声明・談話

2016年11月 4日

TPP承認案及び関係法案の採決強行に満腔の怒りを込めて抗議する(談話)

社会民主党幹事長 又市 征治

1.与党は本日、衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会を委員長職権で開会し、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の締結について承認を求めるの件及び関係法律の整備に関する法律案の採決を強行した。国会は数の力で政権の意思を押し通す道具ではない。農業者の反対が高揚し、国民の理解が得られていない中での本日の採決強行は、まさに民主主義を破壊する暴挙であり、本日の採決強行は断じて認められない。社民党は満腔の怒りを込めて抗議する。

2.委員会では、ようやく農林水産業以外の食の安全、公的医療制度や薬価、労働、公共事業、著作権、ISDS(投資家対国家間の紛争解決条項)をはじめとするテーマの質疑が行われるようになってきたばかりである。誤訳が相次いだように、内容も膨大で複雑かつ難解であり、21分野にわたる課題や問題点を掘り下げた議論は尽されたとはいえない。関係法案も11法案を一括にしたものであり、十分な議論は行われていない。重要案件の採決の前提である中央公聴会もいまだ開かれていない。安倍首相が「国民に丁寧に説明する」と言いながら、交渉過程記録は墨塗りで、8400ページを超える関連文書の和訳も2400ページ分にすぎない。採決の環境が整ったとは、到底いえない。

3.「西川議員の思いを、強行採決という形で実現するようがんばらせてもらう」という福井照理事や、「強行採決するかどうかは佐藤氏が決める」と強行採決も選択肢になると受け取れる発言をした山本農相に見られるように、驕りと慢心極まる安倍政権には当初から真摯に審議を尽くそうとする姿勢は微塵もなかった。その山本農相からは、「こないだ冗談を言ったら(農相を)首になりそうになった」、「農林水産省に来ていただければ、何か良いことがあるかもしれません」など、またもや問題発言が飛び出した。山本農相は先の発言に対し、「国会のことは国会で決めるという趣旨で述べた。ご迷惑をおかけした」として発言を撤回して謝罪したが、国会で決めることが冗談だったのであれば、行政府が強行採決するのが本音だったということになる。農業関係者に利益誘導を働きかける発言も断じて見過ごすことはできない。大臣としての資質に欠けることは明白であり、社民党は山本農相の辞任を強く求める。

4.TPPの発効は日米両国の国内承認が絶対条件となっているが、米国で承認見通しが立たない以上、日本だけが拙速にことを進める必然性は全くない。安倍政権は米国の再交渉要求に応じない姿勢を見せるためとして8日の大統領選挙前の衆議院通過を急いでいるが、日本が先行して承認しても米国が再交渉を求めてこない保証はどこにもない。むしろ他の参加国と同様、米国の情勢を慎重に見極め今国会での承認を見送るのが筋である。

5.例外なき関税ゼロ、規制撤廃を目指すTPPは、農林水産業だけでなく国民生活や地域経済にも大きな影響を及ぼす。共同通信社の全国電話世論調査でも国民の4分の3が慎重審議を求めているように、国民の理解が進んだとは言えない。多くの農業者も断固反対の声を上げている。社民党は、野党共闘を一層強化し、TPPに不安や疑問を持つ多くの皆さんとともに、本会議上程阻止に向け全力で闘う。

以上