声明・談話

2015年9月8日

労働者派遣法改正案の参議院委員会通過について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.本日の参議院厚生労働委員会で、安倍政権の進める労働法制改悪の大きな柱である労働者派遣法改正案が採決された。派遣社員の7割近くも改正案に「反対」であり、正社員希望が6割を超すという調査もある。派遣法改正案そのものの審議も不十分であるし、年金情報漏洩問題の追及・解明も終わっていない。また、採決直前に突如として修正案を審議もなく押し通そうとするのは、立法府の責任放棄である。予定していた9月1日の施行日を過ぎても成立していない「欠陥法案」であり、多くの派遣労働者の持っている不安や懸念に答えないままの採決は断じて容認できるものではない。社民党は、政府・与党の強引な委員会運営に対して抗議する。

2.本案は、専門26業務という区分や業務単位での期間制限を廃止し、派遣先の同一の事業所における派遣労働者の受け入れについて3年を上限とするとともに、派遣先の同一の組織単位(課)における同一の派遣労働者の受け入れも3年を上限とするものである。業務につく人をかえれば、3年以上の派遣社員の使用が許されるようになり、多くの派遣労働者が、3年ごとに仕事を失うことも危惧される。

3.一方、派遣労働者が求めていた、「均等待遇原則」の導入そのものは見送りとなり、「改善策」と言われるものも、派遣会社、派遣先の「努力」や「配慮」ばかりで、効果がほとんど見込めない。同じ事業所に派遣労働者を3年を超えて受け入れできるためには、過半数組合等から意見聴取することになっているものの、「意見を聞けば足りる」だけであり、歯止めにはほど遠い。

4.与党と厚労省は、派遣業界や経済界の意向を受けて、10月1日から施行される予定の「労働契約申し込みみなし制度」(違法派遣があった場合に派遣先企業が派遣社員を直接雇用する制度)の施行前に新法を施行させようと強引に押し通そうとしてきた。「労働契約申し込みみなし制度」は、自民・公明も賛成していた内容であり、本案で形骸化し派遣労働者の希望を奪うことは裏切りそのものである。また、経過措置を規定している附則9条についても、政府が恣意的に解釈し、「労働契約申し込みみなし制度」の骨抜きを図ろうとするのことも許されない。さらに、現行法を根幹から変え、派遣労働者の雇用や待遇を大きく変える内容について、たった1日というきわめて短い周知期間で施行することも異常である。労政審における本案に基づく政省令の十分な審議時間も確保されていない。

5.使用者や派遣業者の立場に立った本案は、決して派遣労働者の保護やキャリアアップ、雇用の安定にはつながるものではない。むしろ不安定かつ低賃金である派遣労働者を増やすものであり、労働者派遣制度をほぼ全面自由化し、派遣労働者の労働条件の切り下げや、地位のさらなる不安定化をもたらすものである。「生涯ハケン」を固定化する今回の派遣法改正案は廃案しかない。派遣労働者の雇用安定と処遇改善を実現するとともに、正社員への転換を進めるための労働者派遣法の見直しこそ求められている。社民党は、今後とも働く仲間の皆さんとともに、「岩盤規制」として労働法制の改悪に突き進み、「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりを進める安倍政権と断固対決していく。

以上