声明・談話

2015年6月30日

農協改革関連法案の衆院通過に抗議する(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.JAの事業目的に「農業所得の増大に最大限の配慮」を明記し、公認会計士監査の義務づけや、JA全中(全国農業協同組合中央会)の社団法人化などを柱とする政府の農協改革関連法案が、本日、衆院本会議で採決され衆院を通過した。協同組合の精神を否定し地域インフラとしての総合農協の役割を全く踏まえず、効率一辺倒の市場原理主義に基づく農協解体論でしかない同法案は断じて認められず、社民党は本会議で強い憤りを込めて反対した。

2.衆院審議での政府答弁は杜撰を極めた。安倍政権は法案の目的を「農業所得の向上」と繰り返すが、例えば全中の監査権限をなくし社団法人化すれば、なぜどのようなプロセスで所得増につながるのか明確な説明は最後までなかった。また全中による業務監査について、単位農協や農業者の自由な活動を阻害している事例があるとし法改正の根拠としてきたが、野党が繰り返し質してもその具体例を示さなかった。立法事実すら明示できないのは、政府の農協改革が農業破壊につながるとしてTPPに反対する農民団体つぶしの「改革」でしかないことの証左である。

3.今回は先送りされたものの、准組合員の利用制限問題には参考人質疑や地方公聴会で農業者やJA関係者、有識者などから特に強い懸念が示された。法案では事業運営原則で農業所得増大を最重点化して職能組合の色合いを強めており、このことが地域を支える協同組合の性格を弱め、准組合員の事業利用を問題視する風潮をあおりかねない。しかし中山間地域などでは農協が運営する金融窓口や医療機関、商店、給油所などが地域住民の大切な生活インフラの役割を担っており、准組合員が利用制限されれば弊害は極めて大きく地域の衰退に直結しかねない。利用制限問題は5年間の調査期間後に、時の政権の意向次第で再び議論の俎上に上りかねず、社民党は厳しく監視、反対していく。

4.農協法改正案に加え、農業委員の公選制廃止を含む農業委員会法と農業生産法人の要件を緩和する農地法の両改正案にも社民党は断固として反対である。農業委員は本来、無秩序な開発を防ぐ「農地の番人」という公的な性格を持つが、市町村長の選任では恣意的な人選が否定できず、開発志向の強い首長から農地を守る担保がない。農業生産法人役員の農作業従事要件や議決権を持つ出資者構成員要件を変更する農地法改正案も、法人要件の緩和と農外資本の農地所有に道を開く可能性を大きく広げる恐れがある。

5.協同組合は組合員が出資・管理・運営する組織であり、農協改革は組合員の意思に基づく自主的・主体的な改革でなければならない。農業委員会や農業生産法人も農地を通じて地域と深い結びつきを持つ。いずれも政府が上から押しつける強権的な「改革」は筋違いであり、社民党は参院での農協改革関連法案の廃案を求め断固闘い抜く決意である。

以上