声明・談話

2019年3月29日

2016年度政府予算案の成立について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.本日の参議院本会議で、2016年度政府予算案が与党などの賛成で可決し、成立した。社民党は、2016年度予算案がアベノミクスの失敗を隠す「一億総活躍社会」づくりやTPP対策を名目にした参議院選挙向けの「バラマキ」であるとともに、「戦争法」整備に沿って防衛費が4年連続で増額となり、「積極的平和主義」を掲げてODA予算の増額が目立つ、まさに選挙対策と軍拡を進める予算であることから、反対した。

2.本日から、憲法違反の「戦争法」が施行されたことに怒りを禁じ得ないが、2016年度予算案においても、防衛費はますます「聖域化」され、4年連続の増額で初めて5兆円を突破した。内容的にも、F35ステルス戦闘機、オスプレイ、新型空中給油機、対空型無人機など、攻撃型の高額兵器の購入が目立っている。また、沖縄県民の民意に反する辺野古新基地建設関係予算が計上されるとともに、「思いやり予算」も21億円増の1920億円、宇宙分野でのスパイ衛星である情報収集衛星も5億円増の619億円となり、さらに、民間人船員を海上自衛隊の予備自衛官補として「活用」する事実上の「徴用」につながる予算も盛り込まれており、断じて認められない。

3.社会保障費については、本来1兆円近くが見込まれる自然増分が4997億円に圧縮され、小泉・第一次安倍政権下における毎年2200億円カットを上回る削減となった。さらに、「保育園に落ちたの私だ」の声をかき消すかのように、子育て世帯臨時特例給付金を廃止するなど、選挙目当ての名ばかりの「一億総活躍」予算にほかならない。社民党は野党共同で、保育士の賃金を月5万円引き上げるなどの議員立法を提出している。一方、安倍政権は小手先の緊急対策をまとめたが、企業主導や規制緩和による対応は、子どもの健康や安心の保育といった質の面で不安を拡大し、保育をビジネス目的に変えようとする問題がある。

4.文科省予算が、前年度比0.25%減の5兆3216億円となったことも問題である。今こそ「学生ローン」と化している奨学金制度を抜本的に改め、有利子から無利子型への転換や給付型奨学金の創設を急ぐべきである。また、中小企業対策予算が減額されたことは、大企業と中小企業の格差拡大を進めるものであり、アベノミクスによる大企業優遇を示すものである。さらに、TPP「大筋合意」を背景に、農林水産関係予算は、農地の大区画化推進や土地改良事業など、大規模農家への支援偏重が目立つものとなり、丸5年の節目となる復興関係予算では、住宅再建や復興まちづくりに関する予算が前年度比2000億円以上削減されており、被災地の「生活再建」が置き去りにされていると言わざるを得ない。地方財政も、一般財源総額は確保されたものの、自主財源である法人住民税の国税化、交付税別枠加算の廃止、交付税算定へのトップランナー方式の導入や行革算定・成果配分方式の拡充など、分権・自治の面から問題が残るものとなっている。公共事業や原子力関係予算においては、ムダな事業やプロジェクトへの切り込みが足りるものとはなっていない。

5.予算案審議では、景気や雇用の実態とアベノミクス、消費税と軽減税率の問題点、TPP協定の経済効果分析や農業対策の根拠、TiSA(新多国間自由貿易)協定の問題点、同一労働同一賃金と地方交付税の算定にトップランナー方式を導入することの矛盾、官製ワーキングプア問題、GPIFの運用リスク上昇と将来の年金への影響、辺野古新基地建設問題、原発再稼働問題、労働法制の改悪、甘利問題や高市総務大臣の発言、「戦争法」の問題点や憲法改正問題などについてただすとともに、最低賃金や介護報酬の引き上げ、残業代を含む総労働時間の上限規制、子どもの貧困問題、待機児童解消策、給付型奨学金の創設などについて、積極的な提案を行った。引き続き社民党は、労働者や社会的弱者にしわ寄せをもたらすアベノミクスの問題点を追及するとともに、格差を是正し、くらしと雇用を守る立場で、取り組みを進める。

6.参議院における予算案の審議中に、緊急経済対策の策定や補正予算の編成が公然と報道された。参議院軽視であるだけでなく、政府予算の欠陥を政府自ら認めたことに他ならない。本来、予算案を提出し直すべきであるし、アベノミクスの失敗を認めるべきである。安倍政権が、「出生率1・8」や「介護離職ゼロ」を本当に実現したいのなら、IMFやOECDのレポートが示すように、まず「格差是正こそ経済成長」を促すべきであり、消費税増税や労働法制改悪、社会保障切り捨てなど、「世界で一番企業が活動しやすい国」を目指してきた安倍政権の政策自体の転換が欠かせない。後半国会は、TPP協定及び関連法案、衆議院選挙制度改革、消費税増税再延期問題、待機児童問題などが焦点となる。社民党は、「戦争法」廃止法案や国民生活に身近な問題で共同提出した野党の議員立法の審議を求めるとともに、安倍政権の暴走を徹底的に追及し、きっぱりと対峙していく。

以上