声明・談話

2015年7月15日

衆議院特別委員会における「戦争法案」の強行採決について(談話)

社会民主党幹事長
又市 征治

1.塩崎厚生労働相や石破地方創生担当相からも国民の理解が進んでいないという声が上がる中、与党は、衆議院の我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会において、「戦争法案」そのものである「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」ならびに「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案」の採決を強行した。立憲主義や平和主義に反し憲法違反そのものである法案を、不安や懸念を抱く多くの国民の声を無視し、院内多数の暴力で強行することは、二重三重に憲法を踏みにじるものであり、社民党は満腔の怒りを持って弾劾する。

2.与党は、特別委員会での審議が100時間を超え、中央公聴会が終わったので採決環境が整ったとするが、そもそも80時間や100時間は与党の勝手な目安にすぎないし、今回の「戦争法案」は、11もの法案を一括審議するとともに、 戦後の平和国家の歩みを転換し、いつでもどこでも自衛隊を派兵するという法案の重大な中身からすれば、決して一国会で処理すべきものではない。憲法と不可分の法案であるからこそ、全会派の参加による審議でなければなかったが、最後まで社民党や生活の党の発言の機会がなかった。

3.かつてないことに、9割以上の憲法学者や内閣法制局長官経験者が違憲であるとし、8割を超える国民も、説明不足であり今国会での成立に反対している。また、今通常国会で、衆議院に届いた安保政策関連の意見書は、39都道府県297議会の計326通(7月10日現在)にのぼるが、そのうち113議会が違憲性を指摘し、慎重・反対あわせて300に迫っている。

4.しかも、論点が尽くされたどころか、審議すればするほど問題点が浮かび上がってきている。集団的自衛権の行使要件をめぐる答弁は曖昧さが残り、憲法違反との疑念は全く払拭されていない。邦人輸送中の米艦防護が可能となるタイミングもゆれているし、「明白な危険」の判断基準も示されていない。任務が拡大する自衛隊員のリスクが増えるかどうかの論争や、後方支援と武力行使との一体化論も決着していない。PKOの「駆け付け警護」や海外での邦人救出の議論も詰まっていない。ホルムズ海峡の機雷掃海や邦人輸送中の米艦防護などの政府の想定は机上の空論が多く、リアリティのある議論も深まっていない。新たな「日米防衛協力の指針」に明記された、常設の「同盟調整メカニズム」や部隊運用の共同計画の具体像も不透明なままである。政府統一見解、資料要求もまだ半分程度しか出ていない。首相や閣僚のぼろが大きくならないうちに、法案の本当の狙いが広く国民に知られないうちに採決してしまえ、ということは断じて許されない。

5.社民党はじめ野党5党は、10日に党首会談を行い、強引な採決は認められないこと及び今後も5党で緊密に連携していくことを確認した。連日の総掛かり行動やSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)などの学生たちの行動、日弁連や国民安保法制懇、1万人に迫る安全保障関連法案に反対する学者の会の反対署名、「誰の子供も殺させない」として立ち上がった女性たち、草の根の様々な集まりなど、院外の多くの皆さんの反対の声が燎原の火のごとく燃え広がっている。各社の調査でも、安倍内閣の支持と不支持が逆転しだしている。政府案は、アメリカなど他国が海外で行う軍事行動に、日本の自衛隊が協力し加担していくものであり、明らかに憲法9条に違反している。違憲の法案が合憲となることはないのであって、審議を尽くした上での廃案しかない。衆議院本会議での上程阻止に向け全力で闘う。

以上