声明・談話

2016年11月11日

日印原子力協定の署名に断固抗議する(コメント)

社会民主党党首 吉田忠智

 本日、安倍首相は来日したインドのモディ首相と首脳会談を行い、日本からインドへの原子力発電所関連の資機材や技術の輸出を可能とする日印原子力協定に署名しました。今回の協定は、NPT(核不拡散条約)非加盟国とのはじめての原子力協定であり、被爆国であり、核廃絶を強く訴えてきた日本が、インドの核兵器国としての地位を認めさらに確固としたものとすることを意味します。社民党は、全被爆者、全世界の核廃絶の願いを踏みにじる愚行であり、核不拡散体制を揺るがす致命的な一歩となるものとして、今回の協定の署名に断固抗議します。

インドとの原子力協定は、2011年の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故によって中断されてきましたが、2013年、原子力を成長戦略に位置づけ、原発再稼働・原発輸出に躍起になる安倍政権によって交渉が再開されました。しかし、核実験を実施した際の協力停止についても、協定本体には規定されず、核実験をさせない枠組みや方法は極めて不十分といわざるを得ません。使用済み核燃料の再処理で抽出されるプルトニウムについて、軍事転用されないことの監視や担保も明らかではありません。またNPTに入らずとも原子力協定を結べるのなら、むしろNPT加盟へのインセンティブを損なうことになり、核不拡散の努力を無にすることになりかねません。

インドとパキスタンは、カシミール地方を巡って、近年最悪の緊張にあると言われており、今回の協定が、激しさを増している南アジア地域の軍事緊張を一層高めないという保証はありません。そもそも2011年3月11日から5年半がたちましたが、東京電力福島第一原発事故は今もなお収束しておらず、多くの避難者への補償もないままです。万が一日本が輸出した原発で事故が起きてしまった場合、日本はインドの被害住民に償うことができるのでしょうか。電力需要が急増するインドに対して、日本が行うべきは、再生可能エネルギーや柔軟性のある系統への協力であるはずです。社民党は、「さようなら原発1000万人アクション」をはじめ、多くの市民の皆さんとともに、協定の承認阻止に向け、全力で取り組みます。

以上