「カジノリゾート」整備法案の衆院通過に抗議する(談話)

声明・談話

2018年6月19日

「カジノリゾート」整備法案の衆院通過に抗議する(談話)

社会民主党幹事長
吉川はじめ

1.安倍政権は、「カジノリゾート」整備法案(特定複合観光施設区域整備法案)について、15日にわずか18時間程度の審議で衆院内閣委員会での採決を強行した後、本日の衆院本会議で通過させた。多くの国民がカジノに対する反対や疑問の意見を持っている中、丁寧に、謙虚に説明することもなく、来年の統一自治体選や参院選への「悪影響」を恐れ、政府・与党が日程ありきで強引に数の力で押し切ったことは断じて許されない。

2.「カジノリゾート」整備法案は、もはや「欠陥法案」であり、カジノ解禁は、日本の法体系を崩壊させるものといわざるをえない。これまで法務省は賭博が違法とされないためには「8点の考慮要素」(8要件)が必要との立場をとってきたが、政府は、「総合的に制度全体を観察、考察」すればよいとするばかりで、「違法性の阻却」について説明責任をまったく果たしていない。「収益の使途を公益性のあるものに限る」、「運営主体は、官またはそれに準じる団体に限る」という要件に照らしても、「民設・民営」・「民間賭博」の解禁は、「違法性」を免れることはできない。既存ギャンブルには設けられていない、カジノ利用者が事業者から条件付きで借金できる制度(特定金融業務)は、「射幸性の程度」要件からも大きく逸脱し、依存症や多重債務に導きかねない。

3.刑法で禁じられた民間賭博を解禁し、ギャンブルを「成長戦略」に据えることが、果たして安倍首相の目指す「美しい国」なのだろうか。カジノ事業者に外資規制がなく、カジノ面積の絶対値での規制が削除されたことの背景にも、海外のカジノ事業者の要求がある。政府の言う「IR」(Integrated Resort)とは、まさにカジノを中心とするハコモノである。大企業による地場産業への圧迫と地元企業の倒産をもたらすとともに、全国に環境破壊と地域破壊の爪痕を残したバブル期のリゾート開発を想起させるものに他ならない  法成立後の政省令やカジノ管理委員会規則で定める事項が331項目もあり、制度の中身が見えない。カジノ管理委員会事務局にカジノ事業者が入ることも否定されていない。

4.政府は「カジノリゾート」に対し、「世界最高水準の規制を導入する」としているが、そもそもそうした規制は、カジノを解禁しなければ必要なく、本末転倒である。社民党は断固として、「カジノリゾート」整備法案を廃案に追い込む。同時に、立憲野党で共同提出しているカジノ廃止法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律を廃止する法律案)の成立を目指すとともに、パチンコを含む既存ギャンブルへの規制強化、ギャンブル依存症への予算措置、地域資源や地場産業を活かした「地産地消の産業政策」「地元循環型経済」への転換を徹底して求めていく決意である。

以上