TPP11か国による「大筋合意」に抗議する(談話)

声明・談話

2017年11月13日

TPP11か国による「大筋合意」に抗議する(談話)

社会民主党幹事長  又市 征治

1.米国を除くTPP(環太平洋経済連携協定)参加11か国は11日、名称を「CPTTP(包括的・先進的なTPP)」に改め、「大筋合意」したと発表した。しかし4項目を積み残した上、日本に次ぐ経済規模を持つカナダが異論を唱え、首脳会合も開けないなど、「合意」を取り繕った拙速な結論は将来に重大な禍根を残しかねない。特に日本が、農産物重要5項目の関税堅持を求めた国会決議に明確に反する農業分野の合意内容に全く修正を求めなかったことは断じて容認できない。社民党は今回の「大筋合意」に厳しく抗議するとともに、「合意」を直ちに破棄し、交渉から即刻脱退するよう安倍政権に重ねて要求する。

2.農産物の関税削減・撤廃は、米国の参加という前提条件が崩れたにもかかわらず、市場開放水準が同国不在のまま維持されたことで深刻な影響が危惧される。米国からの輸入分も含めて7万トン(生乳換算)と設定された乳製品の低関税輸入枠がニュージーランドやオーストラリアなどからの輸入で満たされ、それとは別に米国との2国間のFTA(自由貿易協定)でも同様の輸入枠を求められた場合、実質的に大幅な輸入枠拡大となり、国内の酪農への大打撃は避けられない。また、牛肉や豚肉で輸入量急増時の歯止めとなるはずのセーフガード(緊急輸入制限措置)も、現在の発動基準は輸入量の約4割を占める米国からの輸入実績を踏まえて設定されており、米国抜きでは基準が高すぎて歯止めの役割を果たさない恐れが強い。本来は11か国で交渉をやり直すのが筋のはずだが、早期決着を優先するあまり農業分野の懸念を置き去りにした今回の「合意」は認められない。

3.「大筋合意」には、米国のTPP復帰が見込めなくなった場合に再協議できる新たな規定が含まれ、安倍政権はこれが農業分野の合意内容見直しの担保と説明するが、その時点で既に「CPTTP」が発効していれば、各国が実際に再協議に応じ日本の要求を受け入れる保証はどこにもない。

4.何よりも安倍政権の外交交渉の情報公開は諸外国に比べて遅れており、今回の「CPTTP」にしても、国会にも市民にも詳細の内容が開示されないまま「大筋合意」となり発効に突き進もうとしているのはきわめて問題である。「CPTTP」の経済効果や農業分野への影響を含めた再検証もないし、日欧EPAと同時並行で進んだ場合に危惧される農業分野への影響や対策も示されていない。交渉経過や影響試算、必要な対策について、情報を開示するよう強く求める。今国会でもきちんと説明し関係委員会で議論すべきである。

5.安倍政権は、「CPTTP」の早期発効に前のめりで、保護主義的な色彩を強めるトランプ政権を巻き込もうとしている。しかし、「CPTTP」がアメリカのTPP復帰の呼び水になり、またアメリカがTPPを超える市場開放要求をぶつけてきた場合に今回の「大筋合意」が内容的にアメリカへの抑止力となるというのは、安倍首相の願望にすぎない。TPPはアメリカの離脱で破綻したのであり、社民党は「CPTTP」参加反対の取り組みを国会の内外で一層強化するとともに、新たな協定案の国会承認阻止へ全力を挙げて闘い抜く決意である。

以上