声明・談話

2017年4月14日

主要農産物種子法を廃止する法律案の成立について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.本日の参議院本会議で、主要農産物種子法を廃止する法律案が可決・成立した。昨年10月の規制改革推進会議の「都道府県と民間企業の競争条件は対等になっておらず、種子法が民間の品種開発意欲を阻害している」との提言から半年で、生産者や消費者に満足な説明もないまま、種子法を廃止する拙速は許されない。都道府県が柱になって地域に根ざした品種を開発する仕組みはしっかりと残すべきであり、社民党は、一部外国種子メーカーの利益のために食料主権をふみにじってはならないとの立場で、種子法廃止法案に反対した。

2.種子法は、食料増産が国家的課題だった1952年に制定され、基礎食料であり、主要農産物と位置付けた稲・麦・大豆の増産を目的に、都道府県に優良な種子生産と普及を義務づけ、優れた特性を持つ奨励品種の指定や種子生産ほ場の指定、種子の審査制度等を規定してきた。政府は、民間事業者の種子生産や供給を活発化させるための廃止であると説明するが、現状でも民間企業の品種開発や育種、原種生産事業への参入は可能である。

3.種子法が廃止されれば、公的機関による育種が後退し、これまで積み上げてきた基礎研究や原種生産体制が縮小する懸念がある。基礎研究や原種の保存、育種などには人材や時間、資金が必要で民間が乗り出しにくく、都道府県が責任を負う法律がなくなれば品種開発が先細りしかねない。

4.各都道府県は、育種費用を一般財源の中から確保しているが、地域の農業試験場が育種費用確保を各県の財政当局に要請する際、種子法を根拠としてきた実態があり、根拠法がなくなれば人員配置や事業維持が都道府県の予算編成に反映されにくくなる。また都道府県が個別に種子生産のルールを決めれば、安定供給に支障が出かねず、種子価格が乱高下すれば農家の経営や産地振興にも悪影響を及ぼす。各都道府県が、気象や土壌条件など地域特性に合うように自ら開発した品種を奨励品種としてきたことは、地産地消の観点からも重要で、無制限に民間に開放すべきではない。

5.種子は最も基本的かつ重要な農業資材で、中でも稲や麦など主要作物の種子は、国の食料主権の根幹に関わる。しかし、民間の参入機会が広がることで、モンサントをはじめ多国籍企業による種子の独占を招く懸念も強い。将来的に、遺伝子組み換え作物の「栽培」に道を開く規制緩和となり、国民の食の安全を損なうものとはならない保障はない。

6.国民の基礎的食料である米、麦、大豆の種子を国が守るという政策を放棄し、日本の食糧安全保障、食糧自給、食の安全を損なうことは断じて認められない。社民党は、日本の農林水産業を民間資本や外資に売り渡す安倍農政と断固対決する。

以上