声明・談話

2015年8月11日

九州電力川内原発1号機の再稼働に断固抗議する(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

1.本日午前10時半、九州電力は川内原発1号機を再稼働した。2013年7月施行の新規制基準に基づく初の運転再開であり、これにより2013年9月以降続いていた「原発稼働ゼロ」が1年11か月ぶりに終わる。「日本一危険」な川内原発の再稼働を強行した九州電力、政府、原子力規制委員会に対し、強い憤りを持って断固抗議する。

2.2011年3月11日の福島第一原子力発電所事故から4年余り経ったにもかかわらず、事故原因すら解明されないまま、原発労働者の被曝の増大や累積する汚染水の処理など困難な問題が山積し、事故の収束の見通しは立っていない。今なお11万人を超える住民が避難生活を強いられている。放射能の影響や避難生活のストレスなどから、子どもたちをはじめ多くの住民の健康被害も懸念されている。しかも避難指示解除の名の下に、加害者責任の放棄と賠償打ち切りなどの被災者切り捨てが始まっている。こうした中の再稼働は断じて認められない。

3.田中俊一原子力規制委員長は、新しい規制基準の適合審査は「安全性を保証するものではない」と発言し、菅官房長官は「原発の安全性は、規制委員会の判断にゆだねている」、「個々の再稼働は事業者の判断で決める」などと互いに責任転嫁している。川内原発で万が一事故が起きた場合の損害賠償に充てる相当額の担保もないままである。福島原発事故が起きても誰も責任を問われない無責任体制を続けて再稼働するのは許されない。

4.原子力規制委員会は、川内原発を新規制基準に適合するとしたが、事故の可能性は否定していない。耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)の根拠も不十分で、大地震には対応できない可能性がある。桜島を含む姶良カルデラをはじめとしたカルデラと巨大噴火の危険性には、火山学会など専門家からも異論が出ている。巨大噴火時の核燃料の緊急避難の約束も実効性のない「空手形」にすぎない。県民の生命を守る避難計画もずさんな絵に描いた餅である。特に、病院や福祉施設の患者・入所者をはじめとする要援護者については手つかずである。台風などとの複合災害対策も不十分である。3県にまたがる10の周辺自治体議会が求めている住民説明会も開かれていない。国民から規制委員会に寄せられた1万7000件を超える意見もほとんど顧みられることがなかった。

5.川内原発は、運転開始から30年経過していることから、保守管理体制が懸念される。設備の劣化具合を評価し、保守管理方針を記す「保安規定」も長らく不備が放置されてきた。廃炉を選択する方が賢明である。

6.政府は、国民世論を無視し、目先の再稼働に固執するのではなく、「脱原発」の方針を明確にし、自然エネルギーの拡大に向けて全力を尽くすべきである。社民党は、脱原発基本法の提出を目指すとともに、「命より大事なもんがあってよかですか!」との思いで反対する多くの皆さんとともに、国会での追及、政府交渉、院外の反対闘争、法廷闘争に全力をあげる。

以上