脱原発の民意を蹂躙し、経済的利益のために、人の命と尊厳をないがしろにすることは断じて許されない。大飯3、4号機の稼働をただちに停止すべきである。

5.名古屋高裁金沢支部は、「福島原発事故の被害に照らし、原子力発電そのものを廃止することは可能だろうが、その判断は司法の役割を超えており、政治的な判断に委ねられるべきだ」というが、司法の役割を放棄するのではなく、原発への不安から司法救済を求める住民の願いに答えるべきだった。社民党は、他の野党と共同で衆議院に原発ゼロ基本法案(原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案)を提出している。改めて大飯原発の問題点を徹底追及するとともに、あらゆる手段を駆使して、粘り強く安倍政権に対して脱原発を決断するよう求めていく。

以上