声明・談話

2015年7月24日

参議院選挙制度改革に関する公職選挙法一部改正案の参議院通過について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.本日の参議院本会議で、自民党が野党4会派(維新、元気、次世代、改革)ととともに提出した「公職選挙法の一部を改正する法律案」が可決・通過した。鳥取県と島根県、高知県と徳島県の「4県2合区」を含む「10増10減」の同法案によって、2013年の参院選で4.77倍あった最大較差は、2.974倍(2010年国勢調査)に縮小するものの、今年1月1日現在の住民基本台帳人口では依然として3倍を超える。これは、「較差は2倍以内に抑える」という選挙制度協議会の大筋合意に反するものであり、一票の較差是正には程遠いし、そもそも「選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、結論を得る」とした前回の「4増4減」法の附則に反する。また、はじめて合区が取り入れられたが、合区には、①人口の少ない県から議員を選出できない、②歴史的文化的な背景を考慮していない、③人口変動によって更なる組み換えが必至であり、制度としての安定性に欠けるなどの問題がある。したがって、社民党は同案に反対した。

2.また、採決を要しないものとされたが、「20県10合区」を含む「12増12減」の民主・公明・生活提出の「公職選挙法の一部を改正する法律案」案については、較差を1.945倍に抑えるとはいえ、北信越の富山県と東海の岐阜県、南関東の山梨県と北信越の長野県を合区するなど、歴史的文化的な背景を考慮していない機械的な合区が盛り込まれているなどの課題が残るものであった。「合区」を増やすのであれば、衆院選でも定着し、選挙管理委員会の事務作業等の負担も少ない「ブロック単位」に移行すべきである。

3.最高裁は、2013年、2010年の参院選をいずれも「違憲状態」と判断し、都道府県単位の選挙区割りには限界があるとして見直しを求めてきた。2013年から計31回にわたり開催された各会派の実務者による「選挙制度協議会」においては、①現行憲法下で検討を行う、②現行定数を念頭に置き検討を行う、③2012年10月の最高裁判決にのっとり検討を行う、の3点に加え、④較差は2倍以内に抑えることも大筋合意に至っていた。その後、各会派代表者による「選挙制度の改革に関する検討会」が7回行われたが、最大会派の自民党が意見集約を行えず、各党の意見集約には至らなかった。議員の身分に関わる重要な選挙制度について、改革論議が迷走した大きな責任は、第一党の自民党にある。1票の較差是正に対する自民党の取り組みは極めて無責任かつ不十分であり、憲法上の要請よりも自らの議席確保を優先させてきた自民党に対し、強く猛省を促したい。

4.社民党は、「一票の較差」是正など国民の意思を適正に反映する制度の実現を図るため、①全国単一の比例代表選挙と選挙区選挙の現行制度は維持、②定数は現行どおり、③3年ごとの半数改選は維持、④選挙区選挙は都道府県単位を全国11ブロック単位とし「一票の較差」を2倍以内に抑えることを提案してきた。当初は公明党と共同提出を模索し、その後共産党にも働きかけ、維新の党からも一定の評価を得ていたが、最高裁判決や選挙制度改革の合意に一番かなうブロックごとの大選挙区制案を実現することができなかったことは極めて残念である。しかし、通過した「10増10減」案によっても、来年の参議院選挙では較差3倍を超えることが予想され、再び最高裁で違憲状態の判断が下される可能性が強い。また、附則には、次々回の2019年の参院選に向け、「選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る」との文言が盛り込まれており、真の抜本改革の実現に向けて歩みを緩めずに取り組んでいく。

以上