旧優生保護法にもとづく不妊手術の強制について

声明・談話

2018年2月22日

旧優生保護法にもとづく不妊手術の強制について

社会民主党全国連合常任幹事会

1.1948年に全会一致で制定された旧優生保護法は、「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」ことと、「母性の生命健康を保護する」ことの二つの目的から、不妊手術と人工妊娠中絶を行う条件などを定めました。そして、「遺伝性疾患」とともに、「ハンセン病」や「遺伝性以外の精神病、精神薄弱」についても、本人の同意なしに優生手術(優生上の理由で行う不妊手術)を実施できるようになりました。

2.旧優生保護法に基づく手術の強制は、個人の尊重や自己決定権、幸福追求権、性と生殖の健康・権利、平等原則をはじめ基本的人権を侵害し憲法違反であるとともに、障がい者や患者への差別であることは明らかです。社民党は、女性団体や障がい者団体とともに、旧優生保護法の廃止を含む抜本的改革を目指すとともに、妊娠に係る健康や権利を尊重した新たな制度の創設を目指してきました。関係者の長年の運動と、障がい者プランの策定やらい予防法の廃止等を背景に、1996年の議員立法で優生思想に基づく規定を削除するなどの母体保護法への改正が実現しました。

3.社民党はその後も国会において旧優生保護法下における強制不妊手術問題について取り上げて実態調査の実施や個別事案のヒアリングなどを求めてきました。そして、「ご本人から厚生労働省にご要望があれば、職員がご事情を聞くということで、厚労省としても適切にしっかりと対応したい」などの答弁を引き出し、日弁連の人権救済申立てを行われた方との面談を実現してきました。

4.今年1月30日、遺伝性精神疾患を理由に10代のときに旧優生保護法による不妊手術を強いられた宮城県の60代の女性が国に損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こしました。宮城県においては、不妊手術の強化を求め、1962年に日本社会党の県議の発言があったことがわかりました。社会党時代のこととはいえ、優生学的思想による誤り、人権意識の不十分さがあったことは極めて遺憾です。関係者の尊厳を傷つけ、多くの痛みと苦しみを与えてきた深刻な問題として受け止め、心からお詫びし謝罪いたします。そのうえで社民党は、この問題にきちんと向き合い、被害者の方に寄り添い、早急に救済の新たな道筋をつけるために全力を挙げて参ります。また、母体保護法・堕胎罪を撤廃し、女性の生涯に渡る健康と性と生殖に係る自己決定権(リプロダクティブヘルス/ライツ)を保障する新しい法律を求める取り組みを強化して参ります。

5.国の統計では、旧法に基づく本人の同意がない優生手術は、1949~94年の間に1万6475件が実施されました。手術を受けた方は高齢化が進み、いまだに声を上げることができない方たちも少なくありません。優生手術強制の歴史があったスウェーデンやドイツでは、1990年代後半から国が実態を調査して被害者に謝罪し、法整備を経て補償もしています。国連人権委員会(1998年、2014年)や女性差別撤廃委員会(2016年)から、日本政府に対し被害者への謝罪と賠償を求める勧告が行われています。国の責任で過去の誤りをきちんと総括し、強制不妊手術、子宮摘出の被害実態の速やかな解明を進めるとともに、人権侵害を認め、被害者に対する謝罪や補償等の救済のための立法措置を一刻も早く整えるよう、力を尽くして参ります。

以上