声明・談話

2017年9月1日

関東大震災時に虐殺された朝鮮人犠牲者への追悼文送付の取りやめに抗議する(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.1923年の関東大震災から94年を迎えた本日、市民団体が主催する関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式が行われた。最近でも石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏、舛添要一氏ら歴代東京都知事が関東大震災時に虐殺された朝鮮人犠牲者を慰霊する追悼式へ追悼文を寄せていたが、小池百合子都知事は、昨年は送付していた追悼文送付を今年からやめることを決め、東京都慰霊協会主催の関東大震災と東京大空襲の遭難者慰霊大法要で代読された知事の追悼の辞でも、大震災での朝鮮人虐殺について直接の言及はなかった。知事の判断は、結果的に、朝鮮人大虐殺は正当防衛だった、大虐殺はなかった、暴動は事実だったなどとする誤った主張を容認・正当化することにつながりかねない。地元の墨田区長も今回、追悼文の送付を断ったように、政治的影響も大きく、きわめて問題である。社民党は、関東大震災時に引き起こされた在日朝鮮人に対する大虐殺という歴史の事実から目を背けるものであり、歴史修正主義や排外主義の潮流に身を置くかのような小池知事の対応に断固抗議する。

2.大震災の混乱の中で、竹槍や日本刀、銃などで武装した人々が自警団を結成し、朝鮮人や朝鮮人に間違われた人々を無差別に虐殺するという事件が関東各地で起こった。その原因が、「朝鮮人が暴動を起こした」、「井戸に毒を入れた」などといった流言飛語であったことは周知の事実である。軍や警察が混乱の収拾や秩序回復等を理由に、流言の拡散や自警団の殺人行為を容認したり、一部は加担・助長したりしたことの謝罪と反省、二度と起こさせないという決意が追悼文に込められていたのではなかったのか。小池都知事は、「民族差別という観点というよりは、災害の被害、さまざまな被害によって亡くなられた方々に対しての慰霊をしていくべき」とするが、朝鮮人大虐殺は天災ではなく、デマによって多くの人が殺された「事件」であり、性格が全く違う。

3.韓国では、日本人が犯した虐殺の惨状を明らかにして日本側の謝罪と賠償を要求するための遺族会が発足した。小池都知事は説明責任を果たしていないし、流言飛語による虐殺で命を奪われた犠牲者、また遺族や関係者に寄り添う姿勢が全く見られない。歴史を否定することは断じて許されない。

4.残念なことに、東日本大震災や熊本地震などでも、看過できない流言やデマが流された。しかしその一方で、在日朝鮮・韓国人はじめ外国住民の方が、「困ったときはお互い様」と、炊き出しや物資支援等の活動に取り組んだことを決して忘れてはならない。小池都知事が「ダイバーシティ(多様性)」を重視するというのであれば、在日外国人住民が安心して暮らせるよう、しっかりした歴史認識を持つとともに、民族差別は絶対に許さないという姿勢を貫くべきである。

以上