「袴田事件」の再審棄却について(談話)

声明・談話

2018年6月11日

「袴田事件」の再審棄却について(談話)

社会民主党幹事長
吉川はじめ

1.1966年に静岡県で起きた強盗殺人事件の犯人とされ、死刑判決を受けた袴田巌さんの再審開始を巡る即時抗告審で、本日、東京高裁は、再審開始を認めた静岡地裁の決定を取り消し、再審開始を認めない決定をした。再審請求権は、冤罪被害を受けた者にとって、個人の尊厳を回復するための非常に重要な権利である。憲法の求めている人権保障や適正手続、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の大原則が再審制度にも適用されるとした「白鳥決定」に照らして、直ちに再審を開始すべきであるにもかかわらず、再審の扉が再び閉ざされたことは、きわめて不当であり、認めることはできない。社民党として、断固糾弾する。

2.再審開始を認めた2014年の静岡地裁決定は、確定判決で犯行時の着衣とされた「5点の衣類」について、「捜査機関が捏造した疑いがある」と断じ、「拘置をこれ以上継続することは耐えがたいほど正義に反する」などと、捜査当局やこれまでの検察・裁判所の対応について、強い姿勢でただしている。一審の死刑判決に関わった裁判官の一人は、「死刑を判断するべきでなかった」と自責の念にかられ、裁判官を退官後、公の場で「あれは間違った判断だった」とまで明言している。当初の捜査についても不自然なところが多く、長時間にわたる苛酷な強圧的な取り調べなど、「自白」の信用性などが問われており、徹底的に検証する必要がある。また、検察側が提出していない証拠がもうないのかについても疑問がある。

3.その後、検察は即時抗告に踏み切り、東京高裁での即時抗告審は4年もの歳月を要した。無実を一貫して訴えてきた袴田巌さんは釈放されてはいるが、死刑の恐怖からいまもなお妄想の世界で苦しんでいる。今年3月には82歳になり、残された時間は多くはない。50年もの間、「死刑囚」として自由を奪われ、人生を奪われた事実を変えることはできない。しかし、司法が法と証拠に基づく公正公平な判断を示すことはできるはずである。最高裁においては、司法の良心に基づく決定をされんことを強く願う。

4.社民党は、死刑制度の廃止に踏み出すことを求めるとともに、取り調べの全過程の可視化や証拠の全面開示、代用監獄制度の廃止、要件緩和や検察の上訴の禁止など再審制度の見直し、自由な接見交通権の保障などを強く要求していく。

以上