声明・談話

2015年10月27日

辺野古埋め立て承認取消処分の執行停止に抗議する(談話)

社会民主党幹事長代行
吉川はじめ

1.今月13日に翁長雄志沖縄県知事は、仲井真弘多前知事が決定した名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認について、瑕疵があるとして取り消し、沖縄防衛局は、行政不服審査法に基づく知事の取消処分の執行停止と、審査請求を国交相に申し立てていた。本日、石井啓一国土交通相は、知事の取消処分の効力を停止することを発表し、また政府は閣議で、地方自治法に基づき、国による代執行に向けた手続きに着手することを了解した。新基地建設ありきで沖縄県民の民意を否定し、国策を押しつけ、遮二無二工事を強行しようとする安倍政権に対し、断固抗議する。

2.社民党はじめ各党が追及してきたように、行政不服審査制度は、権力を持たない国民が不服を申し立て権利利益の救済を求めるものであり、国が一私人として不服を申し立てることを予定しているものではない。しかも来年施行される新法は、国の機関等については適用除外としている(第7条第2項)。そして、審査庁は違ったとしても、同じ安倍政権下で行う審理であれば、公平・公正・中立性は到底確保できない。そもそも公有水面埋立法は、国等と私人で手続きを異にしている。したがって、国による審査請求及び執行停止の申し立て自体、不適法で法をねじ曲げる乱用である。このことは、今回の政府の行政不服審査法に基づく審査請求について、全国の行政法学者93名が連名で反対の声明を公表していることからも明らかである。

3.石井国交相は、「普天間飛行場の移設事業の継続が不可能となり、周辺住民が被る危険性が継続する」と述べたとされるが、あくまでも公有水面埋立法第4条の「国土利用上適正且合理的ナルコト」、「環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」などの要件や沖縄県の審査基準に則り、判断されるべきである。

4.2013年3月22日の照屋寛徳議員の質問主意書に対し、「地方自治法第245条の8の規定による代執行等を行うことは検討していない」としていた安倍政権は、前言を翻し、「外交・防衛上、重大な損害を生じるなど著しく公益を害する」、「日米同盟に悪影響を及ぼす可能性がある」などとして、本日の閣議で、地方自治法に基づく代執行に向けた手続きに着手することを了解した。かたや私人として行政不服審査法に基づく申し立てをしながら、かたや国として地方自治法に基づく代執行の手続きに着手するというのは、ご都合主義の茶番以外の何物でもない。しかし、地方自治法第245条の8の代執行等は、法定受託事務の処理が法令の規定に違反しているか、他の方法によって是正を図ることが困難であり、かつ、それを放置することにより著しく公益を害することが明らかであるとき、という限定的な状況において許されるものであり、高裁の認容判決も必要とされる。国が地方公共団体の法定受託事務に対して代執行の手続きを取るのは今回が初めてとなるが、「地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならない」という国の関与の基本原則に立ち返るべきであり、沖縄の民意も地方自治も根こそぎ破壊する安倍政権の暴走は断じて認められない。

5.沖縄県は、今後、国地方係争処理委員会に審査を申し出る構えとされる。社民党は、沖縄県民の民意を受け止め、公約を守り、辺野古新基地建設を「今後あらゆる手を尽くして阻止する」とする翁長沖縄県知事を国会内外で支え、辺野古新基地建設阻止に向け、最後まで全力を挙げる。

以上