声明・談話

2017年2月27日

2017年度政府予算案の衆議院通過について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.2017年度政府予算案は、本日、与党などの賛成多数で衆議院を通過した。社民党は、社会保障の自然増を1400億円も圧縮し、医療・介護の負担を増加させる一方で、防衛費を膨張させ質量ともに軍拡を進めるなど、「安倍カラー」が顕著な予算案であることから、反対した。
 そもそも予算本体や財政、経済政策についての審議や、森友学園への国有地不当払い下げ問題、文部科学省の天下り問題、南スーダンPKOの日報をめぐる情報隠しと防衛相のシビリアンコントロールへの疑念、共謀罪をめぐる金田法相の資質などの追及・解明はきわめて不十分であり、野党の反対を押し切った数の力による本日の採決は、疑惑隠し・追及封じに他ならない。

2.3次補正では16年度の税収が1.7兆円も減収したにもかかわらず、本予算案では1.8兆円も回復することになっており、アベノミクスの果実やデフレからの脱却を前提とした、甘い経済見通しにもとづく税収見積もりとなっている。さらに特会剰余金の活用、想定金利の引き下げなどのやりくりで、何とか財政健全化に向かっているというイメージを取り繕ろおうとしているが、2020年度のPB黒字化目標の達成はもはや困難であり、「財政の不健全化」が進んでいる。

3.5年連続で増加し過去最大となった防衛費は、補正予算への「前倒し計上」分もあわせれば、約5兆3000億円にものぼり、防衛予算を聖域として、防衛力の拡大を図る安倍政権の姿勢が一層明確になった。「戦争法」による新たな任務を見据えた装備の導入や島嶼防衛態勢の整備は断じて認められない。また、16年度の6億円だった防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」が、17年度は一挙に110億円に増額されるなど、軍産官学一体化を進める動きが強まっていることも看過できない。

4.普天間飛行場の名護市辺野古への移設や岩国飛行場への空母艦載機移駐等を進める米軍再編等関連経費が2039億円が計上された。地方自治と民主主義を踏みにじり、問答無用で工事を強行するための予算は到底認められない。一方、沖縄振興予算は、沖縄振興交付金の16%近い削減などで、前年度比200億円減の3150億円となったが、基地と予算のリンク論は、これまでの沖縄振興制度を否定するものである。

5.社会保障関係予算について、高齢化等に伴う社会保障の「自然増」を1400億円カットし5000億円に抑制したが、高齢者の暮らしの実態を無視した、高齢者や家族の負担増・給付削減への転嫁に他ならない。保育の受け皿拡大や保育士等の処遇改善は、まだまだ不十分である。給付型奨学金制度の創設も、17年度は70億円と雀の涙にすぎない。

6.さらに、発効のメドがないTPP関連の予算の計上、文科省の天下りに関わっていた法人への支出、復興庁所管予算が初めて2兆円を割り込み過去最少となったことに見られる被災地軽視の姿勢、「汚染者負担の原則」を崩し事実上の東電救済策に他ならない特定復興拠点の除染費用の国庫負担、競争力強化や生産性向上、ビジネス機会や市場創出など大企業のための公共事業の推進など問題が山積している。

7.論戦の舞台は参議院に移るが、引き続き森友学園への国有地不当払い下げ問題や文部科学省天下り問題、南スーダンPKO日報問題、共謀罪問題などの徹底追及・解明に全力を挙げる。あわせて、アベ政治の暴走を止める立場から、2017年度予算案の問題点を徹底的に追及する。大企業や富裕層を支援するアベノミクスの問題点を明らかにし、国民生活を疲弊させる「トリクルダウン」の政策から、可処分所得向上を目指しGDPの6割を占める個人消費拡大や、地域、中小企業を元気にする「ボトムアップ」の経済政策、一人一人を大事にする「ヒューマン・ファースト」の経済政策への転換を強く求めていく。

以上