会計検査院の森友学園に関する検査報告について(コメント)

声明・談話

2017年11月22日

会計検査院の森友学園に関する検査報告について(コメント)

社会民主党党首 吉田忠智

 本日、国会法105条の規定に基づく国会の検査要請を受けて、森友学園へ国有地を売却した経緯、価格の適正さなどを検査してきた会計検査院は、参議院予算委員会に検査報告を提出しました。8億2千万円の値引きの根拠は不十分・不合理、ずさんで慎重な調査検討を欠いたとしています。売却価格の妥当性に疑問を投げかけるものとして、これまで「法令に基づき適切に処理した」としてきた政府側の説明責任が問われます。

 一方、財務省はごみ処理単価に関する書類や森友学園側との面会記録など記録一切を破棄しており、必要な資料が十分残されていなかったことから、地中のごみの量について十分な根拠が確認できないとして、具体的な適正価格は示されず、値引きが不当かどうかの判断も示されませんでした。国会や内閣から独立機関の会計検査院として、もっと踏み込むべきであり、政権の意向を「忖度」したような報告では、森友学園への国有地の異常な安値売却をめぐる国民の強い関心に応えたとは到底言えるものではありません。また、行政側が「忖度」して不可解な値引きにつながったとの疑惑については踏み込んでおらず、首相はきちんと説明すべきです。

 佐川宣寿理財局長(当時)や近畿財務局は、8億2千万円のごみ撤去費用は売却される国有地の地中埋設物に関する瑕疵担保責任を免除させる見返りだと説明してきました。しかし判例では、地中埋設物といっても、「瑕疵」とみなされ、補償の対象となるのは買主が買い受けた土地を目的の用に供する工事をする時に障害となるものに限られています。今回、森友学園に売り渡された土地に埋まっていると言われるのは、ビニールなどの生活ごみと廃材などであり、小学校建設工事の妨げになるとは考えられません。地中の生活ごみが、国が瑕疵担保責任を負い、売買価格を大幅値引きする根拠にはなりません。「ごみ」を一括りにして「ごみ混入率」の計算は正しかったかどうかにこだわったことから、今回の検査報告につながったともいえます。近畿財務局は正常な売買交渉ではないことを十分認識しながら、森友学園に利益を得させるため、瑕疵担保責任を故意に拡大解釈し、異常な廉価での売却を実行する背任を犯したと言わなければなりません。会計検査院に与えられたさまざまな調査権限は主権者である国民から負託されたものです。検査院は文書保存についても改善を求めていますが、国有財産の売却をめぐる近畿財務局職員が取った手法の顕著な不当性や脱法性についても検査し、意見を付すべきであったといえます。財務省、国交省のずさんな公文書管理によって記録が残されていないため、十分な検査ができないというのであれば、「検査妨害」に相当し、会計検査院法第33条にしたがって、公文書遺棄罪などで該当する職員を検察庁に通告することも検討すべきです。

 いずれにせよこれで幕引きをすることは認められません。政府及び安倍首相にしかるべき説明を求めるとともに、社民党は、参議院予算委員会などで関係者の招致も含め徹底的に追及していきます。

以上