声明・談話

2015年11月17日

辺野古埋め立て承認の代執行に向けた提訴に断固抗議する(談話)

社会民主党幹事長代行
吉川 元

1.政府は本日、翁長雄志沖縄県知事の辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消し処分を撤回する代執行に向けた行政訴訟を福岡高裁那覇支部に提起した。2013年3月22日提出の照屋寛徳議員の質問主意書に対し、「地方自治法第245条の8の規定による代執行等を行うことは検討していない」としていたにもかかわらず、辺野古新基地建設ありきの国策を強権的に押しつけようとして、沖縄県民の民意を踏みにじり、地方自治と民主主義を破壊するものであり、安倍政権に断固抗議する。

2.沖縄県の意見書や弁明書、公開質問状にまともに答えようとせず、政府が先に司法に訴えたことは、何が何でも沖縄に恒久的基地を押しつけようとする政府の「最後通牒」にほかならない。安倍政権の側から地元の理解を得る努力を放棄したものであり、「県民に寄り添う」、「十分な説明をする」としていた安倍政権の姿勢自体が虚偽・偽善であったことを自らあらわにした。

3.政府は、稲嶺進市長が移設に反対しているにもかかわらず、移設先隣接3地区に対し、振興費を直接支出する方針を決めている。米軍統治下で不満を抱く県民を懐柔する手段としても使われ、統治に好意的であるかどうかが支給の基準となった、「弁務官資金」を彷彿とさせる。法的根拠もあいまいなまま、恣意的に町内会と同じような任意の組織に、国が県や市など自治体の頭越しに事業費を支出するのは、地方自治をないがしろにするものであるといわざるをえない。一方で地方自治や住民の民意を軽んじながら、他方で地方自治法による代執行を強行する安倍政権のなりふり構わぬ姿勢は極めて問題である。

4.また、政府は、代執行手続きとは別に、翁長知事の埋め立て承認取消処分を一時執行停止する決定を出した。沖縄県はこの決定を不服として、総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会に審査を申し出ている。「私人」として行政不服審査法を濫用し、埋め立て承認取り消しの執行停止と処分無効の申し立てをしながら、他方で「国家権力」として代執行手続きを進めるダブルスタンダードは許されない。

5.国が代執行を求める訴訟は2000年の地方自治法改正後、初めてであるが、分権改革によって、国と自治体の関係は、上下主従関係から水平対等な関係となり、国の関与の基本原則は、「地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならない」とされている。地方自治法第245条の8第8項の代執行も、都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反しているか、他の方法によって是正を図ることが困難であり、かつ、それを放置することにより著しく公益を害することが明らかであるとき、というきわめて限定的な状況において行うことが可能となるものである。法的瑕疵のある承認を取り消すことは排除されないし、国には県の違法性等を立証する責任がある。高等裁判所は、承認取り消しの違法性や適正性、公益への影響等について、公正に審理を尽くすべきである。

6.辺野古新基地建設に反対する闘いは、法廷闘争突入という新たな局面に入った。社民党は、沖縄県民に寄り添い、辺野古新基地建設を「今後あらゆる手を尽くして阻止する」とする翁長沖縄県知事を国会内外で支え、現地で立ち上がっている多くの皆さんとともに、建設阻止に向け、最後まで全力を挙げる。

以上