声明・談話

2017年6月9日

天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の成立に当たって(談話)

社会民主党幹事長
又市 征治

1.本日の参議院本会議で、天皇の退位等に関する皇室典範特例法案が全会一致で成立した。天皇の退位等については、恣意的に選ばれた政府の有識者会議の議論が先行していたが、今回の法案は、全国民の代表者からなる立法府が国権の最高機関として、衆参両院の正副議長の下、全ての政党会派による静ひつかつ真摯な論議を行い、「国民の総意」をまとめる努力を積み重ねてきたことの成果であり、その成立は大変喜ばしい。あわせて、全党会派が法案の審議に参加することができたことも評価できる。

2.社民党は、憲法に基づく象徴天皇の退位等に関する問題であることから、憲法の理念や条文に則って検討すべきであるとの立場を重視し、①天賦人権の観点から、天皇個人に「退位の自由」を認めるべきである、②安定的な皇位継承のため、今上天皇のみに限定するのではなく、将来全ての天皇を対象とする一般的な恒久制度とすべきである、③特別法ではなく、憲法にある皇位についての定めに従い、皇室典範の改正によるべきである、④閣法ではなく、国民を代表する衆参両院の合意によって発議すべきである、⑤皇室典範については、憲法の基本原則に合致するよう不断に見直しを行っていくべきであり、とりわけ皇位継承問題について引き続き議論をすべきであるとの党見解をとりまとめ、10党会派からなる合同会議での意見反映に努めてきた。

3.その後、10党会派の議論をまとめる立場で、①全ての天皇を対象とすべきだが、一代限りとする政党も「これが将来の先例となる」と認められているので、あえて拘らない、②皇室典範の改正によるべきだが、特例法の附則に「皇室典範と特例法が一体」との規定を設け違憲の疑いを解消する、③退位の要件や手続きの明確化について、「退位に至る事情」を書き込むことで事実上担保できる、④今後、女性天皇・女性宮家についての議論をすべきである、⑤立法府が「国民の総意」としてまとめ合意した内容の立法事項を政府に委任することは否定しないとの最終見解をまとめ、総意を見い出すよう努力した。

4.社民党は、政府における立案作業が、衆参両院の正副議長及び10党会派の議論の積み重ねである、「天皇の退位等についての立法府の対応」に関する議論の『とりまとめ』」に沿って忠実に進められるよう働きかけてきた。紆余曲折はあったものの、政府が作成した法案骨子について、正副議長から「『とりまとめ』に沿ったもの」と判断され、また政府からも「将来の先例となり得る」旨の答弁を引き出したこと等から、法案について賛成した。

5.衆参の委員会で、女性宮家創設の検討を政府に求めることを明記した附帯決議を可決したが、「皇位継承の諸課題」と「女性宮家の創設等」が並列になり、検討も「施行後」とされたは残念である。皇位の安定的な継承は待ったなしの課題であり、女性・女系天皇、女性宮家などの論点についての議論や、皇室典範の不断の見直しを引き続き求めていく。また、今後、改元に伴って国民生活に支障が生ずることがないように配慮するとともに、退位や皇位継承の具体的な手続き等が憲法の理念や精神にかなったものとなるよう、注視していく。

以上