声明・談話

2016年3月1日

2016年度政府予算案の衆議院通過に当たって(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.2016年度政府予算案は、本日の衆議院本会議で可決し、参議院へ送られた。社民党は、アベノミクスの失敗を隠す「一億総活躍社会」づくりやTPP対策を名目にした参議院選挙向けの「バラマキ」、何よりも「戦争法」整備に沿って防衛費が4年連続で増額となるなど、選挙対策と軍拡を進める予算となっていることなどの問題点を指摘し、予算案に反対した。また、民主党・維新の党が提出した編成替えを求める動議については、野党共闘を重視する立場から賛成した。

2.「戦争法」の施行を控える中、防衛費は「聖域化」され、4年連続の増となり、5兆541億円と初めて5兆円を突破した。内容的にも、F35ステルス戦闘機、オスプレイ、新型空中給油機、対空型無人機などの攻撃型の高額兵器の購入が目立っている。また、沖縄県民の民意に反する辺野古新基地建設関係予算が計上され、「思いやり予算」も21億円増の1920億円、宇宙分野でスパイ衛星である情報収集衛星も5億円増の619億円となるなど、多くの問題を抱えている。民間人船員を海上自衛隊の予備自衛官補として活用するための予算は、事実上の「徴用」につながるものであり、断じて認められない。

3.参院選対策を意識し、「一億総活躍社会」関係として、若者や女性、高齢者などを応援する姿勢を示すべく、この間野党側が提起していた保育や介護の充実策も盛り込んではいる。しかし、本来1兆円近く見込まれる社会保障費の自然増は、4997億円に圧縮され、小泉・第一次安倍政権下における毎年2200億円カットを上回る削減となっている。また、年金額の据え置き、入院食費の値上げ、診療報酬の実質1.03%引き下げ、子育て世帯臨時特例給付金の廃止など、福祉の切り捨ても進んでいる。医療サービスの公定価格である診療報酬は、8年ぶりのマイナス改定となり、医療機関や薬局の経営への影響も深刻となっている。

4.教職員定数の3475人削減や国立大学運営費の重点支援配分の導入も問題が残る。奨学金について、有利子から無利子型への転換や給付型奨学金の創設を急ぐべきである。公共事業や原子力関係予算において、ムダな事業や意味のないプロジェクトの切り込みが足りない。農林水産業関係は、TPP「大筋合意」を背景に、農地の大区画化推進や土地改良事業など大規模農家への支援偏重が目立っている。丸5年の節目となる復興関係予算では、住宅再建や復興まちづくりに関する予算が前年度比2000億円以上削減されており、「生活再建」が置き去りにされているものと言わざるを得ない。地方財政は、一般財源総額は確保されたものの、自主財源である法人住民税の国税化、交付税別枠加算の廃止、交付税算定へのトップランナー方式の導入や行革算定・成果配分方式の拡充など、分権・自治の面から問題が残るものとなっている。

5.IMFやOECDのレポートが示すように、「格差是正こそ経済成長」を促すべきであり、参議院において、アベノミクスや「一億総活躍社会」の問題点を徹底的に追及するとともに、「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざしてきた安倍政権の政策自体の転換を求める立場からの論戦に挑む。あわせて、「戦争法」施行や原発再稼働、TPP、消費税増税、甘利疑惑など、国政に関する重要課題についても安倍政権の姿勢をただし、他の野党と連携し、政府・与党を追い込んでいく。

以上