声明・談話

2017年1月23日

「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の論点整理の公表について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.本日、天皇の退位などを検討する「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」は、現在の天皇一代に限り退位を認める案と将来の天皇にも認める案について、利点と課題を併記した論点整理をまとめ公表した。しかし、論点整理では、皇室典範の改正や特別法の制定などの法形式の是非には踏み込まなかったものの、一代限りとする案の利点を多く記述するなど特別法の優位性が強調され、安倍政権が目指す方向を後押しするものとなった。

2.有識者会議は、のべ3回、16人の専門家から意見を求めたが、それ自体、保守色の強い論者が多く、若手や女性も少なくバランスを欠いた意見聴取だった。しかも有識者会議の御厨座長代理が新聞社のインタビューに対し、「10月の有識者会議の前後で、政府から特別法でという方針は出ていた。政府の会議に呼ばれることは、基本的にはその方向で議論を進めるのだ」と答えているように、有識者会議や専門家の恣意的な人選から始まって、はじめから結論ありきのアリバイ作りだったと言わざるを得ない。

3.憲法第一条は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」としている。多くの世論調査では、「皇室典範の改正」を求める声が大多数であり、特別法は、国民の総意とかなり隔たりがある。また、憲法第二条では、「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とある。一代限りの特別法ではなく、恒久的な制度とするべく皇室典範を改正するのが正当である。

4.この間、世論を誘導するかのように、退位や改元の時期、退位後の天皇の名称、秋篠宮の待遇などの情報が既定方針のように流されていることは、極めて問題である。天皇の地位が「主権の存する日本国民の総意に基く」以上、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織するとされている国会が、国民とともに、自発的な取組みとして幅広い観点で議論を深め、国民の理解を得ていくよう与野党が協力して法制化するべきである。国会として政府方針を追認するようでは問題であるし、恣意的な有識者会議の議論に基づき、政府が先行することも許されない。

5.社民党は、党内議論を精力的に進めて、両院の合同会議を通じて意見を反映させ、一致点を見いだす努力をしていく。

以上