声明・談話

2015年8月10日

内閣総理大臣 安倍晋三 殿

衆議院議員  照屋 寛徳

社会民主党沖縄県連合 執行委員長  新里 米吉

沖縄県議会 社民・護憲ネット会派長 仲宗根 悟

沖縄戦の被害実相等に関する申し入れ

沖縄戦の被害実相等に関する申し入れ

 

 政府は戦後のある時期、一般戦災を含む被害総合報告書をまとめてきた。

 経済安定本部による1949(昭和24)年の「太平洋戦争による我国の被害総合報告書」(以下、政府報告書という)によれば、「人的被害」として、「銃後の人口」「軍人・軍属」の被害者数が都道府県ごとに調査、掲載され、また「物的被害」についても「建築物」、「港湾」、「橋梁」、「鉄道」、「船舶」、「電気」、「ガス供給設備」、「電話」、「水道」、「道路」、「林野」及び「分類困難なもの」に至るまで、各県ごとの一覧により被害面積や損害額が詳細に調査、記録されている。

 殊に、一般住民の犠牲については、「広島、長崎の両県が東京に次いで多数の被害者を出している」とし、原子爆弾による被害が大であったこと、昭和19年との人口比較で、広島は「県民13名に1名」、長崎は「22名に1名」、東京は「33名に1名」という、「高い被害率」であったこと等が付されている。

 ただ同報告書には、「沖縄県」のみ記載が見当たらない。

 北海道から鹿児島県までの46都道府県の被害調査が報告のすべてであり、「朝鮮、台湾その他外資試算の喪失は計上せず」との記述はあるものの、沖縄県の取扱いに関する但し書き等は一切見当たらない。まるで日本国に「沖縄県」は存在していなかったかのようである。

 ことし2015(平成27)年は戦後70年を迎える節目の年となるが、政府報告書からは、戦後、復帰後、今日まで「沖縄県」の被害調査ないし把握を、政府が主体的に行ったことがあるか不確かである。「戦争がいかに莫大な損失をもたらすものであるかを明らかにし、平和国家として更生すべき決意をいよいよ堅からしめること」「戦争による国富の喪失を数量的に明らかにし、戦後経済再建のための基礎的資料を提供すること」等の目的を掲げ実施された46都道府県報告に並ぶ、「沖縄県」の被害把握は、去る大戦の実相を掴む上で、断じて欠落させてはならない構成要素となるものだ。

 住民を巻き込み、筆舌に尽くしがたい惨劇を繰り広げた地上戦、沖縄戦に関し、政府は住民被害をどう調査、把握し、記録しているのか。

 もしや、今日まで政府による調査把握がないならば、沖縄県が行った沖縄戦被害調査を全国調査に加えて補正した上で、将来にわたって政府報告書に「沖縄県」の被害実相を反映させるよう整備を求めるものである。

以上