2018年度政府予算案の衆議院通過について(談話)

声明・談話

2018年2月28日

2018年度政府予算案の衆議院通過について(談話)

社会民主党幹事長 吉川はじめ

1.2018年度政府予算案が本日、衆議院を通過した。社会保障費の自然増分の1345億円削減や生活保護基準の引き下げ、過去最低を更新した被災地軽視・被災者切り捨ての復興予算など、国民の暮らしや人権を切り捨て生活を破壊する一方、「戦争法」による新たな任務に対応する装備の導入や長距離巡航ミサイル関連経費、イージス・アショア関連経費など、質量ともに軍拡を進める2018年度予算案に対し、社民党は断固反対した。

2.安倍首相が目玉と位置づける「働き方改革」関連法案で拡大されようとしている裁量労働制について、首相が答弁撤回に追い込まれた。その元となる「2013年度労働時間等総合実態調査」のずさんさや不備に加え、データの改ざん・ねつ造の疑いまで明らかになった。6野党は、裁量労働制に関する調査のやり直しや、「働き方改革」関連法案の提出断念、新たな資料が見つかった森友学園問題に関連して、佐川国税庁長官や安倍昭恵氏らの証人喚問などを求めた。野党の要求にまともに答えない中での採決強行は、与党による疑惑隠し・追及逃れであり、断じて認められない。首相や閣僚・与党の不誠実な対応、とりわけ裁量労働制を巡る答弁撤回、データねつ造問題等で貴重な審議時間を空費し、予算本体や財政、経済政策についての審議が深まっていないことから、予算案の徹底審議を続行すべきである。

3.6年連続で増加し過去最大となった防衛費は、補正予算分2345億円もあわせ5兆4256億円にも達しており、防衛予算の伸びが突出している。次期主力戦闘機F35、垂直離着陸輸送機オスプレイ、C-2輸送機、滞空型無人機グローバルホーク、迎撃ミサイルや長距離巡航ミサイル、イージス・アショアなど、「戦争法」による新たな任務に対応する装備やミサイル防衛関係予算の増大は断じて認められない。在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の増額は対米追従姿勢を示している。また、米軍再編等関連経費が大幅増となり、沖縄県民の民意を無視した辺野古新基地建設を強行する姿勢が示される一方、沖縄振興予算が減となり、とくに自由度の高い沖縄振興交付金が4年連続の減額となったのは、沖縄差別に他ならず、安倍政権の問答無用で工事を進める意思と、露骨な「基地と予算のリンク論」は断じて許されない。

4.高齢者の自立支援で成果を上げた自治体に対する介護の新しい交付金は、介護保険料の抑制を目指し、認定率を低下させることにつながりかねない。実態を無視した生活保護基準の引き下げは、貧困の負のスパイラルに拍車をかけるものであり、憲法の保障する生存権保障のあり方をきちんと議論すべきである。保育の受け皿拡大や保育士等の処遇改善は、まだまだ不十分である。「教育無償化」について、昨年12月に閣議決定した政策パッケージで華々しく打ち出したものの、教育予算は微減となり、具体策も先送りされている。さらに、「生産性革命」を後押しする大規模公共事業の推進、交付税率引き上げが見送られるなど抜本改革にほど遠い地方財政、輸出拡大や大規模農家支援に偏重した農林水産予算、核燃サイクルの推進など、予算の問題は山積している。

5.今後論戦の舞台は参議院に移るが、社民党は、大企業や富裕層を支援するアベノミクスの問題点を明らかにし、GDPの6割を占める個人消費拡大や、地域、中小企業を元気にする「ボトムアップ」の経済政策、一人一人を大事にする「ヒューマン・ファースト」の経済政策への転換を強く求め、2018年度予算案の問題点を厳しくただしていく。そして引き続き森友・加計問題などを徹底的に追及・解明するとともに、長時間労働や過労死を防ぎ、働く人たちのための改革となるよう、国民の命と生活に関わる裁量労働制などの徹底追及と法案提出断念に全力を挙げる。6野党はこの間、幹事長・書記局長会談や国対連絡会で意思統一するとともに、生活保護問題や裁量労働制問題等の合同ヒアリングなどを行い、また共同で「人への投資」と地域活性化など予算の組み替えを求めてたたかってきた。アベ政治の暴走を止めるため、今後とも結束して安倍政権と対決し追い込んでいく。

以上